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【ロンドンに日本のキャバクラが!?黒服として潜入調査】

皆様、ごきげんよう。安部直柔(アベ ナオナリ)です。
現在ロンドンでバーテンダーをしています。
バーテンダーを始めたきっかけは、『海外で暮らし、仕事をして、自分の知らない国でチャレンジしてみたい』という思いからスタートしました。

ここではそんな私のロンドン挑戦への記録やロンドンでの生活、自身のことなどを発信をする媒体として、noteへの投稿を始めました。


前回の投稿で『ロンドンで POP-UP BAR / 後編 - 収支も全公開 - 』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。
前編、後編に分けてます。

今回は『ロンドンに日本のキャバクラが!?黒服として潜入調査』について

Mix B で謎の募集を見つける

さて、無事にPOP-UP BARも終了し、新しく働くバーのオープンを待っていたのですが、どうも更に工事が遅れるとの情報が入り、急遽パートタイムでの仕事を探さないといけない状況になってしまいました。どうしたものかと考えている時に、イギリス在住の日本人向けコミニティ・ウェブサイトのMix Bというサイトで探してみようと思い、求人のページを見ることに。

色んな求人を見ているなかで、こんな求人を見つけた。

??ん?、ロンドンで黒服、バーって名前だけど、どういうことだ?と思い調べると、何と!そのお店がロンドンに唯一ある日本人向けのキャバクラのようなお店だということが判明した。時給は安いが、背に腹はかえられぬ。
それと興味深い場所だ!と、私の好奇心が駆り立てられた。昔から面白そうだな!と思ったらそこに突っ込みたくなる性分で、バーテンダーを始めることになったきっかけも、そういった好奇心からきたものだ。
その話しはこの記事に綴っている。

海外にも日本人向けのキャバクラのようなものがあるのは、先輩から聞いていたが、まさかロンドンにあるとは驚かされた。
まずは面接からだとと、すぐに電話をして面接の予約を入れる。

人生初の黒服仕事での面接

面接当日、好奇心と若干の不安、怖い系の人達だったらどうしようかと思いながらも、お店を訪れ面接に挑むと、出迎えてくれたのが明らかに私よりも若い青年と30代前半くらいの女性。
女性の方が面接をしてくれたのだが、その人がマネージャーだった。話しを進めると基本的に人手不足だから、直ぐにでも働いて欲しいと、面接はすんなり合格した。
仕事内容を聞くと、そんなに難しいことはなく、キャストやお客様の名前を覚えること、あとはお店のシステムを覚えられれば問題ないとのことだった。

条件面は
時給 : £9-
勤務時間 : 18〜24(残業有)
24時以降退勤の場合、
交通費 : £3-
といった感じだ。
給与は毎週ごとに現金払い。

条件面はさておき、ロンドンの日本人向けキャバクラでどんな人が働いてて、どんな人が利用するのか?
好奇心が駆り立てられて、パートタイムで働くことに決めた。

お店のシステムとは?

キャバクラのシステムって、どんなんだったけ?と記憶を呼び起こしてみた。私も福岡でサラリーマンをしていた時はよく行っていた。
地域や形態によるが、セット料金○○○○円1時間飲み放題、キャストドリンク代別、サービスTAX10〜20%とかそんなんだったと思う。

私が勤務したBAR KAZでは、
セット料金:1人あたり£130-
ボトル・ドリンク料金別
時間制限なし 
カラオケ無料 
キャスト・ドリンク料金別(お客様のボトルは一緒に飲んでもOK)
指名・同伴料金別
税別
が料金システムとなる。


仮にお客様側で初回最低料金で飲んだとしてもだいたい£200-(約¥20,000-くらいの感覚)だ。安いか高いかは人それぞれだと思うが、この話しを外国人にしたら、クレイジーだと言われる。£200-も払って、ただ女の子と飲むなんて考えられないとのこと。これはもう日本やアジアでの文化としか言いようがない。
なんなら他のアジア圏ならお店でお金を払って女の子と飲んだら、そのままベッドまでというのが当たり前らしい。なので、日本人以外のアジア圏のお客様はそういうお店だと思い、スケベ丸出しだ。もちろん、セクハラ紛いのことをしてたらお店側から注意するが、聞き分けの良いお客様は少ないので大変だった。

一体キャストとお客様は何者なんだ?

他にも働く前に気になっていたのは、どんな女の子が働いてて、どんな人達がお客様なのか?

基本的にキャストの女の子達は、私と同じワーキングホリデーで来てる女の子がメイン、その他はイギリスでのワークビザを持っていてのダブルワークなど。

お客様達は、ロンドン駐在の日系企業の方々で、多かったのは商社系、金融系、建設系などなど、どの会社も日本を代表する大手企業ばかりだ、年齢で言えば40代以上がメイン層。
ちなみにBAR KAZ は創業26年としっかり歴史がある。オーナーは日本人女性、私は会ったことがないが、現在銀座でもお店をやられているそうだ。コロナ前は、ロンドンに日本人向けのキャバクラがここを含め3店舗あったらしい、だがそのうちの2店舗はコロナで潰れてしまったとのこと。

ロンドンに1997年から営業しているキャバクラなので、古くからのお客様も多く、某有名企業の重役の方々が利用されることも頻繁にあった。その際に、支払いの金額の桁が違っていて最初その光景を見た時は、金持ちはレベルが違うの素直に感じた。何に金額がかかっているかと?というと、シャンパーニュだ。厳密にはお客様が飲むというより、キャストに飲ませてあげてるといったほうがいい。

何故、シャンパーニュなのか?
それはキャストの歩合に関係しているから。

キャストの給料形態とは?

1番気になるのがキャストの給与形態だろう。
まず基本給となる、時給が少しトリッキーで待機時給と接客時給がある。
単にお客様に接客していない待機時と、お客様に接客している時で時給が変わるという話しだ。
これはこのお店の特殊な形態だと思う。日本のキャバクラなどでこの方式は聞いたことがない。
では金額でいうと、
待機時給は£3-
接客時給は£15~18-
(成績や出勤日数に寄って変わる)

記憶が曖昧だがこのくらい違いがあった。
昔は違ったそうだが、このご時世で開店から閉店まで忙しいといったことは滅多にないから、待機時給というのを作ったらしい。
それはコロナの影響もあり、ロンドン駐在の日本人が極端に減ったことも要因らしい。
たまにノー・ゲストの日もあったので、お店側キャスト側にとってその日は地獄のような営業日だ。

もちろん、キャストには時給以外のインセンティブがある。
指名料、同伴料、ドリンク料。

前述に書いた、シャンパーニュが頻繁に飲まれる理由はこのキャストのインセンティブとなるドリンク料が高いから。
詳細なキャストのインセンティブが幾らなのかは、お店の都合もあるので差し控えさせてもらう。ただ、稼いでいた子は週に£500-くらい貰っていたと思われる。その子達はお客様への営業活動をしっかりやっていたし、お酒も飲める子だったので、楽して稼げてた訳ではない。

ロンドンにも日本人だけを相手にしているビジネスが未だに残っている。いつか無くなる可能性が高いがロンドン駐在の日本人サラリーマン達の癒しの場所である。働いている時に感じたのが、ロンドンに居るのにも関わらず、その空間だけは日本そのものだった。短い期間だったが、良い経験である。

そんなこんなでBAR KAZで数ヶ月を過ごした後、ついにロンドンで働く最後のバーがオープンすることになった。

次回は『世界一になったレジェンド・バーテンダーのバーで働く: KWÃNT』

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