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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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#ファンクショナルローラーピラティス

【予防運動日記】個別学習、個別医療

脳科学者のララ・ボイド氏は脳卒中からの回復のためのリハビリテーションを研究されています。 その中で気づいたのは、脳は行動によって常に変化しているということと、とても個別性があるということ。 だからいい行動をすれば悪い学習になり、いい行動をすればいい学習になるという。 また十ぱ一絡げの学習方法はなく、個別性に重きを置いた教育なり医療が重要だと提言されています。 全くその通りで、〇〇を食べれば健康になるとか、〇〇を練習すれば誰でもできるようになるというものはないのです。 音楽は

【予防運動日記】頭部を優先的に見るべき発達学的、比較解剖学的理由

頭の位置は体の前上に位置するため、頭以下全てに影響を及ぼします。 170cmの棒の先端に5kgのボールが乗っかっているのです。 想像するだけでその影響の大きさは理解できると思います。 しかし、頭の位置はかなりの頻度で傾きます。 原因としては、目の影響、耳の影響、咬合の影響、髪型の影響、寝方、スポーツや楽器への対応など、様々な感覚器の左右差や習慣によって。 頭部には感覚器が集中してありますので、その感覚器の左右差というのはとても大きな影響となります。 よく一般の方でも肩の高

【予防運動日記】予防医学×運動療法×骨格特性

予防運動をわかりやすく伝えるにはなんと言えばいいのかを考えていたのですが、そもそも予防運動は、予防医学×運動療法なので、そのままをまず伝えるのがいいかなと思いました。 予防医学は、病気を予防する医学ですから、発症予防、障害予防です。 そのためには、病気や障害の発生メカニズムがわかっていなければいけません。 最近であれば、ウィルスが感染症の原因として特定されるから、その予防としてワクチンが開発されたわけです。 脳卒中の原因として脂質異常症、高血圧があるということが分かってい

【予防運動日記】何よりも姿勢に意識を向けるべき理由〜アライメントファースト〜

姿勢が一番理由その1 ヒトという動物の特徴は直立二足歩行をするという点です。 この特徴には姿勢としての「直立」とロコモーションとしての「歩行」という機能が含まれています。 この二つの関係は、姿勢が機能の条件であり、機能は姿勢(条件)に依存します。 円背の老人の姿勢を見て、スタスタ歩くことを想像するのは難しいですね。 逆に姿勢のいい青年を見れば、颯爽と歩く姿が想像できます。 つまり、姿勢が兎にも角にも第一に大切ということです。 姿勢は歩きだけでなく、走る、跳ねるなどの他の

【日記】ヨガもピラティスも色々な派閥があるという事実を知っておいた方がいい

どの業界にも派閥はつきものです。 コンセプトが違う。 どこに重きを置くかが違う。 人に多様性があるように、ある程度集まれば派閥になります。 政治も競技団体も、武道も宗教も、料理だって医療だって派閥、流派があります。 一つしか答えがないというのも逆に言えば変なものです。 しかし、多くの方は「ヨガしてるんだ。」とか「最近ピラティス始めてさ。」と流派ではなく、総体としての名称であるヨガ、ピラティスを使っています。 でも本当はそれヨガという名前のヨガじゃないかものかもしれません。

【予防運動日記】なぜ今「予防運動ジム」が必要なのか?

先日、PRtimesで予防運動ジム「UPRIGHT」のプレスリリースを行いました。 八王子本店としてはこの7月にリニューアルをして、今年中に後2店舗準備をしています。 来年にも研修を行い、全国に店舗をパートナーシップを結んだ方々と出していく予定です。 ではなぜ、今予防運動ジムを作る必要があるのか、そこについて解説すると主に、セラピストの皆さんには、この経緯を参考にしてもらって、皆さんのしたい事に人生を賭けて挑戦してほしいなと思います。 予防運動が必要な理由その1僕は12

【臨床日記】レントゲンでもMRIでもなんともないのに痛くて半年間も動けなかった、、、

総合病院から、原因不明ということでたらい回しにされた方。 坐骨神経痛か、仙腸関節痛か、、、。 でも異常が何も見つからない。 痛み止めでひたすら耐えて半年かかってやっと動けるように。 今でも原因不明、、、。 でも長く座ってると痛くなる。 ピラティスなどをすると左右差がとても気になると。 こういう方に会うともっと早く僕に出会っていればと。 というか、もっと普通の理学的評価ができる臨床家を増やさないと行けないなと使命感に駆られます。 何のことはない原因は脚長差でした。 そう、

【臨床日記】エクササイズを指導してるセラピストに聞きたい、あなたは毎日そのエクササイズをしているのですか?

