同棲
Y子と再び恋人同士に戻り、また毎週デートする様になった。
最初のデートでセックスもしようと思ってたが、生理が来てると言う事で翌週に持ち越しになった。
せっかくだからと普段行かないラブホテルに行ったのだが、普段と違う環境で更に久しぶりの再会とセックスと言うシチュエーションも相まって、相当興奮したのを覚えてる。
それから大きな喧嘩もなく一年が過ぎた頃の事。
俺の家のベッドに2人で横になっていた時に、Y子が今住んでる家がそろそろ契約更新になるから、このタイミングで家を引っ越そうと思ってると言った。
少し前から冗談めかした感じで「この家に一緒に住もうかなー」と暗に同棲したいと伝えて来てた事はあった。
同棲すると言う事はもはや俺にとって結婚へのカウントダウンに等しい。
そりゃあ一度別れたのに、またヨリを戻したのだから今度こそ結婚を視野に入れてるのは当然かも知れない。その時点でY子は30間近だったし、年齢的にも結婚を焦り出すのは無理もない事だとも思う。
でも同棲すると当然他の子と遊ぶ事は難しくなる。
Y子とヨリを戻してからは一切他の子と関係を持った事は無いが、それを出来る可能性すら奪われる事が自分にとっては同棲を即決出来ない足かせとなっていた。
しばらく考えた末、俺は「うーん、今回はウチから近い場所に引っ越すでどうかな?」と言った。
するとY子は無言になった。
そして泣き始めた。
声をかみ殺す様に泣いた。
普段あまり泣く事が無いY子が泣いてるのは、やはり胸に来る物がある。
俺は瞬時に、Y子は同棲を提案して、もし断られたら俺と別れようと決めていたのだと悟った。
Y子との別れを想像したら俺は怖くなった。
これまで何度もY子と別れる事は想像した事があるのに、いざそれが現実的なものになると、途端に恐怖に襲われた。
「じゃあウチに引っ越して、一緒に住むで良いよ」
反射的に俺はそう言っていた。
Y子はまだ泣いてたが、静かに頷いた。
そうしてY子との同棲生活、そして結婚へのカウントダウンが始まったのだった。
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