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リターンよりプロセスにお金を払いたい

僕の好きな言葉はいくつかあるのですが、中でも「利他」という言葉が特に好きです。利他とは、自己の利益よりも、他者の利益を優先する考え方。
もっと具体的に言うと「困っている状況にある他者を援助する行動で自分の利益を主な目的としない行動」と定義できます。

ちょっと例を出してみます。
今、手元に1万円を持っていたとします。ずっと欲しかった生活家電を買おうとしたけど、たまたまFacebookを見たら中学時代の友人がクラウドファンディングをしている。このプロジェクト300万円を目指すAll-or-Nothing方式で現在299万円。残り時間は10分。

金額は違いますが、この例に近い経験があったのでその時の思考の整理も兼ねて今回はnoteを書くことにしました。
もし、同じような境遇なら気持ちよく1万円を支援できるだろうか。これが今回の問いです。

1.人間は合理的な意思決定をする

そもそもの人間の思考から考えてみます。
スーパーに行った時、1,000円の海外産鶏肉と10,000円の国産鶏肉があった場合、どちらを購入するでしょうか。自分の所得や経済状況などいろいろ考慮すべき点はありますが、多くの人は後者を購入すると思います。それは国産であっても海外産の2-3倍ぐらいの値段が市場価格だと経験上分かっているからです。

つまり、経験則や市場価格を知っていれば基本的に合理的な意思決定をするのが人間です。

2.お金を支払うことを応援と思えるか?

人にお金を渡すことは、とても勇気がいることです。仮に、宝くじが当たって得た1万円ならどうだろう。僕ならあまり考えないで1万円を使ってしまうけど、もし自分で汗水垂らして働いて得た1万円なら無駄になってほしくない、と考える人がほとんどだと思います。

どんな1万円でもあなたが1万円を手にしていたらあなたのものです。どう使おうかは自由です。「そのお金を気持ちよく支払って応援したいと思えるか」がとても重要だと思います。

3.リターンよりプロセスを見れるか

クラウドファンディングの話に戻ります。僕も何度かクラウドファンディングで物を購入したことがあるのですが、それは主にリターンを期待した購入でした。
リターンの多くは割引価格で購入できたりするもので、もし欲しい商品だったりすれば合理的な消費行動だと思います。

ただ、結果というリターンではなくプロセスを応援できるかが大事です。当然のことながら単なるお金集めなら賛同してくれる人は少ないです。もし居るとしたら本当に親しい友人か家族ぐらいだと思いますが、それならクラウドファンディングの意味がありません。

世の中の知人でもない人から共感を得るにはストーリーが必要です。ストーリーとはブランドをなぜ作ったのか、どのような思いで作ろうと思ったなどの製品制作における思考プロセスの一部です。
そして、共感ポイントで最も大事なのがプロセスです。商品を作るのに日本全国を回って1,000人以上の人に話を聞いたりリサーチしてようやく製品化した話とか、本当に自己資金がなくて友人や家族に援助をお願いしたけどそれでも、足りないのようなプロセスがあったら、知らない人でも「おっ、大変な思いして作ってるんだな。」と感じると思います。

自分が少し支援したら助かる人がいると考えると、利他の精神が働きます。
そして、そこには返報性の法則など存在しません。

4.もしお金を払って応援するなら

自分だったらの話ですが、どんなに親しい友人であってもプロセスに共感できなければ僕なら支援はしないスタンスです。それが無料のFacebookやTwitterのシェアひとつであってもです。
もし自分のアカウントでシェアしたらそれは共感しました!と公言しているようなものです。自分のスタンスをシェアという形で表したことになります。
お金を払って支援するならさらに慎重になります。

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自分が働いたお金を使って応援したい!と思えるプロジェクトや人なら喜んで支援をするし、何より気持ち良いですよね。これはビジネスでも日常生活でも同じだと思います。
逆の立場で考えれば、もし支援を募る側なら

・なぜ支援が必要なのか
・集めたお金をどのように使うか
・自分たちがどのような思いで取り組んでいるのか

などを事細かに言語化しておくべきだなと。見せ方より共感を生むには想いを齟齬がないように伝えることが大切なので。

結局、人は「誰かの力になること」に嬉しさを感じると思うんです。他人の幸せが自分の幸せのように感じる、のは全員ではないにしろ必ず一定数は居る。だから、募金のような無償の応援も存在するし、リターンありきのクラウドファンディングのようなプラットフォームも存在する。
究極はリターンを考えないで応援できる世界だけどなかなか難しいのでだったら小さな積み上げが大きな変化を生むような世界ができたら良いなと、希望で話を締め括りたいと思います。

ちなみに最近読んだこの本にも影響されてよりプロセスは大事だなと考えるきっかけにもなりました。

おわり!

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