見出し画像

ノルウェーのイースターと推理小説

ノルウェーで過ごす初のイースター(復活祭)でした。
イエス・キリスト復活のお祝いなので、キリスト教が主流の国々では重要なイベント。ここノルウェーでもイースターは5日間の連休です。

春の訪れとイースター

2月末ごろからお店に黄色の花が並び、ウサギや卵の雑貨が増え始めたことで、イースターが近づいてきたことがわかりました。

お花屋の店先

以前住んでいたシンガポールでもイースターに関連する祝日、Good Friday があったので、すぐにイースターを連想できたのです。
(シンガポールで祝日なのは、イギリスの植民地の影響と、多宗教の中でもキリスト教が二番目に大きいから)

卵は生命誕生の象徴で、ウサギは多産を意味し、そして黄色は太陽、生命の色。

ずっとグレーのどんより冬景色だったので、お店に黄色の水仙がずらりと並ぶようになった時は、春が来た!と心が弾みました。
お花だけでなく、かわいい黄色の雑貨が店頭に並ぶと気分が上がります。
イースターと春のお祝い気分がシンクロしているヨーロッパ。

ビビッドな黄色雑貨が並びます
ニワトリも並びます

イースターといえば、エッグハンティング。お菓子の卵を隠して、みんなで見つけて楽しむゲーム。

夫の会社でもやったようで、大の大人がオフィスで必死に卵を探して盛り上がったとか。無邪気です。
子供たちも卵狩りの収穫物を持って学校から帰ってきました。

家でもやりたい!というので、衝動買いしていたイースターチョコレートをお家のあちこちに隠して母もようやく参戦。イースターのお宝探しは思ったよりもずいぶん楽しい。

あちこちに隠れたチョコウサギ

イースターには推理小説を

さて、ノルウェーのイースターはとてもユニークな一面があるようです。

この国ではイースターをどのように過ごすんだろう、と思って見つけたのが駐日ノルウェー大使館のこちらのサイト

ノルウェー人にとって「イースター」と「推理小説」は切っても切れない関係です。何しろpåskekrim(ポースケクリム)という言葉があるほどです(påskeはイースター、krimは推理小説の意)。

イースター休暇中海外旅行をする人も、山小屋(ヒッタ)でゆっくり過ごす人も、皆推理小説の本を持っていきます。大手出版社はイースターが近づくと、推理小説の推薦本リストを発表します。またこの時期には、テレビでもミステリーの映画やドラマを多く上映しますし、ラジオドラマもミステリー仕立てのものが人気です。

駐日ノルウェー大使館:https://www.norway.no/ja/japan/norway-japan/news-events/news/2/

山小屋で推理小説!良い!
一種の商業戦略だとしても、ぜひ乗っかりたい。

ホリデー中、残念ながら山小屋にも海外旅行にも行きませんでしたが、手元には読みかけの推理小説がありました。
就寝前や風邪でダウンした日は、ゆっくり寝っ転がって推理小説を読み耽りましたよ。イースターですしね。

Kindleで読み進めていた小説は、まさに北欧作家のものでした。
スェーデンの作家、スティーグ・ラーソンの大人気ベストセラー三部作『ミレニアム』です。

ミステリ小説 ミレニアム

note でフォローさせて頂いている Ryéさんから、北欧ミステリーなるジャンルがあることを教えてもらい、おすすめされたうちの一つを読んでみたら、もうそれは面白く、すっかりはまったのです。

北欧ミステリーって?

北欧ミステリーとは何ぞや、と思った方に。
こんな特徴が挙げられるようです。

ChatGPTの回答より

まだ1人の作家の作品しか読んでいないので合っているか定かでないのですが、スティーグ・ラーソンの本を読んだ限りでは十分頷けます。

主人公が個性的で魅力的。そしてスェーデンの社会問題がたっぷり織り込まれているのが何とも興味深かったです。「幸せの国、北欧」といったイメージを持っているのならなおさら、その影の部分というか、人種や性差別、社会問題などが浮き彫りになります。

20年近く前の作品ですが、今読んでも新鮮さは失われていません。刺激的で残虐な事件が多いのですが、登場人物のユニークな個性とハラハラする展開はエンタメ性も強く、スェーデンでもハリウッドでも映画化されたことに納得。

ミステリーの展開を楽しむと同時に、異国の街の様子や人々、文化や社会を感じることができるのも大きな魅力です。

次はノルウェー作家に手を伸ばしてみようと、ポチっ。
イースターを過ぎても推理小説を。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?