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聞かせて
あなたの声で
胸がやぶけそうになるくらい
震わせてほしいの
陳腐な言葉でもいい
たった五文字でかまわないから

あなたの指先に灯る
小さなあかりをたよりに
恋をしてきたの
吐息で消えてしまわないように
大切に守ってきた
流行りの歌をくちずさむ
調子はずれのくちびる
いとおしすぎて
永遠につづけばいいのにと
そっと息をひそめる

すぐ前を歩く背中の
隣に追いつける日はきっとこない
なのに願ってしまう
誰か今すぐ世界をおわらせて

聞かせて
あなたの声で
胸がやぶけそうになるくらい
震わせてほしいの
陳腐な言葉でもいい
たった五文字でかまわないから
教えて
私の心
迷子のままで彷徨っている
探しあててほしい
ふたりでいるのはつらい
なのにひとりは寂しすぎるの

思わせぶりな約束を
いくつも繰り返している
その影にあなたの
大切な人の姿が見える
きつくまぶたを伏せても
消えてなくならない記憶
そしらぬふりで手を繋ぐ
あなたの笑顔
それが今の私のすべて
ほかは何もいらない

地獄におちるというなら
それでかまわないと思うつよがりを
ずっとし続けている
誰かいますぐ私をおわらせて

聞かせて
あなたの声で
胸がやぶけそうになるくらい
震わせてほしいの
陳腐な言葉でもいい
たった五文字でかまわないから
だから
聞かせて
あなたの声で
胸がやぶけそうになるくらい
つきはなしてほしい
なによりひどい言葉で
そして私のことをわすれて



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