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グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その11):交響曲10番(未完成、デリック・クック補筆完成版)
やってまいりました本企画のとりあえずの終わり。「とりあえず」と書くのは先々また何か書くこともあるかもしれないな、と思うからです。
マーラーには交響曲以外にも学生時代のカンタータ「嘆きの歌」そして数々の歌曲がありますがここでは「交響曲」に限っていたのでそれらは取り上げる予定ありません。そもそも交響曲ほど聴き込んでいないのです。
マーラー自身にとって「作曲」と「指揮」はどちらかが「仕事」でもう片方
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その10):交響曲9番
これまでの9回、思い出とも楽曲紹介・分析ともいえない文章を散々書いてから最後に音楽そのものの紹介をしてきましたが、今回は語るよりまず聴いていただきます。特に場面指定はしませんので、全曲お聴き下さい。
今回の動画は作曲者に因んで名付けられたグスタフ・マーラー・ユーゲントオーケストラの演奏です。現代最高のマエストロであった故クラウディオ・アッバードが立ち上げ、ヨーロッパ各地から選りすぐりの若手(26
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その9):「大地の歌」
この企画書いてる最中、ドイツで書かれたマーラーの新たな伝記を見つけて買ってしまいました。時節柄Kindleです。
アンリ=ルイ・ド・ラ=グランジュの4巻本は電子書籍化されていないのと、中古でも一巻数百ドル、また3,600ページもある伝記というより「資料集」のような本らしいのでこの先読む機会あるかどうか。今回買った本、これも800ページ近くありますがかなりなディテールが記されているものの割とサクサ
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その8):交響曲8番
本企画もいよいよ終盤です。そして作曲者の生涯も終盤に入ります。
51歳の誕生日を目の前に「早死に」したマーラーの生涯最後の5年ほどの間は激動の時期、ストレスが高まる出来事の連続でした。ヴィーン宮廷歌劇場との対立と辞任し、ニューヨークメトロポリタン歌劇場監督に就任するもトスカニーニとのポジション争いの挙句辞任、病気によるキャリアの終わりをニューヨークフィルの指揮者として迎えるのと並行して、長女は亡
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その7):交響曲7番
交響曲7番はマーラーをそれなりに聞いてきた方でも「ようわからん」と言う人が多いと思います。
私自身は9番から聞き始め、一旦1番に戻ってそこから各交響曲をほぼ順番通りに聴いて行き、指揮者やオーケストラを変えて2巡3巡…と聴き返しているのですが、7番だけは最初に買ったハイティンク+コンセルトヘボウを「流し聴き」して以来ずっとご無沙汰していました。駄演・駄盤と言うわけでもなく「これバラバラの楽曲をつな
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その6):交響曲6番
この企画、基本的には自分のためにやっております。是私を知る方、そしてこれから出会う方にとってメリットがあるとすればこれで言いたいことをかなり吐き出しているのでお会いした際に「マーラー話を聞かされずに済む」ことでしょうか。
今回は交響曲6番。ものの本には「悲劇的」という副題付きで紹介されることの多いこの曲です。
この副題、プロモーターが勝手につけたものにマーラーが(なぜか)文句つけなかったのを皮
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その5):交響曲5番
グスタフ・マーラーの各交響曲について「好きな箇所」となぜそれが好きかについて語るこの企画、早くも5回目です。
ここまでお読みいただいて「なぜこんな話を書き始めたのか?」と思われる方もおられると思います。Facebook掲載中にも数名の方から訊かれました。
そんなに深い考えがあって書き始めたつもりはありませんが「虎は死して皮を残す」なら私に何かあったとしても残せるのはネットのあちこちに書き散らし
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その4):交響曲4番
小人閑居として不善を為す、という言葉がありますがマーラーのマニアックなファンはこういう行動に走ります(笑)。
さて今回は4番交響曲。曲調も穏やかで聴き易く、演奏時間も1時間以内なので「取っつきやすさ」では一番です。
ただし、この♪シャンシャンシャンシャン…♪と鈴の音で始まる「可愛らしい」曲から入ると他のより「マーラーらしい」人間の煩悩懊悩、崇高と卑俗、自然への畏敬が詰まった、巨大で混沌、天国と
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その3):交響曲3番
マニアック(=暇)企画「マーラー交響曲の好きな箇所」第3弾。
この交響曲3番、ギネスブックでも演奏会にかかるものとしては「最長の交響曲」と記載されたこともある長い曲です。全曲演奏には1時間30分、長い場合は1時間45分ぐらいかかり、また30分以上ある第一楽章の「音の山脈」が大きい障壁となるのでそんなに頻繁には聴いていません。ライブでも未聴です。録音媒体で聴いていて第一楽章は乗り越えられても第二〜
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その2):交響曲2番
【Facebookへのオリジナル投稿】マニアック企画「マーラー交響曲の好きな箇所」第2弾は交響曲2番最終楽章、ソプラノとメゾソプラノの"O glaube"(信じよ)の独唱から静かなパッセージを経て最後の合唱そして津波のようなラストに向かうところ。
ベタベタで申し訳ありません。通ぶって第一楽章の第二主題、とか言おうと思ったりもしましたが、この曲の恥も臆面もなく感動を誘う性格に敬意を評しここ。
こ
グスタフ・マーラーの交響曲〜私論と好きな箇所(その1):はじめに+交響曲1番
はじめに
このシリーズは私の他の記事とは全く毛色の違う「趣味」の話です。2020年4月終盤から5月頭にかけ、外出を控える中ふと思い立ってFacebookに書き連ねた一連の記事をほぼそのまま転載しています。
タイトル通りマーラーの各交響曲について私がどう考えるか、そして各曲で自分の好きな「箇所」をYouTubeにある演奏動画を使い紹介しつつ、自分のマーラーとの出会い、観賞歴、紹介した演奏の背景など