見出し画像

父の10回目の命日

父が亡くなって10回目の命日でした。母、2人の弟たちとそのパートナーたち、私と夫と子どもたちで、お墓参りへ行ったあと、食事をしました。10年前はいなかった、弟たちのパートナーたち、そして生まれていなかった子どもたちも一緒で、こんなに人数が増えていてお父さん喜んでるよねと話ました。

情が厚く、破天荒な父は家族の記憶に深く残っていて、10年前に亡くなっているのに知らないエピソードも出てきて「いまだにこんな面白い未公開エピソードが出てくるなんてすごい」と家族で大笑いしました。

父が亡くなったのは56歳の時でした。覚悟はしていたとはいえ早すぎる死に、なぜ父なのか、なぜ我が家に起こったことなのか、辛い気持ちが長い期間続いていました。どうすればこの辛い気持ちが癒えるのか長いこと考えていました。

父が亡くなってこの10年間、父を思い出さなかった日は1日もありませんでした。自分の人生はいつかは必ず終わる、いつ終わるのかはわからない、そうであれば今やりたいことをすぐに行動に移さなければ後悔する日が来るかもしれない。父の不在が、私に毎日毎日それを教えてくれました。

そのことがあったから、早く子どもを3人産みたいと思いました。そしていろいろな国へ行って自分の目で様々な景色を見たいということに躊躇がなかったのも、人生に限りがあることを常に意識していたからです。

今父のためにしたいと思っていることは、死ぬまで姉弟で仲良くいたいということです。仲の良い家族が、相続で揉めるケースをいくつか見ました。自分が今もし子どもたちを置いてこの世を去るとしたら、いちばん辛い事は自分をきっかけにして子どもたちが不幸になることです。だから、親のお金を巡って家族で揉めることは絶対したくありません。1円も相続できなくてもいいと心から思えるように、お金のことはすべて自分できちんと備えたいです。そして、今もとても仲が良い弟たちとその関係を続けたいなと思っています。

そして、父にできなかった分も母にたくさん親孝行したいです。(と言いつつ、今は子育てを全面的に手伝ってもらっているのですが…)10年前はこんなに心穏やかに今日を迎えられると思っていませんでした。時間に教えてもらうことがこの世にはたくさんあります。

亡くなってなお、こんなに大切なことを教えてくれて、お父さんありがとね!


サポートしていただけたら、作品を作り続ける勇気が湧きます。どうぞよろしくお願いいたします。