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美しき獣と語らう。

楽しみにしていた友人とのデート。
駅の改札に、美しい獣は佇んでいた。
少し青白い顔で。
高いヒール、エレガントなドレス。
彼女には夜と黒がよく似合う。
しなやかでほっそりとした身体に長い髪。
私が持ちたくて持てなかったアンニュイな美しさを彼女は全て持っている。

獣は優しいけど、野性が残っているから、弱っているとすぐ解る。
ほんとうは、自分のテリトリーで傷を癒やさないといけない時期だけど、優しいから会いに来てくれた。

彼女とカフェを2軒はしごして、色んなことを話した。
バタイユ、村上龍、ブスケ、ヴェイユ、時事問題や音楽。十二国記。丹生谷貴志、ラカン、ドゥルーズ、レヴィナス、フーコー…。フランスのパンの美味しさについて。
話すことは幾らでもある。
きっと、あとお互い10歳若ければ一晩中話しているのかもしれないと思った。

彼女と話していると、本は自由に読んでいいし、また読まなくてもいいんだと思わせてもらえる。
ありがたい、かけがえのない存在だ。

無理に引っ張り出してごめんね。
いつも甘えてごめんね。  

とてもとても愛しています。

また、本のことじゃなくても色んな話がしたい。

話がしたいと思わせてくれる人なんて、この世に一体何人いるというのだろう?

語らえる、というのは、ほんとうに素晴らしいものだ。
それが、私にとっての「聖なるもの」のひとつであることは間違いがないように思う。
同じ時代、同じ場所で語らうという奇跡。

•ө•)♡ありがとうございます٩(♡ε♡ )۶