見出し画像

芸術史で時空と世界を旅する日常

大型連休が始まり、普段の仕事が止まっている今、私は過去にないくらいに、毎日、学ぶことに没頭しています。
10代の受験の頃以上に頑張っている、かもしれないです・・・。
まさか、自分にこんな日が来ようとは。人生何が起こるかわかりませんね。

昨年4月に編入した通信制大学。2年目の春期が4月から始まりました。
すでに1本レポート提出を終え、先月末からは「芸術史講義」に取り掛かり始めました。

WS科目って何?

私が学ぶ通信制大学には、4つの授業形式がありますが、「芸術史講義」は”ウェブスクーリング科目(WS科目)”にあたります。

まず、教科書や参考文献で自学しつつ、インターネット上で動画教材を視聴します。動画は、いわゆる60分とか90分とかで先生がずっと喋る、みたいな講義形式ではなく、メインは教科書を元にした自学です。動画1本につき3~4分前後×5本+選択式のミニテストで1章分。

これを15章全て、教科書1冊分学び終えたら、レポート課題のお題が登場します。
締切までに執筆・提出が完了すると、後日、担当教授から受講者全員に向けて、レポート講評が動画で配信されるので、期限内に視聴
個別の採点を確認し、基準点を超えていれば単位修得となる科目です。

締切に間に合いさえすれば、日々進めるペースは自分次第。日常の中で時間を見つけながら、自分の理解度に合わせて進められます。

・・・・・・・・・

良く出来てるよ!動画教材

1本あたりの動画教材が短い理由は、スキマ時間でも視聴しやすいように、という、社会人が多い通信制ならではの配慮です。短くてもポイントは完結にまとまっているので、テーマごと復習するのにも便利。

しかも、良く出来ているのは、1本ずつ確実に全部視聴しないと、次の動画の再生画面が開けない仕組みになっているところ!ズルできません・・・
動画の内容を理解できてなければ、ミニテスト全問正解=合格にも、ちょっと手間がかかります。そう簡単には次の章に進めません…
当然、15章分全て観終えないと、レポート課題のお題も分かりません・・・動画1本は短いとはいえ、やはり、さくっと終わるようなボリュームではありません。

・・・・・・・・・

そもそも「芸術史講義」って何?

ざっくり言うと、歴史+芸術の歴史を知る科目です。
様々な芸術作品や人物を切り口にしながら、日本史や世界史をもう一度やっている感覚です。

取り掛かってみて、10代の頃に芸術史の切り口で授業受けてたら、絶対にもっと歴史好きになってた!!!と悔しく思うほど、とても面白いです。
いかに今まで知らずに(もしくはすっかり忘れて)生きてきた事が多かったか、を実感。新たに(もしくは改めて)知ることがこんなにも面白いのか!と、すっかりハマっています。

そもそも、通信制の芸術大学で学ぼうと思った理由の一つが、興味の赴くままに様々な展覧会を巡るうち、あまりにも歴史を知らなすぎる自分に気づいて、
”改めてちゃんと芸術史を学びたい!”と思ったから
だったんです。
そりゃ楽しい訳ですよね。

10代の頃とは明らかに学びへのマインドが違っていますし、歴史って面白いんだなぁと、今さらですが、驚いています。
史実なんだけど、物語を読んでいる感覚に近いかもしれません。

・・・・・・・・・

日本史と中国史をまとめて履修中

今は、縄文土器から鎌倉時代までの「日本1」と、紀元前から明清時代までの「アジア1」を並行して進めています。

なぜ、よくばって2つ同時並行か、というと、
日本史と関連させながら、中国の同時代はどんな状況だったのかを学んだら、双方で理解が深まるかなぁと思ったから。

元々、日本美術は興味があって好きだったので、日本史も何となーくわかることが多かったものの(というか、高校は日本史をとってたんですが…)、中国史はこれまで、ほぼ全く興味がありませんでした・・・。
『三国志』、『西遊記』、『兵馬俑』・・・?
恥ずかしながら、名前を聞いたことはあるけど、何が何やらさっぱりだったんです。

中国美術のはじまりは、紀元前7,000年頃
日本で言えば、有名な≪火焔型土器≫が縄文中期の紀元前3,500~2,500年頃のものなので、このずっと前、早期の縄文土器が出てきた頃にあたります。

だいたい同じ時期を学ぶように履修を進めていくと、アジア1で先に学んだ言葉たちが、日本1でも登場する、といった風に、予習復習だけでなく、双方のつながりがより立体的・多面的に感じられてきました。
これ、なんだかとっても新しい感覚で、思った以上に面白くなっています。
こんな自己流の学び方ができるのも、この大学のメリットかもしれません。

ちなみにそれぞれ3と4まであって、こちらは文学や演劇・舞台芸術などを古代から近代まで学ぶ科目になっています。

・・・・・・・・・

時空を超えて、想像する面白さ

芸術史を学んでいて、私はつい想像するんです、何千年も何百年も前、この教科書に出てくる時代を生きていた人たちのことを。
もちろん、時代によって価値観は全然違うかもしれませんが、例えば、『源氏物語』が読み継がれるように、月や星、花を見てきれいだと思うように、現代を生きている私たちと、感情の部分では根本的に変わらないこともあるのでは、と思うのです。

なので、歴史上の出来事に対しても、”この時、この時代の人たちはどんな気持ちだったのかなぁ”と想像すると、なんだかふわーっと世界に奥行きを感じて、より面白くなってきてしまいます。

・・・・・・・・・

例えば、日本に仏教が伝わった頃。飛鳥時代ですね。
はるばるインドから、南朝(中国)、そして朝鮮半島の百済という国を経て、ついに日本に経典や仏像が届きます。

当時の日本はまだ、埴輪です。素朴な土の焼き物しかなかったようなところに、いきなり人間の姿にとても忠実で、細かーい飾りや、布をまとった感じがとってもリアルな像が、海を渡ってやって来たんですよ。
しかも金属なんて見たことないから、金剛仏像なんてもう、キラキラピカピカしてるし、落としても割れないくらい固いし、これ何でできてるんだ!?なんて大騒ぎだったのでは。
もうとにかく、仏教すごい!仏像すごい!文明めちゃくちゃ進んでる!!!と、ものすごいびっくりしたことでしょう。

こんなふうに、いつもよりもちょっと(だいぶ?)豊かに、”想像の翼”を広げてみるだけで、遠い昔の出来事も面白くて身近に感じませんか?
ひたすら引きこもる毎日ですが、こうして元気に、没頭できることがある幸せを感じる日々です。



この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

記事を読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは書籍購入などに使わせていただきます。何よりそんな広く優しい心をお持ちの方には きっといいことがあるはず✨メッセージも合わせて書いていただけたら必ずお返事いたします✏︎