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クラブハウスで張り切ったオタクライターが走馬灯みたいな体験をした話


運命のルーレットが回る回る

昨日こんな記事をアップして


22時~エンジニアの恵比須さんが開かれた部屋でモデレーターをつとめていた。


恵比須さんは近年散々国民が聞いているチコちゃんのボイスチェンジャーをご担当され、Sound HorizonやLinked Horizon、「進撃の巨人」などのSE全般を担当されているスゴイ方で、音響のプロ。雲の上の人である。

そのプロフェッショナルが、宅録を行う方々のお悩みになんでも答えてくださるというお部屋を開いてらっしゃるのだ。

神社やん。(Sound Horizon Around15th anniversary公演では手水が登場したらしいよ!)


私はたまたまそこに飛び込み、「ノイズを取る専用の機械がある」というお話に「そんな歯間ブラシみたいなものが」と返すような役を担っていた。幸運なことに、第二回もモデレーターとして参加してほしいとお誘い頂いた。

※なお、忘れちゃいけないのが私と恵比須さんも知り合って一週間程度。クラブハウスで初めてお会い(話)したのである。

25年前の私に聞かせてやりたい

合縁奇縁という言葉がぴったりなそんな部屋
何故かスゴイ人がやたら集まる。

第二回は日曜22時ということもあり、さほど人が集まらなかった。ものは試しで開いたものだったし……と「部屋を閉じます」の「ま」くらいまで言い終わったとき、某有名声優さん(第一回も来てくださった)がご来訪。

ドーーッと増えるリスナー。

出不精オタクの私「初売りを迎え撃つ三越の店員ってこんな気分なんかなあ」

そしてその声優さんのつながりで、声優さんがドンドン入られてくる。
私たちの知り合いもドンドコ来る。

そして

おそらく全国民が一回はお声を聞いたことがあるだろう大御所声優さんと、なぜかお話をするという時間を迎えた。

???

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始まる前、お風呂で取材メモ(ライターの仕事用)をつけていたときこんな未来は予想していない。本当にこんな顔していた(いらすとやさん)

あのころ某アニメの歌を頑張って歌い、バレエや劇団の行き帰りに電車でゲームをプレイしまくっていた自分に伝えてやりたい……。

貴重なお話を渦のように聞かせて頂いた。チキンなので手足ヒエッヒエだった。

それから話はさらに転がっていき、新人声優さんが大御所声優さんとお話するというシーンに立ち会うなど、さまざまなシークエンスが起きて、時々に面白かった。

15年前の自分に聞かせてやりたい

ところで、私は宝塚と歌舞伎とアニメと漫画とプロレスが好きである

さらに活躍するアニメライターさんの知り合いもおり、声優の友人の作品はチェックする。その上。友人に色とりどりのオタクがいるため、結局カバー範囲は妙に広い。

おしりたんていから羅小黒戦記、ULTRAMANとかそんな感じだ。

高校で出会った友人のひとりは、オタク仲間かつ、私がずっとずっと大好きな子。その愛の重さをサラリと流してくれる最高の女である。

15年前、まだうら若き高校生だった頃。彼女はある日突如「テニスの王子様ミュージカル」の「六角編」にドハマりし、私にダビデ、というキャラクターのブロマイドを見せてくれてた。

DVDも貸してくれた。友人のことが大好きなので見た。

当時テニミュという文化を知らず

・出てくる人々がとにかくキラキラキラキラしていたことと

・歌詞と踊りがキャッチー過ぎて忘れられないこと(シャバダバダバダ・ダビデ~♪ってメランコリックなリズムで圧の強い美形が歌い踊っていた

・たまに大事故を起こすアドリブ

は衝撃で、私の記憶に強烈に焼き付いた。舞台としての将来性が凄かったし、当時役者だったので俳優はいいなあと思っていた。

その15年後のクラブハウス。
まさにそのメランコリックな歌を歌っていた、友人が見せてくれたブロマイドの人、が部屋にいたのである。

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(心象風景)(走馬灯はいらすとやさんになかった……)

また軽くパニックだったが、呼んでみたら質問から始まり、お話ができた。

汐崎アイルさんという方なのだが、ちょっと話しただけでもメチャクチャに頭も良いし優しい、面倒も良いというのがよく分かった。天は二物を与える。

役者目線では「現場にいてくれたらスタッフも共演者も助かって嬉しいだろう」、ライターとしては「インタビューしたら良い原稿に仕上がるんだろうな」と思っていた。

ところで、私は最近非常にドンヨリモードだった。大きな仕事がひとまず終わったあと、ポカっと空いた空白がつらい。肌は激荒れるし、やる気がなくて寝込むし、そんな自分が余計イヤ。母親にむずかるという、三十路としてダメすぎる日々を過ごしていた。

(一応捕足しておくと、「幼児がむずかる真似をする」という、ピアノ教室で幼児を日々さばいている母に見てもらうエチュードのようなストレス解消法である。本気でむずかっていたらさすがに今頃はスマキにされて国道5号線あたりに捨てられている

アイルさんは海外俳優さんみたいなカッチョイイアイコンで、声優もやられている美しいお声で話されていた。

夜もふけたころ、ふいに、悩む時期があったアイルさんが、立ち直った瞬間のエピソードをさらりとお話くださった。

その瞬間、まぶたを閉じかけていたのに、そばに置いていたルーズリーフをひっつかんで、とっさにメモをした。

さりげない、時間にして30秒にも満たないお話だった。でも、その一瞬で干からびたカメのようだった自分を、清潔なお水の中に入れて頂いたような、そんな瑞々しい感覚をいただいた。


あ~こういう瞬間。
初対面の人が何の気なしに言った言葉が、あまりにも自分の心に広がってしまう、この感覚。
久しく覚えのなかったことに、「クラブハウス!!!」と叫んでしまった。

ご当人にとっては軽くお話されたエピソードだったろうが、私はハッとなったし、起き上がる勇気をもらった。

ちなみにこのエピソードを書くにあたって、許可をいただきに突撃したところ、ご快諾くださった。お心の広さに感謝である。これから一方的にファンをしていこうと思う。

人と喋ると自分が動くものなのかもしれない

どれもこれも新しい経験ばかりで、とてもワクワクした時間を楽しんでいる。ただ、喋るのととにかく疲れる。モデレーターだと回すのを意識するので余計だ。あと、人とかぶらないタイミングで喋らなきゃいけないため、さながら風車の弥七のカットインみたいになる。多分みんな、良い勉強だ。インタビューの練習にもなっているしね……。

もしかしたら、これから自分の人生がグルングルンと動き(折しもしいたけ占いもそう言っていた)、「5年後の私」が情熱大陸あたりで思い出語りしてるかもしれない。

一方で、今後は「10年前の私」「5年前の私」に教えてやりたいことが出てくるのかもしれない。びっくり箱のフタがどのように空くのか。かけ湯(前回記事参照)のまま、ちょいちょい楽しんでいきたい。





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