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身の回りの世界の解像度があがる

最近読んだ2冊の本について書きます。

1冊目は「いまさら聞けないマーケティングの基本のはなし」です。

ちょうどマーケティングという分野、少しさわってみたいなあと思っている時にCakesで連載されていて、とても面白かったのでKindleで購入して一晩で一気読み、今ちょこちょこ読書メモを作成しながら少しずつ読み返しをしているところです。まだ「うわーマーケティングって面白い」という所までしかいっておらず、内容まで語ることはできないのですが、この自分がワクワクしている感じって前にも一度経験したことがある、ということ思い出しました。

私は仕事柄、植物に関する勉強をし続けています(しました、と言えないのは、中々終わりが見えないからです)。勉強し始めの初期の頃、樹木の名前を覚えて、これまでただの「木」あるいは「みどり」だった物体が識別できるようになり、目に見えるそれらのものの解像度がぐん上がった感じがして興奮しました。散歩が急に楽しくなったのを覚えています。

いまさら聞けないマーケティングの基本のはなし』の最初の方、私がこの本を一気読みしてしまったテコになった箇所を引用します。

…  社会学者 タルコット・パーソンズ( 1902-1979)は … 「概念はサーチライトである」 と …  言いまし た。概念、すなわち ことばは、なにかを照らします。 照らされることで、 私たちはこれまで見えなかったことが見えるようになるのです。「リア充」とか「ゆとり世代」という ことばがまだなかったときのことを思い出せるでしょうか?こういった ことば がなかったときと、 広まってからは、 世の中の見え方がちょっと違って見えているはずです。
… 消費者行動論 で使われる概念(ことば)も同じことです。この本では、 お客さん(あるいはお客さんにしたい人)の心の機微や具体的な行動を理解 するのに 役立つ概念をたくさん紹介します。 サーチライトたる概念(ことば)を 知ることで、お客さんについての「 なるほど、そうか!!」( かっこよく言うとインサイトですね)が見えるようになります。

松井剛. いまさら聞けないマーケティングの基本のはなし (Kindle Locations 136-137). 河出書房新社. Kindle Edition.

マーケティングの概念も、植物の名前も「サーチライト」なんだろうなあ。これを手に入れて、自分の周りの世界に光を当てることによって、対象物の解像度があがる、という感じを思い出してワクワクしたんだと思います。

世の中に「売り場」って沢山ありますよね。これからスーパーで「なんでこれはココにあるんだろう」とか考えながら買い物できると思うと、なんて楽しいんだろうって思います。

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2冊目は、角田陽一郎さんの『「24のキーワードでまるわかり」最速で身につく世界史』です。

現在、うちの息子は、豪州でIEC(Intensive English Centre)というコースが併設された学校に通っています。IECは、英語が第一言語ではない子供達が期間限定で現地の学校に馴染めるように英語を中心にカリキュラムが組み立てられたコースです。そこでの彼の同級生にムスリムの子供達が多いことから、よく彼との会話の中に「ファーシー (ペルシャ語)」、「アラビック(アラビア語)」って出てくるのです。私たちの住んでいる町にも、アラビック&ファーシー スピーカーは多いみたいです。「…多いみたい…」、というのも私は「褐色の人」として一括りにして、あんまりよく見ていなかったので分からないからです。息子は、意味はわかんないけど「アラビックしゃべってる、、、」「ファーシー しゃべっている」というところまでは分かるようなので、一緒に歩いていると、いちいち「あれはアラビックだ」とか言ってきます。この間、床屋さんとも"…are you speaking Arabic?, where are you are you from?", "…well, I'm from Algeria…"みたいな会話をしていました。

そういったこともあって、これまで「褐色の人たち」と一括りにして見ていたムスリム世界、もう少し解像度を上げたくなり、世界史を勉強したいなあと思っていました。一方、世界史は高校生の時に習ったけど、場所と時間が飛び飛びで、頭に入りにくく、結果的には何も残っておらず、勉強のとっかかりに苦労するだろうなとも思っていました。
『「24のキーワードでまるわかり」最速で身につく世界史』は、楽しく一気読みできたのでファーストステップ、クリアです。これからの学習を継続していけそうだな、と思えるテコになる本だったと思います。ただ私の記憶力では24個のキーワードは覚えきれないので、今後、ぼちぼち勉強しながら、行きつ戻りつするんだろうなあと思っています。

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私は普段、ありがたいことに、あんまり忙しくありません。それに輪をかけて、年末年始は時間があったので、あんまり自分の領域とは縁のない読書ができました。昨年の私のテーマは勉強だったので、なんでもそれに絡めてしまいますが、勉強って、住む世界の解像度を上げて、少し先の自分を楽しませてくれる、それ自体が楽しい存在なんだなあと思いました。こちらで上げた2冊の本は「これからこの分野を勉強していっても大丈夫よ」って優しく導いてくれる良本でした。


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