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外見に惑わされちゃいけないが、外見は中身を反映してたりする

味玉 トリュフ香るはまぐり醤油そば 麺屋 中川會@錦糸町


 高校の同級生と久々に錦糸町で呑んだ。

 近況と仕事の愚痴を言い合っていたのだが、いつの間にか、河合優実がいいとか、いや出口夏希だとか言い合っている。

 長澤まさみの顔が好きだ、石原さとみの声がそそる、吉岡里帆のスタイルがエロい、吉田羊の仕草がヤバいとか、単なる女性の好みのタイプの話を延々と繰り広げていた。まあ呑み話なんてそんなものかもしれないけど、50歳過ぎのおっさん二人で盛り上がるネタとしてはいかがなものだろう? 中二くらいの会話内容だ。はたから見たらなんとキモい光景か! が、時々「ああ、それはわかる」と核心に迫るような発言が飛び出したりして、急に50歳が顔を出す。人生経験を重ねた上の中二話という今だからできる話は面白い部分も多々あった。しかし、やっぱりキモい気はする。

 外見とは色々な要素が加わって出来上がっている。顔立ち、髪型、スタイルというルックスそのもののベースに始まり、ファッションやヘアメイク、目線、仕草、発言すらも加わってそれは完成する。すると、完成した外見を見れば「たぶんこういうタイプだよね」「こういう考えを持っているよね」とその人の内側が滲み出ていることに気がつく。そんな話に発展して、お互いに「あー、わかる」みたいな、実際はどうかわからないけど、互いの経験則から一致するものが結構あった。外見そのものから本人がわかるとは言わないけど、外見には本人の性格とか考えとかが割と反映されてるよなってことを改めて感じた。

 互いに軽いつまみくらいしか食べずに呑むので、いつもの通り「店を出たらとりあえずラーメン食って帰ろう」となる。店を出る前に、女性ネタから貝出汁ラーメンの話に切り替わったので、じゃあ貝出汁食べようと店へと向かう。

 え?
 最近の貝出汁ラーメン屋とは思えない外観。2体のマネキンと多めの提灯がお出迎えする香港とか台湾を意識した居酒屋みたいな、結構癖が強い感じのお店。「麺屋 中川會」。
 大丈夫か?
 と思いながらも入ると、内観は割と普通めな居酒屋な感じだった。確かにラーメン屋っぽくないのは変わらないかもだけど。
 食券でトリュフ入りのはまぐり醤油そばを選ぶ。あともう一杯ハイボールも。
 お笑いタレントの土田晃之さんもよく来るお店らしい。それでなのか、番組でも多数取り扱われているようでサイン色紙が壁にずらーっと並んでいる。
 錦糸町が根城の同級生が言うには、つけ麺がメインで、カレ変と言うのが人気らしい。カレ変とは食べ終わったつけ汁をカレー味に再調理してくれ、そこにご飯を入れたカレー丼が食べられるメニューなのだ。
 えー? それの方が気になる! と思ったのだけど、今日のところは話の流れで貝出汁縛り。次来たら、カレ変したい!

味玉トリュフ香るはまぐり醤油そば

 ハイボールをちびちびやってるとらーめん着丼。
 つけ麺気になるって思ったけど、これはこれで結構素敵。トリュフの香りがふわーっと鼻腔をくすぐる。あ、旨そう。
 スープは淡麗。結構な旨さ。呑んだ後には、マジ最高! こういうスープって〆に食べてもなんだか罪悪感を感じないのがいいよね。
 まずはトリュフが最速でやって来るけど、次にはまぐりが追いかけてきて、最後に鶏がやってくる。多段階味変の贅沢さ。実ははまぐりと鶏清湯のWスープなのだ。あー、さらにトリュフオイルも使ってるけど、鶏油も使ってるのかな? しばらく食べると鶏油感も感じられる。麺もパツパツとした味わいのストレートで淡麗スープによく合う旨さ。支那竹も好きなタイプのヤツ。味玉もいい感じのしみ具合、ゼリー状卵黄。チャーシューは2種類あって肉肉しくしっかりしてはいるんだけど、僕の好みにはもう一つって感じがした。淡麗な味だから下味控えめにしているのか? つけ麺に合わせて味を弱くしているのか? もうちょっとチャーシュー単品でもグッとくる味だとより良かったなぁ。
 ただスープも麺も旨かったので、満足はしたんだけどね。

 店を出てまた外観を振り返り、外観の奇天烈さとは違って中身は割と正統派だったなと思い、やっぱり外見で中身はわからんのかもなぁと反省する。
 が、いや待てよ。カレ変といい、トリュフ&鶏油の多段階味変といい、やっぱりその面白アイデアを持った店主のエンターテイメント思想が外観に現れているんじゃないかと思い直す。

 なるほどなぁ。
 外見はやっぱりその人の特徴的な中身を反映しているんだなと、50歳にして悟りを開いた夜だった(かなり酔っている)。


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