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真面目で「自分を許す」のが苦手。そんな私がうつを本当に受け入れられるようになるまで

私は抑うつです。

簡単に状況を整理すると、2018年にPMDD(月経前不快気分障害)と診断されたあと妊娠と出産を経験して→2019年に産後うつ育児ノイローゼ(自称)→年内には抑うつと診断されました。

2021年が終わろうとする現在に至っても抗うつ剤を毎日飲んでいます。

TMS治療にチャレンジしてみたり、ピル・漢方・頓服の抗不安剤を飲んでみたりと試行錯誤してきました。

いまでは義実家を積極的に頼るようにしたり息子を保育園に入れたりして、じっくり療養できる環境がだいぶ整ってきました。

文章ばかりでもみなさん退屈すると思うので、
合間にテキトーな写真を載せていきますね。

さて。

先日の診察で明らかに自分の病気に対する認識がクリアになった感覚があったので、今回のnoteではそこに至るまでの思考の動きを整理して書いていきたいと思います。

1.うつとはどんな病気なのか知る

うつってやる気がでなくなる心の病気でしょ?

知ってる知ってる、死にたくなる系のアレでしょ?

私自身そのくらいの認識で知ったような気になっていましたが、実は診断を受けたあともうつという病気についてきちんと理解できていませんでした。

特に私の心を軽くしてくれたのはうつに関する以下の4つの事実です。

①治療に時間がかかる病気である

うつは寛解に時間がかかる病気です。

これまで通りの生活を送れるようになるまでに年単位で根気強く通院し、服薬し、療養する必要があります。

私自身、「早く社会復帰したい」「早く元通りに活動できるようになりたい」「早く”普通の人間”に戻りたい」などと焦る気持ちと、なかなか減らない抗うつ剤、改善しない症状によりイライラしたり不安が募ったりしていました。

少なくとも数年かかるぞ!」と早い段階で認識し、いい意味で(?)諦めちゃったほうが楽だったと思います。

②依存性のない抗うつ剤もある

これまで健康だった人ならなおさら、「毎日薬を飲むなんて……」と服薬自体に抵抗を感じると思います。

「抗うつ剤を一生飲み続ける人生になるのでは?」と、私も不安になりました。ものすごく抵抗がありました

依存性のない抗うつ剤もあるので主治医と相談して自分が納得&安心して飲める薬を選びましょう

③心が弱いからうつ病になるわけではない

「うつ病になっちゃうんなんて……私だめだなぁ……」「根性ないなぁ……」「情けないなぁ……」「恥ずかしいなぁ……」

私はそんな風に自分を責めてしまいましたが、心が弱いからうつ病になってしまうわけではありません

「心が弱い人はストレスに弱いから、うつ病を発症するのではないか」と考える人がいるかもしれませんが、ストレスとはそもそも「心や体にかかる刺激や負荷」を指します
つまり、人によっては思いもよらない出来事がストレスになるのです。
親しい人との死別や離婚、あるいは病気になるなどといった悲しい、つらい出来事がストレスとなるのは理解しやすいと思われます。しかし、それ以外にも昇進や結婚、こどもの独立など、どちらかというと明るい人生の転機でさえストレスとなることがあるのです
塩野義製薬株式会社、日本イーライリリー株式会社
『うつ病~こころとからだ』

事実としてこれを把握しておくと「私に欠陥があるわけじゃないんだ」「誰だって、些細なきっかけでなる可能性があるんだ」と、ちょっと安心できます。

気合いで解決できるものではないということも理解しておくべきです。

気持ちの問題じゃなくて脳の症状です。
陽気な人だって簡単にうつになります。

④身体症状も併発する

「やる気が出ない」「これまで興味のあった趣味なども楽しいと思えない」「人づきあいが億劫になる」など、心の症状は一般的にうつ病の症状として知られていますが、身体にも症状が表れることはご存知でしょうか。

うつ病の“からだの症状”には、睡眠障害、疲労感・倦怠感、食欲の減退、動悸・息苦しさ・口が渇くなど、さまざまな症状があるといわれています。また、頭や肩、腰などの「重さや痛み」が、うつ病にともなうことがあるとも考えられています。
塩野義製薬株式会社、日本イーライリリー株式会社
『うつ病~こころとからだ』

