未来の話をしよう① 農業人口推移からみるちょっと自給という生き方
自宅におこもりしながら、やっぱり自然に寄り添った生き方が良いよなぁ、食は大切だよなぁ。そうしみじみ感じている人は多いのでは。私は土に触れたくてうずうず。
この状況は、世界が変わる前触れなのかも。何が本当に必要なのだろうと、振り分けられる時期に来たのかもしれない、とポジティブに捉えてみる。
そこで未来について考えてみたとき、
農ある生活が、鍵を握っている予感がするのだ。
では果たして今の日本の農業の現状はどうなっているのだろう?
きっかけは、昨日の朝の伊勢すえよしの田中佑樹くんとのあれやこれやの食談義。
もしも今回のコロナショックの影響で、農家さんの卸先が一時的に減り(給食や社食や大箱)、持久力もたず高齢化した農業者が、もう年だしこれを機にそろそろ辞めるかねぇと職を手放したなら、食料自給率はどうなるだろうか。輸入に多くを頼らなければならないシナリオになってしまうかもしれないのでは。
ここから興味が湧いた。そもそも一体、
農業人口は今どれくらいいるのだろうか
減っているというけれど本当なの?かどうか調べてみた。
(慣行農法や有機、自然農との括りはせず、一括りにした場合。)
農林水産省の報告によると、
農業従事者は平成31年の時点で、
168.1万人
うち65歳以上は118.0万人(つまり65歳以下は50.1万人)
7割が65歳以上ときたもんだ。
ちなみに平成29年の新規就農者は55.7千人
経年変化を見て行くと(参照1)、
新規就農は5~6万人くらい毎年いる一方、
既存農業従事者は10万人ずつくらい減っている。
このペースでいくとすると、
毎年5万人増えると10年後には50万人増。
毎年10万人減ると10年後には100万人減。
なんなら、65歳以上の人たちは10年後に75歳となり、もう現役引退しているか引退間近か、ということを仮定して、
つまり118万人が0人に。
そうなると10年後はどうなるかというと...
現役168.1万人-引退118万人=50.1万人。
新規就農50万+50.1万=100.1万人
10年後には168.1万人→100.1万人に減少するということになる!ぎょ!
20年後30年後もこの流れだったら大変。
日本の人口を支えていけるのかしら...
人口に対してどれくらいの農家さんがいるのだろう?
農家さん1人あたり、一体何人の人口を支えているか
単純計算してみる。
まず日本総人口推計を見てみる。(参照2)
令和2年2020年、人口は1億2595万人。
うち、48.2%は65歳以上。
2019年では、出生数より死亡数が越える自然減は、51万2千人。(参照3)
このまま毎年50万人減のペースでいくと、
10年後は500万人減っているかもしれない。
そうなると2030年、人口は1億2000万人。
((参照4)こちらでも2030年は119125人と推測されている)
ちょっと調査年はずれているけれど、概算として参考までに、
人口1億2595万人を農業従事者168.1万人で支えるとしたら、
約74人を1人の農家さんが支えているということになる。
では10年後、
人口1億2000万人を農業従事者100.1万人で支えるとしたら、
約120人を1人の農家さんが支えるということになる。
では20年後だったらどうか、
人口1億1500万人を農業従事者50万人で支えるとしたら、
230人を1人の農家さんが支えるということになる。
こ、これはヘビー級なのでは..
20年の間に、3倍の人を支えていかなくてはいけないことに!
つまり
あくまでこれはざっくりとした数字だけの概算だけれども、人口が減って、農業従事者も減り、どっちも減るのだからいいじゃないかというわけでは無く、みんなの胃袋を支える農家さんの負担は増えていくのではと予想される。
おいおい20年後って私まだ50代よ。
どうなってしまうの農業界?
子どもたちの未来のためにもどうしたら良いのだろう?
(愛媛 大島農園のかぶ)
そこでどういう方向に持っていくか
農業人口減少を止めるためにどうしたら良いか。
もちろん農家さんが増えるのはとても良いことだから、自然に寄り添った考えの農家さんが増えると良いし、ちゃんとそうした職の価値が高まる世の中になってほしい。
では単純に、フレーフレー就農!とするのか、生産性を上げるために、農業の機械化?AI?水耕栽培?うーん。でも自然に負荷が大きいのはちょっとなぁ。
対策の選択肢は色々あるかもしれない。
が、私がこれいいんじゃないかしら!と思っているのは、
ちょっと自給という選択
完全自給自足ではなく、半分だけ。ちょいとだけ。
完全消費の生活よさようなら〜。
生み出す側に、回ってみてはどうだろうか。
先の計算でいくと、
農家さん1人あたり人口を230人を支える未来。きっとこれはしんどい。
でも、
私は自分で野菜も育てていますよ!が当たり前になったら。
230人が半分自分で食料を作れたとしたら、230÷2で
農家さんは115人を1人で支えることになる。
私は農作業のサポートを定期的にするよ!が当たり前になったら。
115人を農家とサポーター2人で支えることになって、
農家さん1人あたり66人を支えることになる。
どうかしら?
これからは、食と農。畑仕事をしている人が、何としなやかで強く見えるのだろう。さらには生きる力をつけるには、もってこいのトレーニング。
(千葉 Kurkku fields で種芋を植えた時)
豊かさとは何だろう
コロナショックで考えさせられた人は多いのでは?
買わなきゃ無いわ、という状態、それに対して不安になる。お金がいくらあっても食べ物なければ生きていけないわよという現実。生きる力でも書いたけれど、
現代人、生きる力、だいぶ無くなってたんじゃなかろうか?
私は都内にて自宅待機2日目ですが、あぁ、もしこれが近くに畑があったなら、ちょいと人参掘ってくるかな、菜の花摘んでくるかな、って思えるんだろうなぁとしょんぼり。
畑から食材を収穫して、それを料理するとき。ガーデンからハーブを摘んで、それをお皿にのせるとき。その時に、あぁ、最高に豊かだなぁ、といつも思うのだ。
当たり前だと思っていた生活システムは、果たして正しいのだろうか。
だから、今こそ地に足をつけませんか?
農業人口が減少していることと、
偏った消費社会への疑問、
それが合致した今こそ。
ちなみになぜちょっと自給かというと、他の仕事をしながら完全自給は大変だし、消費を完全になくす必要はないと思うから。(それに完全自給なら農家さんの仕事がなくなってしまうもの、餅は餅屋である。)
では早速菜園を始めましょうか。
といって、都会には土地は無く、いきなり畑を始めるのはハードルが高い。
ではどうするか。そこで、次の記事に続く。。。
(参照1)農林水産省 農業労働力に関する統計
(参照2)総務省統計局 人口推計
(参照3)厚生労働省 人口動態総覧
(参照4) 国立社会保障・人口問題研究所
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