見出し画像

【臨床日記】運動療法において原因を追求することの重要性

先日いらしたクライアントさんは、変形性膝関節症で膝の伸展制限が−30度。
テニスをされていて、クリニックに通ってリハビリを受けていたと。

まずNGなのは伸びない膝を上から押すこと。
これは初期の場合は効果的ですが、逃避反射が発生した状態だと逆効果になります。
僕も大学病院勤務時代には、何も考えずに重錘を乗せていましたが、、、。

今回の方も膝を触れると、過剰な筋緊張がハムストリングに生じていて、これはもう逃避反射の亢進状態ということがすぐに分かりました。
ですので対応は、自分で膝を伸ばす筋肉を使うことと、左右を交互に使うことで伸びている方の感覚を教える方法です。
膝は−20度まで改善し、歩きもかなり楽になったとおっしゃってもらいました。

お風呂でも継続してもらって経過を見ます。

今回の本題はそこではなく、なぜ膝が伸びなくなったかです。
変形性の部位は外側ということですから、ストレスは膝の外反ストレスです。
テニスの中でどういう動きがこのストレスを生んでいるかの考察が重要になります。

結果は、ラケットを振るときに体感を側屈させていたことでした。
その側屈の動きが、下半身に伝播すると膝の外反を生み出し、この繰り返しで外側の軟骨の損傷まで行ったということです。

根本的な対応は、体幹の側屈をしないでラケットを振る動きの習得です。
これによって、本人が気にされていた重心が後方に残るので、打った後に足が前に出ないということも改善されました。

本人としては無意識になっていたことですから、理屈がわかってとても納得されていました。
今までコーチに注意されていたことや、なんでできないのかなどの悩みが全て合点いったと言っていました。

クリニックの担当のPTさんももちろん膝について変形性膝関節症について勉強されていたでしょう。
ねじれが原因だからねじれを取るアプローチをしたと言っていたそうです。
でもすぐ元に戻ったそうです。
なので、信頼はされていませんでした。

対症療法は術後には必要です。
でも、外来の場合には原因を追求しなければそれはその場しのぎであって、治している事ではありません。
20分で原因追求は難しいですが、40分あればできます。
結果しっかり原因追求した方が結果は出るのです。
そもそも、本人が納得してるわけですから、日々の向き合い方が変わります。

よく言っているのですが、障害の原因は本人の習慣の中にあります。
外傷は外力ですからしょうがないですが、障害は習慣を帰れば変わります。
外来で保存の方を担当しているセラピストの方々には、そのことを理解して欲しいなと思います。

今後さらに保険適応が難しくなる時代が来ます。
対症療法を思考停止でしているセラピストは生き残れなくなるでしょう。
というか、選ばれなくなります。
どうか、予防運動療法の概念がもっと一般的になりますように。
まだ微力ですが、今回の方のような障害に対して、的確なアプローチができるセラピストが増えるよう僕も発信、啓蒙頑張ります。


よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。