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カフェと私の関係性

カフェで働き始めて1年と8ヶ月になりました。


大学時代、アルバイトをするならカフェはないだろうな。つまらなそうだから。と選択肢にも入っていなかったことを思い出すと、カフェで働いていることがとても不思議。


同じような日々でも、自分の心もちと、その時に来てくれるお客さんによって毎日違う気持ちにさせてもらえるので、案外カフェの仕事は面白いなと思います。


お客さんとは深く話せるわけではないけれど、小さな会話やお客さんの様子からいろんな物語が見えてきたりします。(勝手に想像しているとも言えますが)


今日はカフェと私の関係性について綴りたくなりました。
ここにつらつらと書くのはどうかなと思いつつ、ここが素直に私の考えや想像したことを書き留めておく場所になってきています。


春といえば、卒業。
私の働くカフェでも、大学の卒業と同時にカフェでのアルバイトを卒業する子がいます。そして、社会人のスタッフの中にも卒業を決めた子がいます。
卒業はめでたく、嬉しいものでありつつ、やはり少し寂しさを感じたりします。

就職のため卒業することになった大学生スタッフは、私の3つ下。
喜怒哀楽がはっきりしていて、まっすぐで素直。彼女のまっすぐさを羨ましいと思ったことが何度あったかな。そんな少女のようなまっすぐさを持ちつつも、とても現実的で計画的。地に足がつきづらい私にとって、何だかお姉さん的な存在でもあった彼女。

ふわふわ浮いていってしまいそうになった時、あとは、物件探しや、美容について気になることがあった時、かな。恋愛相談もか(笑)。
私の頭の中に彼女が顔を出すのだろうなと思います。


もう1人は、カフェで一番の古参スタッフ。
卒業が決まっただけで、実際に卒業するのは6月以降。彼は同い年であり、一番カフェで顔を合わせる機会も多い。イベントや出店でカフェの業務が忙しい時も、”思い出にするぞ〜”と一緒にいろんな時期を過ごしたことを思うと感慨深い。まだ実感は湧いていないな。でも、お互いの人生のこともたくさん話した時間があったので、彼の卒業をとても応援したい。



”また来るね””また会おうね”という気持ちは、私にも、相手にも、本心としてありながらも、同じ時間を過ごすことのできる環境が用意されていることはやはりとても大きい。約束しなくても会える、会って言葉を交わせる、一緒に何かに向かって取り組めるというのはとても贅沢なものだなと改めて感じています。


そう思うと、会う約束をして一緒に誰かと時間を過ごすということは、とても能動的で、特別なことなんだな、とも思ったりしました。


そんなふたりの卒業について思う中で、私自身のカフェでの働き方も改めて考えようと思いました。カフェとのお別れを選んだふたり、私はどんなふうにカフェと関わっていきたいのだろうか。今の距離感で良いのだろうか。そんなことをごちゃごちゃと考え始めています。(今、ここにつらつらと書きながら頭を整理させてもらっています)


まず、私とカフェについて、振り返ってみようと思います。

カフェと私はというと、冒頭に書いてあるように出会って1年8ヶ月。出会いは、友人の紹介。2年前、岡山での仕事を辞めて関東に戻った私には次の仕事が決まっておらず、そんな私に、「〇〇(私)に合いそうだよ!」と友人が紹介してくれました。

そして、その友人にカフェのマネージャーに繋いでもらい、面談。しかし、当時は人手が足りていたようで話が流れ、2ヶ月ほど音沙汰はなし。

他の働き先を探そうとし始めた矢先に、
「7月以降に働く人を増やそうという方向になったのだけど、まだ興味あるかな?」とマネージャーからの連絡が来て、、、
「もちろんです!興味あります」と返答して、一昨年の7月から他の仕事をしながら、カフェにアルバイトスタッフとして関わりはじめました。


飲食の仕事が久しぶりで、一つひとつが新鮮で楽しい時期
それぞれのスタッフとの関わりが楽しくなっていった時期
業務に慣れたことで、新しい取り組みに挑戦したくなった時期
カフェの業務と個人の仕事の締め切りに追われて余裕がなく一杯一杯だった時期 
友人や家族を巻き込んで間借りのイベントを企画した時期
イベント企画と運営に息切れしてしまった時期
常連さんが増えて、お店の接客がより楽しく感じられるようになった時期
お店の出店続きで、文化祭のように、深夜まで働いた時期


店としても私としても色んな時期があったな。
週1で働いていた時や週3以上働いていた時、1ヶ月お休みをもらい、地方で仕事をしていた時、色んな距離感で関わっていました。


正社員として入っていないことで、お店といろんな距離感で関わらせてもらった1年8ヶ月でした。いろんな時期と距離感を経て、少しずつできることが増え、知っている常連さんが増え、想像できる範囲が増え、愛着が増えていったなと感じます。


育まれてきた愛着を確かに感じられていると同時に、今の状態のまま良い距離感をとっている限り、私は止まってしまうな、という感覚がむくむくと顔を出していて、、、。
“カフェは私にとってこれをしたい場所です”と関わり方(関係性)を定めていないが故に、私はカフェとの関係性を曖昧にしつづけてきたのかもなぁと思ったりします。

この前他のスタッフとはなしていて気づいたことは、私がある環境を離れる時には共通点があること。
大学を辞めたときも、移住した岩手を出る時も、岡山の職場を離れた時も、そのコミュニティや会社の文化や価値観に魅力や愛着を感じる自分と、染まっていくことに怖さを感じる自分が葛藤していました。そして、最後にはその場を離れる選択をして、新しい場所で新しい関係性を築いてきた。価値観に染まるのが怖い自分がいるみたいです。

新しい価値観や文化を知るたびに、本当にこの世界は色んな見方があるんだなと面白さを感じたし、人に対しても自分に対しても固定概念が昔に比べてなくなりました。だから、これまでの選択を後悔している自分はいません。


自分の価値観が分からないからこそ、いろんな人や場所に出会って、体験や感覚と共に、自分の価値観を探す旅が私には必要だったのだなと思います。


深く入り込むのではなく、良い距離感を持ちながら、同時に複数の環境を行き来しながら、気づきを得て今の自分を作ってきた。
そしてだからこそ、この頃の私はというと、心地よい距離感の中での価値観探しの旅は終わりに近づいているのだろうな。と


より、面白く楽しく、私にできることを増やしていくためには、今までの旅で見つけた自分を使いながら、環境や関係性にもう少し踏み込んでいく旅に出発する時期が必要で。



どんな旅にしたいのかは、なんとなく定まってきている気もしますが、もう少し整理しながら言葉にしていきたいなと思います。


会社員、フリーランス、アルバイトの掛け持ち、副業
仕事との距離感も、それぞれにそれぞれの力が発揮される距離感があって。とはいえ、結局体験して見ないと、自分にどんな距離感が合っているかもわからなくて。だから、怖がらず、わからないなりに体験していきたい。
周りの人は、どんな距離感や関係性を体験している最中にいるのだろうか。

スタッフの卒業を機に、そんなことをもごもごと考えています。



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