お金?仕事? 信頼を得るために
落語の演目「芝浜」をご存知だろうか。
真面目な賄い人であるのだが、誰もが持つ欲を一つ抑えることが出来ず、
お酒に溺れて、貞堕落してしまう。
酒ばかりの毎日、お金は減る、もちろん仕事も減っていく。そんなある時、浜で大金の入った財布を拾うことがあった。
嬉しくて嬉しくて、もう働くなくていいと思い有頂天。
毎日酒三昧。そんなこと考えカミさんに報告。
カミさんも生活に困っていたので本心は嬉しかったが、旦那のことを真剣に考えた。
機転を働かせ、このことが夢であったと主人に思い込ませた。
大金を拾い、有頂天、友人を集め呑めや歌えやの騒ぎを終えた後、あの大金は夢であったと知らされ天国から地獄へ。
もともとは、真面目で仕事をすれば評判がいい人であったため、今回の事件をきっかけにお酒をやめて真人間に戻って仕事一筋。
最初は苦労はあったが幾年かして評判が評判を呼び、信用を勝ち得ることができた。
そこではじめて奥さんが種明かしをした。
大金を拾ったことは夢でなく事実だったんだよ。でもあんたに真面目に仕事してほしいためにあんな嘘をついたんだよ。
こんな嘘つきな女房でごめんな。といい。主人に謝った。
主人はお礼をした。こんなダメな俺を正しい道に戻してくれてありがとう。
今では立派に仕事ができ、皆から信用ももらえている。本当にありがとう。
と言った、お話だ。
随所随所に笑どこもつけ、落語は作られていた。
⭐️⭐️⭐️
さて、現代はどうだろうか。
例えば、目の前に宝くじが当たり3億円があるとしよう。
今回の主人のように嬉しくてすぐに使いたい思いが出てしまうだろう。
ただ本当に正しい使い方が出来るだろうか。
今やっている仕事は、お客様にモノやサービスを提供しその価値と引き換えにお金をいただいている。
価値が高ければ金額もあがり、価値の量も多ければそれに比例していく。
振り返れば、そこに価値とお金の交換によって信頼を得ることができる。この信頼こそがとても重要だ。
突然湧いて出てきたお金には信頼はない。やはり人と人のつながりがあってこその価値がそこにはある。
芝浜にはそんなメッセージが込められていた。
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