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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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#姿勢

【予防運動日記】宮本武蔵の五輪書におけるいい姿勢とは

五輪書は武道を齧ったことのある方なら必ず知っている宮本武蔵による二天一流の兵法が書かれた奥義書です。 宮本武蔵は巌流島での佐々木小次郎との一戦があまりにも有名ですから、五輪書を知らない人でも剣豪の名前は知っていますよね。 彼の書いた水墨画「枯木鳴鵙図」も有名ですから見たことのある人も多いで多いと思います。 この五輪書の中で、先頭態勢、つまりは戦いのための姿勢について記されている部分があります。 そこから、彼がどんな姿勢を良しとしていたかが分かるので見てみたいと思います。

【予防運動日記】何よりも姿勢に意識を向けるべき理由〜アライメントファースト〜

姿勢が一番理由その1 ヒトという動物の特徴は直立二足歩行をするという点です。 この特徴には姿勢としての「直立」とロコモーションとしての「歩行」という機能が含まれています。 この二つの関係は、姿勢が機能の条件であり、機能は姿勢(条件)に依存します。 円背の老人の姿勢を見て、スタスタ歩くことを想像するのは難しいですね。 逆に姿勢のいい青年を見れば、颯爽と歩く姿が想像できます。 つまり、姿勢が兎にも角にも第一に大切ということです。 姿勢は歩きだけでなく、走る、跳ねるなどの他の

【予防運動日記】生活習慣の改善に姿勢改善を!筋骨格系の傷病も生活習慣病です

全国健康保険協会のサイトには生活習慣の改善10ヶ条が掲載されています。 どれも素晴らしい内容ですね。 ですが、ひとつ足りない! 運動の前に姿勢です。 姿勢は動きの「構え」ですから、構えが崩れていれば当然運動も崩れます。 運動してるから問題ないのではなく、運動による障害も多々あります。 誤った動かし方は体を痛めます。 上記の10ヶ条は生活習慣の見直しをうたっています。 しかし、その中に姿勢がないということは、姿勢からくる筋骨格系の傷病は生活習慣だと認知していないということ

【変えたい常識シリーズ】「頑張って立つ」それ必要?

姿勢について語る方は多いです。 僕のような理学療法士や医師もそうですが、〇〇インストラクターという方や、整体師などの民間の健康に関するアドバイザー、武術系の方から学校の先生まで、色々な方がそれぞれの視点で姿勢について語られます。 そんな中で、以下のようなことを聞くことがあります。 胸を張るために肩を後ろに引いて立ちましょう。 お尻も内股もギュッと締めて立ちましょう。 体重は前にかけてふくらはぎを使って立ちましょう。 顎は引いて首の後ろを伸ばして。 これら全て頑張っ

【臨床日記】変形性股関節症のアプローチにピラティスは意味があるのか?

先日いらした方はクリニックで変形性股関節症にとピラティスを指導された方でした。 デッドバクスやサイドライイングなどですね。 僕の見立てでの一番の問題はsway backでした。 兎にも角にも凄い不良姿勢でした。 歩行もまともに歩けていませんでした。 そこについて、そのクリニックのPTさんは何か言わなかったのかと聞いても、特にと、、、。 「姿勢が問題なんて!」と驚かれていました。 歩きも修正すると、「こうやって歩くんですか!」とこれまた驚かれ、、、。 こっちの方が驚く不良姿

【日記】スポーツの正しいは日常の正しいではない

先日、太極拳をされている方がパーソナルレッスンにいらっしゃいました。 太極拳では骨盤を後傾した姿勢が多かったので、それがいい姿勢だと思ってずっとその姿勢を意識していたら腰椎椎間板ヘルニアになったという方でした。 これヨガにもピラティスにも多いです。 「反り腰」だと言われた。 「立っている時には太もも引き上げて立つように」と言われた。 「お腹は常に閉めておくのがいいこと」と教わった。 本当に多種多様なことを皆さん運動指導者から言われています。 大切なことなので強調しておき

【予防運動】外界への意識を内に向けると身体のニュートラルが分かる

姿勢が悪い人っていますよね。 正しい姿勢は関節のニュートラルが基本になりますが、この関節の感覚というのは深部感覚の一つである位置覚によって成り立ちます。 しかしこの感覚は、いわゆる五感などの外部感覚に比べてとても声が小さい繊細な感覚です。 ですから、集中して耳を傾けないと聞けません。 この繊細なものに気付ける能力こそが感受性であり、自分の状態を客観的に把握するために必要な条件です。 よく運動指導をしていると、ここが正しい姿勢ですよと修正すと「よく分かりません」という方が

