見出し画像

カスタマーサクセスとカスタマーマーケティングとは?具体的な施策も含めて解説

2000年頃からアメリカでカスタマーサクセスという言葉が提唱され始め、今や日本のSaaS企業にも必ず存在するようになりました。

営業部隊ではあるけど、プロフィットセンターではなく解約防止を目的としたプロフィットキープセンターとでも言うべきか。
ただ、カスタマーサクセスにも攻めと守りがあり、共通する最大のミッションは顧客のLTVの向上、つまりいかに長く顧客にお金を落としていってもらうかです。

そもそも、カスタマーサポートとカスタマーサクセスにはどのような違いがあるのか。
前半では、カスタマーサクセスについて、後半ではカスタマーマーケティングについて述べます。

能動的か受動的か

カスタマーサポートの場合、解決したいことが明確な顧客からの問い合わせに、短時間で適切な返答をすることが求められます。
問合せが入って、そこから仕事が始まるので受動的な仕事になります。
一方、カスタマーサクセスは既存顧客を獲得後に動き出すので定期的にフォローをしたり「わからないから使わなくなる」状態を未然に防ぐ事が求められます。

企業側が「顧客が困っていることは何か」チェックすることから仕事が始まるので能動的な姿勢が求められます。

カスタマーサクセスで重要なスキル

カスタマーサクセスには以下の能力が求められると思います。

①顧客との関係構築スキル

②情報分析スキル

③課題発見・問題解決スキル

④業務設計・企画スキル

⑤ファシリテーションスキル

順番に見ていきます。

①顧客との関係構築スキル
顧客のビジネスを十分に理解し、ニーズを的確につかみながら、密なコミュニケーションを取っていく必要があります。
顧客とのコミュニケーションでは、まず課題を聞き本質をつかんだ上での対応が求められます。顧客の言葉だけでなく非言語的コミュニケーションも重要になってきます。

②情報分析スキル
的確な対応、企画・提案をするには、情報要素を客観的に分析するスキルが必要です。顧客の属する業界の動向(ホリゾンタルSaaSの場合)、顧客の事業形態や規模などの情報は、数値やデータという形で手に入れますがいかに正確な数値を手に入れ詳しく分析するかが重要になります。

③課題発見・問題解決スキル
問題や課題を発見し、解決や達成に到達するスキルも欠かせません。
ヒアリングし顧客情報を得た後、問題や課題が隠れていることがあります。
顧客の業界や事業、顧客のスペックと自社スペック、顧客の意向などを踏まえてベストな解決策を見つけ出して、顧客企業の意思決定を助けていきます。

④業務設計・企画スキル
顧客へのヒアリングにより入手した情報を分析、問題や課題を発見し、解決策を見出したら実際の業務に落とし込みます。さらに、成功に導くためのプロセス(オペレーション)まで考えて、提案していく必要があるので業務設計と企画スキルは必要になっていきます。

⑤ファシリテーションスキル
例えば、顧客と自社の開発メンバーとの間に立つときは、意思疎通をスムーズにするための「翻訳」が不可欠です。開発者は開発用語を使って伝えてくることもあるので、それを誰でも分かりやすく翻訳するのです。顧客はITリテラシーが高いとも限らないし開発者が顧客のビジネスに関する知見がないこともあるからです。

カスタマーマーケティングについて

カスタマーサクセスはすでに有名な職種ですが、カスタマーマーケティングの概念を知らない人は多いはずです。カスタマーマーケティングとは既存顧客に対して行うマーケティング手法で、大きくて分けて3つです。

オンボーディング

ロイヤリティ向上

コミュニティへの参加促進

そもそも注目された背景は、「新しく顧客を獲得する場合」と「既存顧客を維持する場合」では新しく顧客を獲得する場合の方が新規顧客獲得コスト(CPA)が高いからです。

リテンション(維持)率を改善すると、その分利益率が上がり、新規顧客へのセールス成功率より既存顧客へのセールス成功率は3-10倍ほど高いと言われているので、既存顧客へのマーケティングが注目されました。

「顧客への提供価値」と「顧客へのアプローチ数」の2軸で顧客とのタッチモデルを整理

以下に具体的な施策を挙げます。

画像1

引用:https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/184301

顧客数が少ない場合は、ハイタッチ施策をどんどん取るべきでしょう。密なコミュニケーションは顧客との信頼に繋がり、解約防止に繋がります。

顧客がだんだん増えてくると、カスタマーマーケティング担当者も増えますが、いよいよ追いつかなくなってくるでしょう。そこで1対NやN対Nのマーケティングが必要になります。
新型コロナウィルス流行以前は、オフラインのセミナーが一般的でしたが、コロナ渦ではオンラインセミナーを積極的に施策として打ち出すSaaS企業が増えた気がします。コンテンツを事前に録画しておけばオンデマンドでの配信もできるので、視聴者にもメリットが大きいです。

同時に定期的なメルマガ配信は、既存顧客へのアプローチとしては有効的です。
潜在顧客へのメルマガの一般的な開封率は10%前後と言われてますが、既存顧客の場合、顧客数にもよりますが20-30%前後まで伸びます。CTRは、およそ5-10%でその中でCVまでいたるのが1%程度でしょう。
ちなみに、テキストメールだと開封率やCTRの分析ができないのでHTML一択でしょう。

上記以外のオンボーディング施策

例えば、FAQの作成です。理想を言えば、チャントでのリアルタイムのフォローですがそうもいきません。FAQを作成しておけば、顧客が情報を取りにいき解決してもらえます。
解決までのハードルは、そこまで高くはないでしょう。

チュートリアルの動画配信は、SaaSのサブスクリプションではよく見られます。使おうと思っても、使用方法が分からないとき今の時代ならググれば誰かしらが使い方の動画とかブログを書いてますが、BtoBの商材であれば個人発信はほとんどないから有効でしょう。テキストより動画の方が相手にとってもストレスなく理解できるでしょう。

担当者としてどうあるべき?

担当者としてどう動いていくべきか。これは選択と集中にあると考えてます。例えば、クライアントが数百社いてCS担当が数人しかいない場合。まずは仕組みづくりをしつつ、オンボーディングを目指します。慣れてきたら、ハイタッチから徐々にテックタッチに移行していき、一人で多くの顧客を担当できることが理想です。

利用継続期間が長いほどロイヤリティは高くなり、機能改善の要望等が出てくることもあると思いますが、これはチャンスであり徹底的にヒアリングし、なぜその要望を叶えたいのかその改善により他の顧客にも良い影響を与えるのかを考えます。
お客様は神と言われたりしますが、そうではなくお客様の声こそ神です。

まとめ

カスタマーサクセスは顧客の成功にコミットし、ロイヤリティの向上とオンボーディングを同時にしながら、新規顧客の創出までできるのが理想的だと考えてます。
あまり知られてないカスタマーマーケティングに興味がある方はこんなmeet upがあるので見てみてください。

参考書籍

このnoteでは、ビジネスマインドやマーケティング、読んだ本のアウトプットをしています。良かったらフォローお願いします!

Twitterでも発信してます!



いただいたサポートは、今後のインプットのために書籍やnoteの購入代金にさせていただきます。