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あなたの生きる世界、わたしの生きる世界。

「この仕事?好きでやってるわけないじゃん!」

猛暑の中、作業から戻った監督にヒェッヒエのアイスコーヒーを出した。
「好きじゃないと、この仕事、出来ないですよね。」の言葉を添えて。

そうですか。
ブルータス、お前もか。

他の人からも聞いた事があったから、とりたてて
驚きはなかったけれど。

会社で仕事をしている人たちは
その人に合う何かが同じだから
引き寄せられている集まりだと思っている。

にしても。
被るところが、ココって。

更に監督は、アイスコーヒーの氷がグラスの底から落ちてこないことに少しイライラしながら続けた。

「好きな事を仕事にしているヤツなんて、いないんだよ。」

(え、私好きな事を仕事にしていましたが、何か。)
憧れのギョーカイで制作スタッフとして働いていた20代。
あの頃は〈天下とったる!〉の勢いだった。
好きな事を仕事にしていた私は、幸せだったんだな。

今も仕事として形にしたい事がある。
好きな事を仕事にしていたあの頃があるから、異業種でも根拠のない自信が湧いてくる。

現在の仕事もそのための通過点。
人生にムダはない。
好きな事を仕事にするということは
私の生きる世界において、可能なのだ。

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