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観てきた!東京モダン生活(ライフ) at 東京都庭園美術館

6月に入り、美術館・博物館や展覧会を再開します!というニュースが続々。様々な対策を講じて再開してくださって、本当に感謝しかありません。

どこから出かけようかな、と迷って迷って・・・まずは!と向かったのは、大好きな場所・庭園美術館でした。

場所:東京都庭園美術館(東京・白金台)
会期:2020年4月18日(土)~6月23日(火) ※→2020年6月1日(月)〜9月27日(日)(5/27に変更の発表あり)
時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館:第2・第4水曜


◎観に行こうと思ったきっかけ

庭園美術館といえば、もうなんと言っても、
建物そのものが本当に本当に素敵!美術品の宝庫!!!

ここはもともと、明治~昭和時代の皇族・朝香宮(あさかのみや)のご家族が暮らしていたお家で、1933(昭和8)年に建てられました。
きれいな芝生の広いお庭には茶室もある、3階建ての豪邸です。

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庭園美術館では、年に1度、普段は置いてない家具をお部屋に配置し、カーテンを開け、その建築やデザインそのものを存分に堪能できる「建物公開展」を開いています。

この建物公開展が私は大好きでして、本当に、何度足を運んでも飽きません。美術館の再開とともに、この企画展を鑑賞でき本当に嬉しかったです。

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▲ロイヤルコペンハーゲンのペンギンの皆さん。壁紙のデザインはなんと!直接描かれた油彩画です!


◎どんな展覧会?

今回の建物公開展では、旧朝香宮邸として建設された当時、”1930年代の東京”にフォーカスした資料が合わせて展示されています。

1930年代の東京―――
1923(大正12)年の関東大震災によって江戸・明治の面影を失いながらも、「帝都復興」の掛け声のもと近代都市としての新しいスタートを切った地。

華々しい震災復興記念祭とともに幕を開けたこの時代は、ガラスと鉄筋コンクリートの近代的な建築が立ち並び、地下鉄が走り、モダンな衣服に身を包んだモガ・モボたちが銀座の街を闊歩しました。
やがて戦争の惨禍にさらされるまでのわずかな間に、日本の都市文化の中心地として花開いたのです。

現代の東京に繋がる都市の原型が形作られた時代と言っても過言ではなく、今にも通じるモダンなライフスタイルの萌芽を見て取ることができます。(公式ホームページより)

関東大震災から第二次世界大戦までの約20年。

余談ですが、現在放映中のNHKの朝ドラ『エール』も、今ちょうどこの頃のお話ですね。『船頭可愛や』の発売が1935(昭和10)年なんですよ。ストーリーはもちろん、出演する皆さんの衣装やインテリアも好きで、楽しく観てます。

資料群は、旧朝香宮邸の本館ではなく、渡り廊下でつながっている新館の展示室に並んでいます。
江戸東京博物館や東京都現代美術館、東京都写真美術館が所蔵する、当時の新聞・木版画・雑誌・写真などや、家具、着物も展示されていました。

点数はそれほど多くないので、所用時間は本館・新館とぐるっと巡っても1~2時間くらいでしょうか。

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◎素敵!大正・昭和の木版画たち

江戸時代の浮世絵も素敵ですが、明治~昭和の頃の木版画が特に好きです。新館の展示では、思いがけず多くの素敵な木版画が鑑賞できました。

磯田長秋『大正震火災木版画集』(1923)
タイトルの通り、関東大震災後の街の様子を記録した木版画集です。
1点だけの展示でしたが、そうか、木版画での記録も残ってるんだ、と、少し驚きました。

『新東京百景』(1929~1935)
震災から復興していく東京の街並みを、5年もの間、8名の版画家が描き続けた版画集です。色使いや人物の描写など、ノスタルジックで可愛くて、まとめて観てみたいなぁと思いました。

