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新規事業のネタに困った人が読む記事

お世話になっております。
自称事業開発コンサルの直人です。どうかお仕事ください。

むかし書いたブログをリライトするシリーズ、今回は事業開発に欠かせない「新規事業のネタ探し」についてです。

事業開発を担当するビジネスマンは、まずはじめに「どんな事業を始めるか」を決めるところからはじめることになります。起業家はネタありきで動きますが、会社員が社長から「新規事業やれ」って言われるとネタ出し困りますよね。

上司はノーアイデア・ノープランであるにも関わらず、苦労して考えた企画をことごとくリジェクトしてくる。半年くらいで心が折れる。というのが新米事業開発担当のスタート地点な気がします。

わかりますよその気持ち。

賽の河原にいるような気分になりますよね。

「何をやるか」決める3つのアプローチ

魅力的な参入領域を探すアプローチとはどのようなものでしょうか。また、考慮しなければならないポイントはどこでしょうか。

経験を元に考察してみたいと思います。

アプローチは大きく3パターン考えられます。

①事業のネタに「気づく」 
②事業のネタを「探す」 
③事業のネタを「与えられる」 

1. 事業のネタに「気づく」

事業開発担当者や未来のアントレプレナーが、自身の観察力・洞察力によって潜在的かつ解決可能な課題や顕在化していない価値に気づく。

例えば、マーク・ザッカーバーグがインターネットの時代における人間同士のつながりのあり方にポテンシャルを見出す (Facebook、以下参考書籍)、江崎利一が捨てられる牡蠣の煮汁を見て栄養価の高い菓子製造を思いつく (グリコ)、などの例はここに当たるでしょう。

事業開発に限らず、商品開発やマーケティングに至るまで、担当者の気づきやひらめきによりビジネスが飛躍する、という事例は枚挙にいとまがありません。

「アイデア」の捉え方には諸説あrますが、私は「解決力を持った人間に、潜在的価値・課題を与えるとその抽出方法が発露する」と考えています。

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解決方法まではいかなくても「こうしたら解決できるのでは?」という視点があるかどうか、世の中を常日頃そのような角度から眺めているかが大切です。

フレームワークとして、リーンスタートアップという事業開発手法はこのような気付きから価値仮説の検証といった小規模なテストマーケティングと相性がよいでしょう。気づきは検証されて初めて、ターゲットではない第三者 (投資家やパートナー) に説明できるようになります。

蛇足 : リーンスタートアップの書籍やメソッドは数多くあるが、個人的にはエリック・リースのこの1冊が本質であり、最高の1冊だと思っていやす。

2. 事業のネタを「探す」

ザッカーバーグのような天才であればいざしらず、我々のような企業に所属する普通のビジネスマンは、事業を興そうと思えるほどのひらめきやアイデアは降りてこないですよね。

むしろ、会社の方針や投資家の要請によって「これこれこういう条件で、新しい事業を作りなさい」と言われることの方が多いでしょう。

意外と知られていないかもしれませんが、Amazon創業者のジェフ・ベゾスもボスであるデビッド・ショーの依頼による調査の過程で創業のきっかけを得たと言われています。

私自身も、会社員として事業開発を行う過程では主にこのアプローチで参入する事業ドメインを決めてきました。経験上、おおよそ以下のような流れです。

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事業開発は実装して世に出すまでの道のりも非常に険しく、正しくやったらうまくいくというものでもないのですが、何度も関わっていると見えてくるベストプラクティスみたいな感じですかね。

特にイントレプレナー (社内起業家) としての経験から記載しているが、各プロセスの詳細については別の記事を設けて、別途解説したいと思います。

とにかく投資家や社長など、意思決定者の真意と嗜好性を把握するのが最重要で、そこさえ捉えられればあとは海戦ゲームでなんとかなります (弾を撃って索敵し、ストライクの位置を探る、ってこと) 。

3. 事業のネタを「与えられる」

企業の事業開発現場では、事業のネタを与えられるというケースも少なくないでしょう。

「ビッグデータ使ってなんか考えてくれないか」

「事業部でアプリ作ることになったんだけどアイデアある?」

くらいのふわっとしたものから、より具体的で予算まで決まったものまで粒度は様々だだろうと思います。

実施が決まっているなら「やるだけやる、やれるところまでやる」しかありませんが、もし検討の余地があるのであれば前述のフローに従って勝ち筋があるかどうか調べてみるものよいでしょう。

与えられたネタで事業開発するのは楽ですが、問題になるのは「上司の考えた必勝ネタ」の筋が明らかに悪い場合です。

この場合はぬるぬるっとしたネゴシエーションで軌道修正することになるのですが、私の場合はネガティブな調査結果やレポートを出して原案をいなしつつ、調査の過程で見つかる (見つける!) 副案を通すのをよくやりました。

こういうこと書いちゃうともうできなくなるんですけど。。。まあ、だれも読んでないからいいか。

終わりに

今回は、私の経験に基づいて事業開発における参入領域の決定方法について概要を記載しました。身も蓋もなくまとめるとこんな感じになるんでしょう。

①事業のネタに「気づく」 → 才能と習慣の賜物
②事業のネタを「探す」 → 普通の人間ができるベスト
③事業のネタを「与えられる」 → いちばん楽

新規事業のネタというと、「ひらめくもの・降ってくるもの」というイメージがあるかと思います。ただ、ビジネスマンには再現性が求められるので、ひらめきならひらめきの、降臨するのであればその再現性を高める思考法が求められます。

逆にいうと、その思考法が身につくと、どんなジャンルでもアイデアがひらめきやすくなる (記憶という土壌の豊かさに応じて) のでけっこうなポータブルスキルなんじゃないかな、と思ってます。

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それでは、よろしくお願いいたします。

photo by Heiner Engbrocks

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