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Garçon ギャルソン !! 〜

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研修で入った海辺のレストランで起きたギャルソンとの珍事シリーズ
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#おいしいお店

Garçon ギャルソン!! 〜その2・ヒメ様〜

本社から研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事を 愛をこめてつづる第2弾。 その1をお読みでなければ、まずそちらをお読み頂く方がよろしいかと思います。 そのレストランの作りは 1階が フロント、BAR&ブラッスリー 2階は 予約制レストラン 3階は パーティー用バンケットルーム。 サービスするギャルソンたち・・・ いつだって、プロはステキです。 その邪魔にならぬよう 研修初日の私は、 あっちによけ、こっちによける。 フロアーは、にぎわってまいりました♫ 担当テーブルが

Garçon ギャルソン!! 〜その3・まかない〜

レストランに研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事第3弾。今回は賄いの話。 私がいたフランス料理レストランでは 自分たちの食事をマンジェと言いました。 (過去の話は、こちらでどうぞ) レストランの開店は12 時。 フロントやお掃除係は9時入り キッチンも9時入り ギャルソンは10時に店に入ります。 そして11時、マンジェと言う ミーティングを兼ねた遅い朝食を取ります。 キッチンで若い料理人が用意しますが、 シェフもいますから、余り材料で 工夫したモノが出されます。 サ

Garçon ギャルソン !! 〜その4・男と女〜

ギャルソンのルール、 余計なことは言わない。 軽く、さりげない空気感が一流である。 白枠のガラス扉、大理石の床、 ブルー絨毯のスペシャルロードが 天上界へ誘う・・・ 階段を上がるとそこには 異空間への案内人、ギャルソンが 「 いらっしゃいませ・・・」 それが合図。 特別な時間と空間を演出する仕事師 (今までの、その1〜その3はこちらです) レストランは、人間ドラマが生まれる場所。 特に男女にとっては、、、 A氏が、B子さんと来店し、 次の日に、C子さんと 数日後に

Garçon ギャルソン !! 〜その5・ミステリー〜

レストランに研修で入った私が見た ギャルソンとの珍事第5弾。 ジャンレノは1階のバーマン。 映画『レオン』の殺し屋を演じた 俳優、ジャンレノによく似ている。 料理人を目指して、 このレストランに入り、 表でサービス修行をした1年間に、 ギャルソンに目覚め、さらに ワインと酒の世界に惚れ込み、 バーテンの資格を取った男。 私が会った時は30才手前。 日本人です。 基本、無表情、カウンターに座る男性客に、 時折り見せる笑顔が渋いです。 普段は黒い上着を着ない。 白シャ

Garçon ギャルソン !! 〜最終章・贈り物 part1〜

レストランが一年で最も輝く12月の夜。 恋する男女の思い出に残る 3日限りのクリスマスディナー。 この日の為に料理人、パティシェ、 ギャルソンは3ヶ月前から準備です。 これは本社から送りこまれた私の レストラン研修が大詰めをむかえた 平成のある年末の話です。 レストラン全館を飾り尽くし、 日常では味わえない空間で 限定クリスマスメニューのみの日。 食事開始は夜5時半か6時。 次は夜8時または8時半に限定。 予約はすでに満席です。 メニューは、アペリティフ(食前酒)

Garçon ギャルソン !! 〜最終章・贈り物 part2

レストランを支える人間達の サンタクロースはどこにいるんだろう。 ギャルソンたちの優しい心根にふれ ふと、そう思った夜の話です。 フランス料理では接客のプロを ギャルソン=Garçonといい、 そのトップはメートル=Mètreと呼びます。 平成のある年、某外食企業企画室に 中途入社した私が 3ヶ月間レストラン研修を命じられた仕上げは クリスマスディナーでした。 その前半の話はこちら。 クリスマスディナー最終日。 ラストのお客様が午後7時半にスタートし フロントのクローク