こんな昌平君は絶対に嫌だ
「傷つきたくないから」と保険をかけて本気になることを避ける人がいるのだけど、ちょっと理解が難しい。
いや実際に僕自身もそういった経験はあるし、何なら高校野球が終わった瞬間からマジになれるものを見つけるのに時間がかかった。人生を懸けて頑張ってきたものを失うのが辛いことは、人並みにわかっているつもりではある。
ただ「100%でやらない(あるいは挑戦を避ける)選択がいかに自分を追い込むか」というのも、同時に覚えておいた方が良いと思う。
勝てるはずの勝負さえロクに戦えなくなってしまうから、それ保険になってないぞ!と早く気づこう。五分五分、あるいは半信半疑のようなテンションで物事に取り組むのは勝率を著しく下げる。
5割どころじゃなく、ガッツリと下げる。
キングダムを読んでいる人は昌平君を想像してみてほしいのだけど(わからない人は「司令塔」的なものをイメージ!)、軍師はいつも戦に勝つために戦略を練る。
どうやって攻めたら優位に進められるのか。
どうやって守れば最終的に勝利を掴めるのか。
自軍が持っている力をいかにして使うかを描き、飛信隊や楽華隊・玉鳳隊といった兵力を動かす。
だから強いのだが、ちょっと想像してみてほしい。
〜こんな昌平君は嫌だ〜
昌平君
「今回の戦は絶対に勝たねばならない」
信・蒙恬・王賁
「おう!やってやるぜ!(やってやりましょう!)」
昌平君
「相手の兵は10万。それに対して我が軍も10万だ」
信・蒙恬・王賁
「(戦力は互角か、ギリギリの戦いになるな…)」
昌平君
「よってお前たちの活躍が勝利には不可欠になる」
信・蒙恬・王賁
「おう!やってやるぜ!(やってやりましょう!)」
昌平君
「もう一度言うが、今回は絶対に勝たなければならない」
「がしかし、我々はあまり兵を傷つけたくない。
そもそも勝てるかわからない。ぶっちゃけ微妙だ。
それゆえとりあえず半分の5万を送り込んでみようと思う」
信・蒙恬・王賁
「!?!?!?!?!?」
いや勝てないって。マジで。バカかよ昌平君。
相手の半分も削れないうちにさっさと負けそうだから、だったら最初から行きたくないって。
もしあなたが仮に昌平君だったとして、どうだろう。
絶対に成功させたい挑戦が目の前にあるにも関わらず、半信半疑ゆえに5割の力で戦うことを指示するだろうか。
いや、そんなわけないじゃん?と思ったあなた。めっちゃ正常だと思う。
突撃する5万の兵がさすがに可哀想だし、はじめは五分五分だったはずの勝率がほぼ無理ゲーになっている事実にはさすがに気づく。
もう勘の良い方は気づいているかと思うが、人生においてもまったく同じじゃないだろうか。
100%で戦わないってことは勝率を極限まで下げるだけじゃなく、せっかくの自分の努力(5万の兵)まで簡単に無駄にする。
傷つきたくないゆえの選択だったはずが、皮肉なことに一番自分を傷つける結果になる。
実際のところ、僕らは別に十万人の隊を率いるわけではない。
ただ一方で、いつだって自分の人生の指揮をとるのは自分だ。
傷つきたくない、失敗したくない状況において選択すべきアクションは常に「本気でぶつかる」ことなのは覚えておくといいと思う。
だってこんな昌平君、嫌でしょう?
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