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【ロンドンで POP-UP BAR / 後編 - 収支も全公開 -】

皆様、ごきげんよう。安部直柔(アベ ナオナリ)です。
現在ロンドンでバーテンダーをしています。
バーテンダーを始めたきっかけは、『海外で暮らし、仕事をして、自分の知らない国でチャレンジしてみたい』という思いからスタートしました。

ここではそんな私のロンドン挑戦への記録やロンドンでの生活、自身のことなどを発信をする媒体として、noteへの投稿を始めました。


Hi guys, Merry X'mas. 2023年12月25日にロンドンでこの記事を書いてるということは、私は何も予定がなかった『クリぼっち』ということを察したかと思います。

さて、前回の投稿で『ロンドンで POP-UP BAR / 前編 - 計画から初期費用 - 』について綴ったので是非そちらも読んでみてください。

今回は『ロンドンで POP-UP BAR / 後編 - 収支も全公開 - 』について

*物価が違うので為替は考慮してません。日本円での表記は、日本の感覚だとこのくらいだと思って欲しい。

POP-UP BAR 初日

初日の売上からお伝えしよう。
£442.50- (約¥44,200-)

さあこれが良いのか悪いのか?
悪いわけではないが、私たちが掲げた目標には届いていない。目標は、1人1日 £150- (約¥15,000-)の収入だ。初日の売上だと、1人1日 約£80- (約¥8,000)くらいの収入にしかなってない。これだと目標の半分。
目標達成には、1日に£600- (約¥60,000- )以上の売上が必要となる。

準備期間が約2週間くらいしかなかったので、宣伝不足は否めない。初日はこのくらいが妥当なのかなと思ったりもした。

宣伝は、基本的にインスタグラム、フェイスブックのみ。さらにロンドンの友人やバーテンダー達にDM。
ちなみに、POP-UP BAR限定のインスタグラムのアカウントは作らなかった。一時的なアカウントにしかならず、あまり効果が期待できないと思ったからだ。
ただその代わりに、私の個人アカウントの名前を一時的にPOP-UP BARの屋号である『Komé Komé Angel』に変えて、使うことにした。まあ結果的にこれが良かったのか悪かったのかは未だに分かっていない。
フォロワー数が増えたのは確かだ。ただ、日本の友人達が知らないアカウントだと思ったのか、フォローを外していた。地味に切ない気持ちになった、これも良い経験だ。色んな意味で勉強になった、前向きに捉えよう。

大フィーバーは突然に。4日目から大逆転

初日から3日目までの平均売上が£387- (約¥38,700-)
2人とも蒼ざめた。
赤字ではないが、3日目でこれはヤバいと2人とも焦りまくっていた。
開始日が月曜日だったので、週末に期待をしつつ4日目の金曜日を迎えたのだが、その日から来客数が急に増え、売上が3倍近くに跳ね上がった。

4日目の売上は、£945.75- (約¥94,500-)
いきなり売上目標を1.5倍も上回る結果に。
『何故、急に?』と疑問しかなかった。その日の営業後に2人で話し合った結果、判明したのが、ロンドン在住の中国人が使っているSNSで中国人インフルエンサーが、私達のPOP-UP BARを投稿してくれていた
それが火付け役となり、4日目以降から中国人を筆頭にロンドン在住のアジア人達がたくさん来店してくれるようになった。
まさに突然の大フィーバーである。

そこから最終日まで平均売上が£880-(約¥88,000-)
全日で目標達成である。

グラフにするとこんな感じだ。

グラフで見ると、良い右肩上がりの曲線を描いている。
(2/23はカフェ側のイベントがあった為、お休み)

2/20(Mon) £442.50, 2/21(Tue) £369.50, 2/22(Wen) £351.00, 2/24(Fri) £945.75, 2/25(Sat) £969.50, 2/26(Sun) £916.00, 2/27(Moe) £1,047.00, 2/28(Tue) £610.00, 3/1(Wed) £1,043.50, 3/2(Thu) £1,136.50, 3/3(Fri) £1,132.50, 3/4(Sat) £1,184.60, 3/5(Sun) £1,355.50

ご覧の通り、2週目からは素晴らしい売上を作ることができた。
今思い出すと本当に忙しい2週間だった。
最終日は、前日に前祝いと称して、飲み過ぎたせいで二日酔いの状態だった。バーテンダーだが、私はめちゃくちゃ二日酔いに弱い。自業自得ではあるがそんな中、2週間内で1番の売上を作ることができたことを誇りに思える。

POP-UP BAR 成功の秘訣とは?

