不登校が嫌われるのは普通じゃないから。


周りが当たり前に出来ていることが出来なくて
悩んだ事ってありますか?

「普通」

私は、不登校の生徒がこの問題にぶち当たる場面をよく見たことがある。

大人たちは「皆んなあなたの事なんて気にしてないよ」と励ましの意味で言うけれど
大人になってから、実際に不登校児が嫌われる敬遠される原因は「普通ではないから」だと思った。

箸の持ち方、人との挨拶、目を見て喋る、笑う
電車に乗る、流行の話題、食事をする、親が居る。
こういった”多くの人が共通”の「普通」

例えば、子供の頃に
「ちゃんと挨拶しなさい」と育てられたとする。
しつけられ、何度も親に言われたことを子供は普通だと認識する。しないと怒られる(だめな)事だからだ。
でも、あなたが社会に出て挨拶をしない人に遭遇したらなんて思いますか?

引く、人としてこんなことも出来ないの?と疑問に思う
笑う、教育が行き届いてないなと思う、何も思わない。

人それぞれ反応は違うと思うけど、自分ができてることを出来ていない人を前にした時に人は、マイナス評価をする。

確かに、挨拶が出来ないと人としてどうかと私も思うが、「人としてどうか」と感じている時点で挨拶が出来ることを当たり前と私は思っているのだ。

後々、その人は口が聞けなかったとか
人へ極度の苦手意識を持っていて挨拶をするハードルが高いとか人それぞれ事情がある。
だが「普通」という概念があればある程、人の背景などいちいち考えないのだ。

正直、色んな人と交流すればこういった思い込みや印象の付け方は変わってくるけど学生時代はどうだろう。

学生は学校へ行くのが当たり前。
行かない人やたまにしか来ない人はその枠から外れ、段々と浮いていく。
周りの状況が分からないから話についていけず
どう扱えば良いのか周りが困惑し、「学校の話をしたらまずいかな?」「来ないことに触れても良いのかな?」と相手にも制限がかかる。

人から見える頑張りの差

私は実際に不登校になってから、
ソフトボール部の顧問がやりたいポジションの練習をさせてくれたことがあり、チームメイトに「毎日来てないのに何で?」と小声で言われたことがある。

学校へこない=簡単に出来る事をしない=頑張ってない、みんなとは違う

この図が密かに皆んなの頭の中にあるんだろうと思う。
悪口は言われなくとも、大人たちは皆んな腫れ物に触るように私にバレるほどの気遣いをしてきたし
親がパソコンで「不登校 接し方」と調べていた検索履歴を夜中に見つけたこともある。
仲が良い子を除いて、同級生は私と話しづらそうだった。自分が普通でない事実を嫌というほど教えられた。


「じゃあ普通になるにはどうしよう?」


ここで、あなたはあなたでいいんだよ。
合わせる必要なんてないよ。

と言いたい所だけど、普通に縛られなくていい事を言葉ですぐに理解できるなら元から悩んでなんていないのでやめておく。

じゃあどうしたらいいか。
不登校児の普通は、学校へ行くことなので
学校への不安を無くすことが最優先だと思う。

勉強や生活習慣を治すことが第一と言っているカウンセラーさんが居たけど、生活習慣は学校へ行ければ自然と治るし他人が介入する程の問題ではないので後回し、勉強は授業についていけなくて不安を抱えている子だけで充分間に合うと思っている。
目指す進路が決まっていたり、単位が取れないとかだと必要。状況に応じてで構わない。


学校への不安を取り除くためには
一番最初に学校へ行かなくなったのはなんでなのかまずは考えてみる。
1人でやっても大丈夫だけど、安心できる人がいれば一緒にやると良いかも。

友達と話しているとなぜか疲れるとか、気を遣って笑って誤魔化すことが多いとか、教室の空気が嫌なのか、
それぞれ違うと思うのでまずは理由を書き出してみる。
これは本当に何となくで大丈夫。理由が分からない場合は、友達の顔や教室の風景、担任いろいろ思い出して心がもやっとしたらそれを書いておく。

理由が書き出せたら今度は、
どういう場面でそれをしてしまうか?どういう場面で嫌だと感じるか?どんな時に疲れるのか
思い出して今度は具体的に書き出してみる。

これは自分が見た、思った気持ちや状況をそのまま書いて欲しい。


これが済んだら、次のステップ。

さっき書き出したものは、全てあなたが苦手なこと。
苦手だから疲れる。その空気が苦手。それが苦手だけど、周りと同じでいようと気を遣う。

出来ない事ではなくて、合わない、苦手な事。
これが分かるだけでも大きな進歩。

そうしたら次は自分がやりやすいと思う事をベースに
その状況になったらどうするか考える。

例えば、友達がいじられていて自分も一緒になっていじる時に何か違うなと思いながらやっていたら疲れてしまう。
じゃあいじらないでおく?それとも、何でいじる時に違和感があるのかさらに考えて、その答えが「相手が嫌そうに見えるから」なら、いじられている友達と2人で話す事があった時にどう思ってるか聞いてみる。とか
自分の心を探っていって解消させるにはどうしたら良いか一つずつ見つけていく。

自分のやりやすさを考えながら、これなら出来そうだな
とか方法を見つける。やるかやらないかではなく、このくらいなら大丈夫というラインを見つけるのが大事。

そうなると少し自信に繋がる。
嫌と感じていた理由が、苦手なことだと分かると「出来ない」ではなく「苦手だからやらない」という選択肢になり自分の事を嫌いになりにくくなる。
普通に合わせずに、自分の頑張れるラインを作ることで
今後人間関係に挫折しづらくなる。

私はこれがとても大事だと思った。

あとは実際に行ってみる。しかない。
これはあくまでも心の準備を整えて学校で過ごしやすくするだけなので、色々心配なら保健室からでも構わないし、前もって友達に行こうと思ってることを言っておくのも安心できる。行けなそうで不安ならもちろん言わなくてもよし。
苦手なことをやってる自分は偉い!と心の中で復唱するととても楽になる。

正直、生きてるだけで偉い。


正直学校なんて行かなくても何とかなった。

高校卒業さえしておけば、社会に出れる。
勉強は、したくなった時にすれば割と問題ない。

ただ学校という場から解放されても、不登校に一度なると人付き合いをするのがめっちゃくちゃ難しくなる。

別に学校なんて行かなくても良いけど
学校へ行けなかった事実を自分で理解して受け止めないと生きていくのが難しくなる。そう思った。


(いじめや陰口など他人から直接危害を加えられた場合と、入院やインフルエンザなどで長期間休んでしまった場合もあるけど専門外なので、心の面で不登校になった場合だけ記載してます。申し訳ないです。)



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