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失われた30年②

「失われた30年」とは一体何を意味しているのでしょうか?おおげさに言うならば、明治期以来続いてきたこの国の発展が曲がり角に差し掛かり、「衰退」に転じて迷走している時代。そして、過去の成功体験に囚われて、「新しい未来」を思い描くことができずに過ぎてしまった時代のことではないでしょうか?
日本のバブル景気は1989年で終焉を迎えたと言われています。今から35年前の1989年は劇的な1年でした。この年の1月7日に昭和天皇が崩御され、長く続いた昭和が終わり「平成」という時代が始まりました。6月4日には中国の北京市で民主化を求めるデモ隊を軍隊が武力で鎮圧するという天安門事件が起こり、11月9日にはベルリンの壁が崩壊、12月3日にはマルタ会談で米ソ首脳により冷戦終結宣言がされました。バブル崩壊前、日経平均株価が最高値をつけたのが1989年12月29日。終値は38,915円87銭でした。

「平成おじさん」と呼ばれた小渕恵三官房長官(当時)

1989年12月29日に最高値を更新した日経平均株価でしたが、年が明けて1990年に変わると坂道を転がり落ちるように下落していきました。
そして、追い討ちをかけるようにバブル崩壊後の経済下で低迷するこの国を更なる悲劇と混乱が襲いました。それは1995年のこと。
1995年1月17日に阪神淡路大震災が起こり、大都市が壊滅的な被害を受け6,434人の死者を出しました。震災で混乱する社会情勢の中、そのおよそ2ヶ月後の3月20日にはオウム真理教信者が無差別殺人を計画した「地下鉄サリン事件」が起こりました。

阪神淡路大震災直後の倒壊したビル

しかし、日本のバブル経済が崩壊し社会が混乱していく最中、世界では次の時代を索引していく企業が新たな開発を行っていました。
1995年11月23日、マイクソフトがWindows95を日本で発売を開始しました。今では誰もが当たり前に使う「パソコン」。パソコンがこの国でメジャーな存在に浮上したのが1995年でした。
1996年12月20日、のちにスマートフォンを発明するスティーブ・ジョブズが業績不振だったApple社に復帰しました。
1998年9月4日、世界的なインターネット関連事業を行うIT企業のGoogleが設立。

ビル・ゲイツ(左)とスティーブ・ジョブズ(右)

バブル経済の崩壊と震災、テロ事件の中で混迷を深めていた日本。しかし、そんな日本を横目に世界は次の時代に向かって大きく動き出していたのです。日本の「衰退」の原点はどこにあったのでしょうか。
自分たちが何を見失ってしまったのかを分からないまま走り続けている内に、世界のスタンダードからずいぶんかけ離れた場所に来てしまったように僕には思えるのです。

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