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学校図書館の担当になったら #1 ~最初にすること~

 司書教諭になってから、中学校で3校 学校図書館の運営をしてきました。

 3校目で、図書館司書の資格を取得し、かなり仕事の質が変わったように思います。

 学校図書館司書教諭と、図書館司書を持つ私の経験が、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、記事を書くことにしました。


中学校の学校図書館は、大抵、物置化しています。

鍵がかかっていて、ほとんど手がかけられていないところが多いです。

 自分から学校図書館を担当したいという職員は、めったにいません。

 だから、新人さんとか、うっかり免許を取ってしまった人が担当するはめになります。

 何をしたら良いかわからない⇒ どこから手をつけたら良いかわからん⇒ そのまま1年やりすごす。

 この負のループが繰り返され、荒れ果てていくわけです。

 今回は、まず 1年目に何をした?というところをまとめていきます。


1年目の4月。

 荒廃した図書室の鍵を開け、踏み入って、とにかく「捨てる」

 この「捨て方」も難しいのですが、

 ・古い本  ・ボロボロの本  ・壊れた本 

 このあたりから、廃棄処分していきます。廃棄が難しければ、違う部屋へ移動させます。

 「古い本」というのも、どのあたりを捨てたら良いのかが難しいのですが、図書館の役目として、「貴重な資料として保存する」という面があります。今は絶版になってしまって、手に入らない全集とか、その手の図書資料は、貸出の本ではなくて、「資料」として保存する必要があるかもしれません。大きい図書館であれば、「閉架」書庫に入っているようなものですが、歴史的価値のある本であれば、貸出不可として、別の棚にまとめておくのも一つの方法だと思います。

 棚の保管量を100とすると、70%くらいが埋まっているのが良いのではないでしょうか。場所が空いている方が、貸出数は増えます。

 この整理をしながら、自分のところの図書室は、「どんな分類の本が、どれくらいあるのか」を把握していきます。

 前任者まで、どんな本の買い方をしてきたのかが、よくわかります。

 やたら美術全集の多い学校とか、文学全集ばっかりある学校とか、マンガばっかりを買っている学校とか、何か特徴があるはずです。逆に、極端に少ない分類とか、紛失してしまっている本とか、補充しなければならない分類もあるはず。

 0の総記は、なるべく新しい本をそろえていく必要があります。自分の学校では、年鑑や百科事典など、どの分野のどんな本を毎年買い足していくのかをあらかじめ予定しておきます。

 図書予算は、あまり潤沢ではありません。6月から7月、10月から11月頃、1年に2回くらいに分けて購入する学校が多いと思いますが、私は、毎月選書会議を委員会活動で行っています。リクエストボックスを置いて、その中に入っている本から、毎月の予算に合わせて購入していくスタイルです。

 〇「捨てる本」と、「入れる本」を吟味すること。

 〇 図書室全体の配置を見直して、書架の位置や数を整えること。

 〇その学校の特色や、学習のカリキュラムを理解し、必要な図書資料などをそろえること。

 この3つが、1年目に取り組むことです。

 この作業は、1人では大変難しいです。いろいろな先生方の手を借りたり、学校司書の方と一緒に進めることが大事だと思います。うっかり大切な資料を廃棄してしまうなどのミスを防ぐこともできます。

 学校図書館は、手をかければ 子ども達にとって貴重な居場所になります。

 学校に、図書館文化を根付かせるための 最初の一歩です。

 一緒に やってみませんか?


  次回は、#2 充足率について です。 


#学校図書館 #司書教諭 #図書館司書 #学校司書



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