ヨガ&ピラティスの事故情報の検索(2020)
ヨガやピラティスの事故が愛好者が増えると同時に相対的に増えています。
数年前にヨガに関してはNHK(地方版、全国版共に)でも取り上げられ、僕もインタビューに応じています。
さて、実際にどのような事故が起きているのでしょうか?
現状ヨガの代表的な業界団体というものが存在しないので、大規模調査や信頼できる報告はありません。
僕も個別に調査したことはありますが、全国の状態は知りません。
今回は、「事故情報データバンクシステム」という消費者庁と国民生活センターが連携しているシステムを用いてヨガとピラティスの現状について検討してみたいと思います。
【ヨガの現状】
「ヨガ」で検索すると287件ヒットします。多いと感じるか少ないと感じるか、、、。
ホットヨガに関するものが多いですね。ホットヨガで検索すると182件ヒットします。ヨガからホットヨガを引くと概ね常温ということでしょうか、105件ということになります。
無料体験後の解約金、違約金がらみの金銭的なものも目立ちます。退会に診断書が必要とか、体調不良なのに会費を請求されたなどの不満が多いですね。
怪我としては、、、
体調不良×69
頭痛×20
湿疹またはアトピー×17
腰痛×14
熱中症×8
頸部痛×6
股関節痛×5
吐き気または嘔吐×5
膝痛×4
怪我×4
半月板損傷×3
肉離れ×3
めまい×2
ぎっくり腰×2
転倒×2
高血圧×2
肋骨骨折、神経痛、耳管開放症等の重症、肩痛、低音部型難聴等の重症、肩の骨折(転倒)、圧迫骨折、自律神経の不調、咳、神経麻痺、胸痛、腰椎椎間板ヘルニア、肩関節脱臼、肩関節の腱板損傷、指の捻挫、喘息、骨折、アキレス腱断裂
「講師に背中を押された」、「講師に膝の向きを不意に変えられた」、「講師に腹部を押された」、「体を引っ張られた」、「胸を押された」、「首を強く押された」などインストラクターの過失を思わせるものもあります。
症状を見てもほとんどがホットヨガの熱中症がらみだなということがわかります。
頭痛も嘔吐も体調不良も熱中症の症状ですね。
ただ、骨折や半月板損傷などはホットとは関係ないポーズによるものでしょう。インストラクターの過失も関係していると考えると、アジャストメントは相当の注意が必要ということがわかりますね。
【ピラティスの現状】
「ピラティス」で検索すると19件ヒットします。意外と少ないですね。
内容を見ると、、、。
肋骨骨折×3
腰椎捻挫×2
半月板損傷×2
大腿骨頸部骨折、膝が腫れた、足に怪我をおった、頭痛、過呼吸、頸部痛
詳細までは書いていないので、機序はわかりませんし、因果関係も断言できませんが、中には、「インストラクターが押した」、「強引な指導で」と明確にインストラクターの過失を訴える内容もありました。
ピラティスはヨガと比べると重症なものが多いなという印象です。
【氷山の一角】
国民生活センターに問い合わせがあったもののみがここに出ています。問い合わせをしていない方も沢山いるでしょう。
これらの訴えを参考にして気をつける事をまとめてみましょう。
まずは、生徒さんに触れることがアクシデントを引き起こす可能性があるという事を肝に銘じるという事ですね。
生徒さんの状況を全て把握することはできません。可能な限り、クラス前に健康状態や注意すべきことがあれば申告してもらうようにしましょう。
生徒さんに触れる必要があるときには、強引なことはせずに、丁寧に、生徒さんに状況を確認をしつつ触れることが必要です。
事故が起こった場合には、保証を可能だけすることが大きな問題に発展しない誠意ある対応かなと思います。
インストラクターとしては、保険に入っておくこともこれからは重要ですね。他人事とは思わずに、自分ごととして指導に当たっている方は今一度、身を引き締めて指導に当たりましょう。
よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。