【日記】インド人の足はとってもいい足

ここ3年間行けていませんが、インドに行った時にふとインド人の方の足を見るととってもいい足してるんです。 日本人の場合、外反母趾や扁平足などの足の変形は多いですよね。 よくそれらの変形について質問も受けます。 僕の印象としては、先ずは靴が悪い。 そもそも人の足は、足そのもので十分機能を持っているので、靴や靴下なんかで締め付けることそのものが異常。 西洋は靴の文化なので、何となく靴はいい物だみたいない雰囲気がありますが、インドを含めてアジアやアフリカなどでは裸足やサンダルが当た

【臨床日記】身体感覚が崩れている人になぜその身体感覚を正さずに他動的なアプローチをするのか?

膝が痛いという人がいるとします。 その人の姿勢が崩れていて、例えば重心が凄い後方だったと。 後方に重心があると膝にストレスがかかりますよと伝えます。 でも、本人は私はそんな後方重心なんかじゃありませんと答えます。 修正されると違和感がありますと。 どうしますか? 原因は姿勢です。 でも本人は自分の姿勢は悪くない、正しいと修正されるのが違和感がある、、、。 膝の痛みに対して、電気で温めるとか、揉んで緩めるとかそういうのは根本的な原因の排除にはなりません。 でも、本人の自覚や

【臨床日記】幼児期の姿勢をあなどってはいけない

「子どもの姿勢が気になって、、、。」という親御さんの意見をよく聞きます。 歩き方も気になるという方多いですね。 基本は発達の中で調整されていくものなので気にしなくていいということがほとんどですが、中にはそれはまずい!ということもあります。 例えば、寝方が常に同じとか。 今までのケースですと、ずっと右下にしか寝なかったので、骨盤が右のみ潰れるような形(インフレア)になった人。 やはり右に傾くことで骨盤の形状が左右非対称となり骨盤が原因の側弯症に移行したであろうケース。 割座

【変えたい常識シリーズ】正しい姿勢で顎を引いてはいけない4つの理由

正しい姿勢を語るときに、よく専門家の方が言われるのが「顎を引く」ということです。 先日、ある講座で、僕が「顎は引かずに遠くを見るようにしましょう」とお伝えしたところ、参加者の方から「姿勢の講座にいくつか出てますが、どの方も顎を引けと言われるんです。先生は真逆ですね。」と質問されました。 そこでお答えした内容ですが、あまりにも常識が間違っているので、その理由をできるだけ多くの方に知って欲しいので、ここで解説します。 顎を引くことの弊害1)顎関節の視点 顎関節からすると、顎

下を向かなきゃ健康になれる!下向き過ぎ現代人への問題提起

怪しい健康本のタイトル見たいでしょ(^^) でも本当に下を向いていることは体を壊すんです、、、。 【顎関節症】顎関節症は1989年の厚生省健康政策局歯科衛生課の報告と、2006年の厚生労働省医政局歯科保健課の報告を比較すると、15-34歳における関節雑音(口の開閉時に音がする)の発生率は約5%から約30%に増えています。 生活の変化が大きく影響を及ぼしているでしょう。 僕は特に下を向くことが危険だと思っています。こちらの記事も参考になりますので読んでみてください。こち

ストレートネックという言葉に惑わされてはいけない。原因は頸椎ではなく不良姿勢!

最近やたら「ストレートネック」という言葉を聞きますね。 「私ストレートネックと言われたんですが、ヨガしても大丈夫でしょうか?」よく聞かれます。 えぇっとですね、、、まずストレートネックという病名はありません。レントゲンで認められる形状、つまりは現象です。 手を握ってレントゲンを撮ったら指の骨は曲げっていますよね。パーで撮れば伸びています。自然な脱力だと少し曲がっている状態です。 つまりは、どの状態で撮っているかによって映り方は変わるのです。 最近は多くの方がスマホや

クイズ!答えて学ぶ姿勢クイズ4問

    ※ 2019年の健康フェスタ(八王子市)での講座内容に加筆しシェアします。 正しい立位姿勢に関係するクイズに答えながら、姿勢について学んでみましょう。 スクロールすると直ぐに答えが出てきてしまうので、問題のところで止めて、ゆっくりとスクロールして下さいね。 【問題1】  答えは、、、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「 × 」 顎を引くと「TCH:Tooth Contacting Habit(歯列接触癖)」にな