自己啓発書を読まずに、自伝や評伝を読むススメ

僕は経営者の自伝や評伝を読むのが大好きなのだが、最近、それが仕事にもなっていて、誰にも遠慮することなく好き放題読んでいる。

成功した経営者に、むりやり共通項をみつければ「明るく、元気で、遊び大好き。欲深いけど、けっこうデタラメ」となる。確かに、今でいうウェーイ系の要素満点でいかにも成功しそうなタイプだが、「明るく、元気で、遊び大好き。欲深いけど、けっこうデタラメ」な奴なんていくらでもいる。

「名経営者に学べ!」みたいな自己啓発書が本屋には並んでいるが、正直、彼らを知れば知るほど真似ようと思っても真似られないことがわかる。再現性が全くない。再現性はないのであるが、再現性がないといってしまえば出版社は商売が成り立たないので、偉大な経営者には法則があるように書かれているのだ。

では、何で彼らが成功したかというと、ぶっちゃけ運である。身もふたもないのだが、運である。特に最近、僕が面白いと思っているのは阪急の創業者の小林一三だ。元テニス選手の松岡修造の曽祖父だ。出世も転職もできず、流されるがままに働いていたら、なぜかオーナー経営者にならざるをえなくなったのである。自分自身で「人生は運」といいきっちゃってるところがまたいい。あまりにも面白かったのでプレジデントの連載に取り上げたほどである。

もちろん、運といっても、テレビをみながらゴロゴロしていたら、起業話は転がってこない。「棚から牡丹餅」とはいうが棚の近くにいなければ牡丹餅は食べられないのである。

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