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「かんぴょう巻きと柿。」

「それから、そぼろご飯とモツ煮込み。」
「オットさんの好きなモノばかりじゃん。」
「とーちゃんが好きなモノは美味しそうで
気がついたら好きになっていたんだよ。
ま、DNAを受け継いだってことだ。」

かんぴょう巻きをスーパーで見ると、しれっとカゴにいれてくる。
オットさんのチカラ飯は250円だ。

今日は義父の命日。
オットさんが小さな頃に亡くなられた。
彼が覚えていることはそれほど多くはない。

お仏壇はないが写真はある。
好きなモノをお供えしたら喜んでくれるだろうか。

会社帰りに寄ったスーパーには、かんぴょう巻きがなかった。
太巻きには入っていたが、どうやら主力選手ではないらしい。
単独での細巻きチームに見つけることは出来なかった。

(お義父さん。今年は賑やかな太巻きにしますね)
言い方…。

後は小さなモツ煮と柿一つを買って帰った。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「覚えててくれたんだね。ありがとう。」

オットさん。
好きな人の大切なことは
私にとっても大切なこと。
あたり前田のクラッカー。

お義父さん。
いつも見守って下さりありがとうございます。

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