検索したら3年前に東京都美術館で企画展をしていたようです。しかも無料で!知らなかった・・・!また観たいなぁ。
展示室には、東京都美術館が開館した経緯についても紹介されていました。

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◎やっぱり素敵!旧朝香宮邸

旧朝香宮邸は、フランス・パリ滞在時に目にした『アールデコ』に魅了された朝香宮ご夫妻が、フランスから職人を招き、日仏合同で作り上げた建物です。

有名なのは、ルネ・ラリックのレリーフや、このオブジェ「香水塔」ですね。

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でも、これだけじゃないんです!!!
タイルとか壁紙とか、もうすみずみまで、こだわりがたっぷりとつまっていて、本当に何度観ても素敵・・・。ためいきが止まりません。

今回、足を運んだのはちょうどお昼ごろ。
窓から見えるお庭のグリーンや、日差しが差し込むお部屋の雰囲気は、ここだけ時間がゆっくりと流れているような感覚になります。

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企画展を行っていると、館内は撮影NGということも多いですが、この建物公開展は、本館内のみ撮影OK。(動画はNGです)

じっくりたっぷり、すみずみまで館内を鑑賞して、素敵ポイントをあれこれ撮影しながら楽しんでみてはいかがでしょうか。

個人的には、家具や照明、タイル類がとてもツボです。

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戸棚にさりげなく置かれた香合(?)も、素敵でうっとり・・・

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2階では、当時撮影された、貴重な白黒の映像が鑑賞できます。

こちらをたまたま観ていて、びっくり!
竹橋の東京国立近代美術館工芸館だった建物が出てきたのです!!!

もう閉館してしまいましたが、工芸館は元々、「近衛師団司令部庁舎」でした。朝香宮鳩彦王は、陸軍大将でしたので、お仕事場だったんですよね。


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◎旧朝香宮邸のことをもっと知るには?

公式ホームページには、たっぷりと解説が掲載されています。

お部屋に飾られた所蔵品の数々も、こちらで楽しめます。

また、新館にあるミュージアムショップでは、美術館を解説した書籍もいろいろと販売されていますので、ぜひ手に取ってみてください♪

ちなみに私、この日は『旧朝香宮邸のアールデコ』を持参しました。写真たっぷり・コンパクトにまとまってておすすめの一冊です♪

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◎お時間に余裕があれば カフェ&レストランもおすすめ

あーんまり知られてないかもしれませんが、庭園美術館には、とても素敵なカフェとレストランが併設されてます。

美術館から歩いて目黒や白金に行けるので、素敵な飲食店へハシゴも良いですが、美術館の余韻にそのまま浸れるこちらのお店もおすすめです。

新館にあるのが、大きな窓からお庭を眺めてまったりできる「カフェ 庭園」。

また、チケットなしでも入れるのが、フレンチレストラン「レストラン デュ パルク」です。※現在、カフェタイム以外は要予約制


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◎お出かけ前にご確認を!

今回、チケットの事前予約制などは行われていません。
ただ、感染症対策のため、いくつかのルールがありました。
(チケット購入時、これらのお願い事項が書かれた紙も渡されます。)

・敷地に入ってすぐ、チケット売り場の前で非接触で検温
・マスク着用必須
・ロッカーは使えるけど、要手指消毒・自己責任で
・混雑時は入館制限あり
・館内は一方通行 / 立ち入りNGの場所もいくつか  などなど

館内はこれまでよりも多くの係員の方がいらっしゃる印象でした。

すいている時間帯だったこともあって、鑑賞には特に不便もなく。

ただ、ロッカーに預けた荷物は、一度、新館からお庭に出て、改めて本館の入口から入館する、というひと手間が必要です。

いずれにしてもお出かけの際は必ずこちらをご覧ください。


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今回の展覧会は、9月下旬まで会期が延びました。できればまた訪れたいなぁと思っています。

出かけてみて実感したのは、これこそ、美術館に直接足を運ぶ醍醐味!ということでした。皆さまも、非日常を体感しに、ぜひ!

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