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未知の業界で仕事をするときの5ステップ

部署異動、キャリアチェンジ、事業開発など、自分がこれまで経験したことのない業種や事業ドメインで短期間に結果を出さなければならないことは、あんがい多くの人にあるんじゃないだろうか。

自分は事業開発コンサルという仕事がら未知の業種業界を攻めることが多い。これまでITに軸足を置きながらゲーム、教育、自動車、不動産などに関わってきた。そして現在は建設業について学んでいる。

職種としては、エンジニア・経営・人事・マーケ・PR・営業などを自分自身で手を動かしたり、マネジメントしてきた。事業責任者という仕事は、専門外の領域を管掌するということだ。ここでも学ぶスキルは重要だ。

そんなわけで、新しい事業ドメインに参画する時にやるお作法的なやつをまとめたので共有したい。

①その業界のケーススタディを2冊読む

いきなり教科書的な本を読んでも肌感覚がないので頭に入らないので、まずは経験談的なものが入りやすい。

その道の有名人、できれば自分の知ってる人や知ってる会社などの、一人称で語られてる本を読む。何をしたかより、どんな目にあってどう感じ、何故そうしたかを理解するのが大事。Amazonで高評価なやつを探す。

同系統のものを2冊ではなく、性質の異なるものを選ぶ。

例えば自分が人事を勉強することになったときは、サイバーエージェント人事責任者の著書GE (ゼネラルエレクトリック) 責任者著書の2冊を選んだ。ドメスティックでカルチャードリブンなCA、システマティックでフレームワークドリブンなGEそれぞれのコンセプトを比較することで違いがよくわかった (何をやっているかではなく、なぜそうしているのかを見る)。

②本を2冊読む (教科書)

次にある程度網羅的、体系的な教科書を探す。

ネットより、中身を見られる書店がいい。Amazonで評価が高くても内容の薄いやつが意外と多い。

知り合いにその道のコンサルとか実務経験者がいたらおすすめを聞いてみるのもいい。特にその分野の研究の歴史をざっと理解しておくとこのあと人と知り合った時に会話を合わせやすい。

これも先程と同様、毛色の違うものを2冊選ぶ。先に紹介した人事のケースでは、「人事の赤本」というベタな人事本と、Google ラズロ・ボックの「Work Rules」を選んだ。

コンサル仕事の時は本だけだと情報が足りないので、シンクタンクなどが出しているレポートを買って読んだり、軽くリサーチを行ったりする。

③セミナーに行く (有償)

ど素人ほど有償のセミナーに行くのが時間の節約になる。

内容はもちろんだが、有償セミナーだと人数も少なく、他の参加者もその道のプロが多いのでネットワーキングの効率もよい。

ネットワーキングは知見・人脈・ポテンシャルのトレーディングだと思う。自分がその分野に関わっている理由、異職種からのキャリアチェンジだから発揮できる価値など話せるようにしておく。

④セミナーに行く (無償)

無料セミナーは参加人数が多く、出会うべき人に出会えるかどうかは運次第なところがある。スポンサーの宣伝でしかない場合もあって、勉強にならないことも少なくない。

それでも無料なのでたくさん参加すると、参加者との会話の中で現場の感覚が掴める。トレンド、業界の課題感や危機感。講師は業界の第一人者である事も多いので、聞きかじった知識の裏取りができる。

⑤アウトプットする

どのフェーズでも必ずアウトプットして聞きかじった知識を人目に晒す。素人なので間違うことも多いが、実務に入ってからは間違えられないのでできるだけたくさん恥をかく。恥をかいたことの方が忘れないし、出力することがご縁につながる。

人に話してもいいし、SNSに発信してもいいし、note に書いてもいい。

だれにも見られなかったとしても、刺されたくない・恥をかきたくない、という緊張感から裏とり (事実確認・出所確認) するクセがつく。

実務に入る

1ヶ月〜2ヶ月くらいで実務に入る準備ができる。基本的に最新の知識がインストールされているので、勉強を怠っているその道の専門家より戦えることも多い。

ただし付け焼き刃に過ぎないので、経験に対する尊敬を忘れるとすぐに足元をすくわれる。特定分野に特化した知識ではなく、複数業種を経験した面積の広さで戦う。

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