私はこの中でも疲労感・倦怠感が強く、子どもを朝保育園に送っていっただけでもぐったりしてしまう日があります。

妊娠中に寝込んでいた関係で体力が落ちたのだと勘違いしていましたが、実際には抑うつの症状の一つとして疲労感が強く表れていたのです。

主治医の先生に「今はうつになる前のあなたよりもエネルギータンクが小さくなっている状態です。徐々にタンクが元の大きさに戻ってきますから、ゆっくり回復を待ちましょう」と説明してもらいました。

うつ=エネルギー総量の低下」と捉えることができていれば、「そりゃ今まで通りの生活はできないよな」「無理がきく状態じゃないからのんびり過ごそう」と、パワーのない自分を冷静に受け止めることができます

出かけた日の翌日はダウンすることをあらかじめ想定しておく。
なぜならエネルギーがめちゃ少ない状態で生きているので。


2.病気であることを受け入れる

これに意外と時間がかかってしまいました。

2019年に抑うつの診断を受けた時点で「やっぱりな」とは思ったものの、心の奥底では「なんで私が? もともと結構アクティブなタイプだったのにな……」とか、「心が弱い人みたいで嫌だなぁ、カッコ悪いなぁ……」とか、自分がうつ病であると認めたくなかったんです

フ〇ギダネ「認めちゃえば楽になるよ」

先述のようなうつ病に関する正しい知識を得たことで、自身の病気をスッと受け入れられるようになりました。


3.治療に専念するんだと腹を括る

とにかく休むことに専念します。

腹を括って休んでください

頑張り屋さんな人とか、真面目な人とか、完璧主義な人がうつ病になりやすいと言われていますが、私はまさにそれです。(自分で言うのもアレですが)

そんな人は家でじっとしている自分のことが許せなかったりします

許していいんです。

病気なんだから

主治医の先生の言葉でとても分かりやすかった例え話があります。

「インフルエンザにかかって40度の熱が出たら、薬飲んで寝ますよね?」

「そうですね……」

「身体が重いだとかやる気が出ないというのはうつ病の症状なんですよ。病気なんだから、休んでいいんですよ。インフルエンザの人が寝込むのと一緒です

「あ……」

「休んでいる自分のことを、怠けている、気合いが足りないと責めてしまっていませんか? 休息を取ることに罪悪感を覚えていませんか?」

「そうかもしれません」

「いいんですよ病気なんだから。私は病気なんだから、症状が出たら薬飲んで寝ます! それでいいんです」

ダラダラしている(ように見える)自分のことを「私はいま、うつ病患者なので! これ治療なので! 腹括って本気で休んでるんですわ!」と正当化しましょう。

「あ、私うつ病なんで。ニコッ」
開き直れると少し楽になる

頑張らないのが仕事というか、休むのが仕事というか

いつかうつが良くなって体力も気力もちょっとずつ戻ってくるぞ! それまではのんびり生きるぞ! 休み休みでいくぞ! ……という作戦で生存していきましょう。


4.割り切りながら生活する

さっきから「いい意味で諦める」だとか「開き直る」だとか、なんかネガティブっぽい言葉を並べているのですが、そういうのが苦手なタイプだからこそうつ病になっちゃったりするのかなと私は思っていて。

少なくとも私はそうなんですよ……、頭が固いというか。

今は割り切り上手、諦め上手、切り替え上手を目指して生活しています。

「すっぴんでいいや〜」
「パジャマでいいや~」
「机ぐちゃぐちゃでいいや〜」
「トマト食っときゃいいや〜」

いきなり融通の利く器用なタイプに生まれ変われるわけではありませんが、ちょっとずつ「別にいいや~」って思えるようになってきました。


さいごに

とりあえず、闘病4年目にしてやっと自身が病気であることを受け入れられるようになってきました。

ここまで結構時間がかかりました。

いまは心置きなくダラダラしようと思ってます。

うつになっちゃったもんはしょうがないので、当面は無理はしない主義で生きていきます。

人に頼ります。

やばそうなときはすぐにSOSを出します。

泣きたいときは泣きます。

自分のことを許してあげます

小学生のころから座右の銘が「他人に優しく、自分に厳しく」だったので、私って一貫してるなぁと苦笑いです。笑

でもこれからは「他人に優しく、自分にはもっと優しく」で生きていきます。

そのほうがたぶんみんな幸せになれます。

この文章が、うつで死にたくなっている人や、大切な人がうつになってしまいどう接したらいいか分からない人に届くといいなと思って書きました。


▼音声でも似たような話をしてるので、ながら聴きしたいという方はこちらをどうぞ!

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