正直、私達がやったことは最低限のことしかやってない。Instagramでの宣伝などが主だったが課金まではしなかった。ただ友人や知人に直接連絡をした。これは凄く大事なこと。多くの友人、知人が本当に飲みに来てくれた。そして来てくれたお客様がInstagramにストーリーなどを投稿してくれたらお礼のメッセージを返した。誰でもやれることをしたまでではあるが、でも徹底した。大切なのは凡事徹底である。

結果、成功した秘訣は周りの人達のおかげといっていい。
まずは各スピリッツブランド(お酒)のブランド アンバサダー達の協力があり、色んなカクテルを作ることができた。氷を提供してくれた最寄りのBAR 69 COLEBROOKE ROW、写真撮影をしてくれた友人、看板を作ってくれた友人、ワインの選定してくれた友人、フードを提供してくれた関係者、POP-UP BARの会場近隣のコミニティーなど沢山の人の協力があったからこそ、成功したと言って良い。

そして、来店してくださったお客様のおかげである。本当に感謝しかない。今でもPOP-UP BARで出会ったお客様と良い関係を気づけている。その時に来てくれたお客様が、現在働いているバーにも会いに来てくれる。これはバーテンダー冥利に尽きる。
この場を借りて改めて御礼を伝えたい。
『本当にありがとうございました!』

果たして、収益は?

さて、大成功を成し遂げたPOP-UP BAR 『KOMÉ KOMÉ ANGEL』だが利益の話しをしよう。
結論から述べると、
当初の目標を大きく上回り

売上合計 £11,503.85- (約¥1,150,385-)
賃料 £1,300-
(約¥130,000-)
材料費&諸経費 £2,586.53-
(約¥258,653-)
消費税 £1,884.13-
(約¥188,413-)

純利益 (収入)

£5,733.19- (約¥573,319-)

1人あたりの収入 £2,866.60- (約¥286,660-)
*実働日数: 13日
1人あたりの日当 £219.08- (約¥21,905-)
1人あたりの時給 £27.385- (約¥27,385-)
*日実働時間: 8時間

はっきり言おう。
私が今までロンドン働いて得た月給より、今回の収入が上回った。
実働13日でこの数字はまさにミラクルである。この記事を書いてる時に改めて実感したが素晴らしい数字だ。

初めてのPUP-UP BARで比較対象がない為、この数字を客観視できないが、自分達に『良くやったぞ』と言いたい。

毎日数種類のカクテルが入れ替わるメニューを日本人バーテンダーが作るクオリティーで、POP-UP BARで体現できたのは、誇りに思える。さらに以前は日本人バーテンダーに対してのリスペクト感じなかったが、来店してくれたお客様達からの日本と日本人バーテンダーに対してのリスペクト有り余るくらいに感じることができた。短い期間ではあったが、お客様に喜んでもらえたことが本当に嬉しかった。
もし次にやれる機会があるならば、この成功体験を活かしたい。

あとがき

この記事を見てくれている人のほとんどが日本人、もしくは日本在住の人だと思う。
そんな人達に今回協力してくれたお酒のブランドとロンドンのバー是非紹介したい。

①『Silentpool Gin』日本でも取り扱いがあり、香り豊かなジンだ。これはジントニック飲んでほしい。

②『Suntory Toki』サントリー海外向けのブランドとして発売させれたウイスキー。日本で見かける機会ら少ないが見かけたら是非ハイボールで飲んでほしい。乾杯の時の掛け声は『サントリー タイム』だ。

③『Nuet Aqavit』北欧が誇る地酒のアクアビット。ノルウェーのブランドだ。これも日本でお目にかかることは少ないだろう。もし見かけたらまずはストレートで。

Nuet Aquavit on Instagram: "• Morty’s Favourite Cocktail Video • A few reasons to repost this video: 1) We’re getting closer to the 17th of May celebrations. 2) It’s not often you get to see @greggybar in a suit. 3) It’s our founder @alpha_morr's favourite cocktail video, made in his old kitchen. “Before he went on to bigger and better things we had the pleasure of working with @johannesdyhre. Not only an incredibly talented photographer; as one of the first to join Nuet he has earned the right to call himself a co-founder. I love this video for its simplicity and elegance. A simple cocktail filmed in a beautiful one-shot take. Less is more.” - Morten, Founder Have a great Friday and lev i Nuet. 📸@rammelaus" 52 likes, 2 comments - nuetaquavit on March 24, 2023: "• Mort www.instagram.com

④『RYUKYU1429』沖縄を代表するお酒の泡盛、これは海外向けに43℃に調整されたコシの強い泡盛。残念ながら日本だと手に入らないと思うが、もし見かけたら是非試しておしい。私の推しはお湯割りです。

⑤『Everleaf 』このブランドはノンアルコールアペリティフのブランドで、私の前同僚が働いてるブランドだ。これもおそらく日本だと手に入らないが、見かけたら是非飲んでほしい。ノンアルコールなので無限に飲めるだろう。

⑥『Double Dutch』ソフトドリンクのブランドだ。これも前述した前同僚が紹介してくれて協賛してくれた。このブランドのおかけでカクテルの種類を増やすことができた。早く日本に輸入される日が来ることを祈りたい。

⑦『The Bar with No name - 69 COLEBROOKE -』Angelにあるこのバーはロンドンにもし訪れることがあれば是非行ってほしい。サービス、ドリンク共にハイレベルで、日本人にオススメしたいロンドンのバーの1つに入っている。

次回は『ロンドンに日本のキャバクラが!?黒服として潜入調査』

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