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「嫌い!」と言われて。@4歳児のことば

登場人物
Tくん(4):4歳男児
Iくん(2):2歳男児
____

ある日のこと。

公園に散歩に来ていた。
公園ではいつも、それぞれの子が幅広く散らばって過ごしている。といっても、仲間同士である程度集まってる感じはあるが。

遠目に見ていると、なにやらIくん(2)がTくん(4)に対して怒っているようだ。近くに寄ってみることにした。

どうやら、Iくん(2)が公園の地面にある止水弁?かなにかの蓋を触ろうとしていて、Tくん(4)が「これはあけたらだめだよ!」と言っているようだ。そういえば前に似たようなことがあり、そのときは僕が声をかけたのだったと思う。この時、Tくん(4)は、蓋を守っている?ような感じに見えた。

さて。Tくん(4)に対して怒っているIくん(2)。

Iくん(2)「I、Tくんのこときらい!」

険しい表情で言い切っている。
こんなとき、昔のTくん(4)だったら手を出して怒っていた。
今回はどうだろうか。。。そして僕は、入るか入るまいか。

するとTくん(4)がしゃべった。

Tくん(4)「Tは、Iくんのことが大好きだよ!」

おぉ・・・・
「きらい」と言われて「大好き」とは・・・


Tくん(4)は、Iくん(2)の両肩をつかみ、目をしっかり見つめて言い切っている。さらに続ける。

Tくん(4)「Tは、Iくんのことが大好きだよ!!」

そしてこの場は終わっていった。

__

振り返ればもう少し保育できることがあった。
Tくん(4)が「あけてはいけない」と言ったのはなぜか。もしかしたら大人(僕)が言わしてしまったのか??それとも彼自身の言葉だったのか。

そして、確かに謎の蓋があれば開けたいものだ。僕自身も、小学生の頃までは確実に開けていただろう。中に何があるか気になるし、パカパカやってみたい。この気持ちはとても分かる。しかしここは公共の公園だ。壊してしまったら?公園管理の方が困るし、しいては公園を使うみなさんが困ることになる。という考えも自分の中に出てくるから揺れるのだ。

果たして、ここで終わってよかったのだろうか。

少なくともIくん(2)はスッキリはしていないかもしれない。しかし時に我慢も必要なのかもしれない。ここは、僕が自分自身を見つめろということなのだろう。自分で考えろということなのだろう。


それにしても、

「きらい!」と言われて、
目を見て真正面から「僕は大好きだよ!」と言えるTくん(4)の感覚が全く分からない。どれだけIくん(2)を信頼しているのだろうか。いや、信頼なのか?仲間意識?愛?思いやり?なんなのだろうか。

Tくん(4)は、この場面で何か大切なことを伝えようとしていたのだろうか?Iくん(2)が、ただここであそびたかっただけというわけでなく、さらに奥を感じていたのかも?

Tくん(4)のこの感覚。
ひとりの人として本当に尊敬する。
僕がもしパートナーに「きらい!」と言われたら。
それでも自分は「大好きだよ!」と言えるのだろうか。

子どもたちは想像もできないようなところにいる。

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