ブラームスの第2ピアノ協奏曲を聴く - ブレンデルとハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏

ブラームスの第2ピアノ協奏曲を聴く。
ブレンデルとハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管による演奏。

ブレンデルのピアノは、非常に細かいところまで意識して弾いている。
バランスに配慮して、他のピアニストが弾き流すところも、きっちりていねいに演奏している。

終楽章で快速になるが、それまではゆっくりめのテンポでじっくり聴かせる。
知的でかつ、ロマンティックでもある。
技術と音楽性の絶妙のバランス。

オケも、実にすばらしいバランスで聴かせる。
楽器の絡み合い、ソロパートの歌…
コンセルトヘボウは、本当に上手い。
一体感がある。スタンドプレーがない。
仄暗い、でも渋い輝きとか色っぽさもある。

ハイティンクの、息の長い歌わせ方もよい。

ブラームスの生まれ故郷のハンブルクとか、長く暮らしたウィーンみたいな北の街で、イタリアの陽光を憧れを持って想う、みたいな演奏。

イタリアの明るい空の下には、実際にはいない。
あくまでも北国で、それに恋い焦がれている。
演奏によっては、"イタリアまで実際に行って楽しんでいる"感じのもあるが、この演奏はちがう。

暗い空の下で陽光を想う、というのがブラームス的だと思う。
芸術は爆発だ、という価値観と一線を画した名演。

楽曲と演奏の方向性が、うまくマッチしているディスクだった。

PHILIPSの録音もいい。
もうこの会社も買われてなくなってしまった、なんて話も聞いたが残念なことだ。

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