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努力が無駄にならない場所に、ちゃんといる?

僕は学生時代に野球部だったこともあり、そしてギリ昭和生まれという年代的にも割と体育会系の気質はキライじゃない。

頑張ればなんとかなる。極論ではあるものの、机上の空論をダラダラと述べるくらいならそんなテンションも大切だと普通に思う。

一方で、同じく野球畑のヒーローで同世代のダルビッシュ投手の言葉も大好きだ。

「努力は嘘をつかない」って言うけど、頭を使った努力をしないと平気で嘘つくよ。

まさにである。努力なんて報われないよな、と思っている人の多くは、ひょっとしたら「嘘をつくフィールド」で戦っていたのかもしれない。

思考停止で手足を動かすだけだとしたら、それは努力とは呼ばないのかもしれない。


これは何においても同じようなことが言えると思うのだが、たとえば僕の元にブログから寄せられる相談はこんなものが多い。

「会社でいくら頑張っても給料が上がりません」
「必死になるのが馬鹿馬鹿しく感じてしまいます」

僕は起業するまえに会社で働いた経験がいまでも役に立っているし、会社なんてクソだ!とは別に思わない。仮にクソだとしたら、自分の法人も何なんだ?っていう。

ただ事実として、努力が報われないフィールドは確かに存在するということ。会社や組織は性質上、極めてそういった色が強くなりがちなこと。

この辺りは頭に置いておくと、色んなシーンで正当な判断がしやすいんじゃないかと思う。いくら残業を買って出たところで、必ず1年後に昇給するわけでもないのだ。


僕ら人間は、「なんとなく」の空気で盲目的に物事をみやすい。

起業する前には会社に勤める以外の選択肢がなかったし、野球部のときだって意味がわからないまま走り込みをした。

そうすれば人生が上手くいくような空気があったんだ、なんとなく。

でも結果的にそれは幻想で、同じような経験は何かしらみんなしているんじゃないかと思う。

だからこそ、努力するときには「方向、あってる?」と問いかけてみるといいと思う。時間とエネルギーだけ浪費する結果になることも、世の中にはマジであるから。


今は、色んな業種で常識が塗り替えられる時代だ。

たとえばあなたが食品業界の商品開発を担当していたとして。どんなことを意識して商品をつくるだろうか?

より美味しいものを届けたい!と考えるのは自然なことだろうし、食品を売る以上、味にはこだわりたいと思っても不思議ではない。

もちろんそれは正解である一方で、実際のところ近年の食品業界では「時短」が重要なキーワードになっている。ユーザーの生活に時間を生むこと。冷凍食品の市場拡大もレンチン商品の需要増加も、つまりはそういうことで。

このタイミングで「いくら手間がかかってもいいから味を!とにかく美味しいものを!届けるんだ!!うちは!!」と躍起になったところで、大事なものを見落としているかもしれない。

商品開発においていくら努力を重ねたところで、無に帰す可能性があるかもしれない。


無駄な努力なんてない。

それは素晴らしい考え方だし、実際にそうだと思う。が、現実として「死ぬ気で頑張ってもなにも起きない場所がある」ことも覚えておきたい。

光れるフィールドに自分を置いてやるのは、頑張れる努力家の義務なんじゃないだろうか。


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