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漢字で感じる人間学54(踊・足から体を通り抜けるエネルギー)

「通」と通じる文字に「踊」があります。

「甬」(ヨウ)はもともと「手桶」を現す漢字で、「空洞」がその本質です。この「甬」に動きを現す「辶」がついて「通」でした。空間をエネルギーが通り抜けるイメージ。さらにこの「甬」に「足」がついて「踊る」になります。

踊りは、ついつい手先の方に目が行きがちですが、うまく踊るためには、下半身の動きがとても重要です。

重さのあるものは、地球の中心に向かって重力で引っ張られています。力を入れなくても、素直に地球への重力に身を任せてあげれば、身体の形状と地面からの反発力によって、上の方に跳ね返る力が生じます。

「足」で「重」さを受けるところは「踵」ですね。

この重力によって下に落ちる力と、床や地面からの反発力で上に伸びあがる力をうまく利用すれば、力を使わなくても楽に運動することができます。

踊りの基本もこれが中心です。リズムも地球への落下と地球からの反発力のタイミングを合わせて取れば余計な力が要りません。また力を使わないから、そのまま波に乗っていくことができます。

そして、さらに通りのよい身体は、エネルギーが身体の中を通り抜けて、そのまま手や上半身を動かします。地球と一体になった動きです。一流のアスリートがやる運動はどの分野であれ、必ずこの要素を持っています。

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