クリニックで運動、エクササイズを指導されたと言って来店される方は多いです。 僕ももちろん、指導することもあります。 でもですね、対症療法としてのエクササイズは基本指導しません。 偏りの補正だとか、コンディショニングが必要という場合に限ります。 対症療法ではないということは、原因療法的には、原因が明確でその改善が必要であって、そのためにエクササイズが必要なら行います。 何を言っているかというと、どこかの筋肉が弱いから鍛えましょうという短絡的なエクササイズの指導はしないという

【臨床日記】変形性股関節症のアプローチにピラティスは意味があるのか?

先日いらした方はクリニックで変形性股関節症にとピラティスを指導された方でした。 デッドバクスやサイドライイングなどですね。 僕の見立てでの一番の問題はsway backでした。 兎にも角にも凄い不良姿勢でした。 歩行もまともに歩けていませんでした。 そこについて、そのクリニックのPTさんは何か言わなかったのかと聞いても、特にと、、、。 「姿勢が問題なんて!」と驚かれていました。 歩きも修正すると、「こうやって歩くんですか!」とこれまた驚かれ、、、。 こっちの方が驚く不良姿

【予防運動】臼蓋形成不全に気づいたら注意すべきこと

先日のパーソナルレッスンに臼蓋形成不全から変形性股関節症に進行された方がいらっしゃいました。 臼蓋形成不全とは、股関節の構造が一般の方に比べて浅い状態のことを言います。 変形性股関節症は、関節の変性疾患で概ね中年になってから軟骨の消失、骨の変形などが起こります。 変形性関節症の原因の8割が臼蓋形成不全です。 しかし、痛みが出るまで多くの方は自分では気づきません。 痛みが出た段階ではもう変形性関節症の初期になっています。 進行は早い人では1〜2年です。 痛みの他に可動域制

【ピラティス日記】なぜアセスメントが大切なのか〜お客様の声から〜

ピラティスやヨガを実践されていて、これから指導者としての道に進もうとされているクライアントさんから先日セッション中にコメントをもらいました。 その通りです。 この方の場合、脚長差がありましたので、補正をした状態でエクササイズをしないと代償動作が出てしまい、的確な体の使い方を習得することは難しいです。 でも、FRP(ファンクショナルローラーピラティス)のミドルインストラクター以外のピラティス指導にアセスメントはありません。 アセスメントとは、脚長差や骨格の特性、姿勢の歪みな

【啓蒙】姿勢セルフチェック;身体の歪みチェックをしてみましょう〜いつまでも若々しくいるために〜

中々普段の生活で気づかないのが自分の姿勢。 気づかないうちに姿勢の崩れは固定化されて、変形性関節症や円背など高齢者の典型的な姿勢に、、、。 自分はそうならないと皆が思っていますが、身近な円背の高齢者の方も同じくそう思っていた方々です。 いつまでも若々しい姿勢でいられるためにまずは自分を知ることです。 姿勢の歪みチェックをしてみましょう! まずは下のチェック項目に該当するものはありますか? チェックが多くつくほど身体の歪みや骨格に個性がありそうですね。 壁を使ってチェッ

ファンクショナルローラーピラティスの勧め〜その5「アセスメント」〜

ピラティスのエクササイズ指導の前にやるべきことがあります。医療で治療の前にやるべきことと同じです。アセスメントなくしてアプローチはありえません。 【何のためのエクササイズか?】エクササイズや運動を指導する方々は、その方法やポイント、効かせ方などについては知識もあり、指導時にもその情報をいかに的確に分かりやすく伝えるかということが大切になっていると思います。 もちろんそこは大切です。 でも、、、初めて来たクライアントさんに、いきなりエクササイズ指導をしますか?または、自分

ファンクショナルローラーピラティスの勧め〜その3「マスター」〜

仲間がいるからガンバれることってありますよね。自分一人ではくじけそうになることでも、、、。 【マスタートレーナー】ファンクショナルローラーピラティスではマスタートレーナーという方々が、最上級資格として存在し、各種養成コースでの指導にあたっていただいています。 マスタートレーナーはピラティスのコンセプトからファンクショナルローラーピラティス(FRP)の独自の考え方、アセスメント(評価)方法、症状別の指導法含めて全ての内容をマスターしている方々です。 僕にとっては分身であり