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多くの企業経営者から絶大な支持がある非営利組織論の本


~非営利組織(P.F.ドラッカー著)には未来の組織マネジメントの答えがある~

ドラッカーのこの本は

無題

内容が非営利組織論であるにも関わらず、
多くの企業経営者から絶大な支持を得ています。

その理由は、売上至上主義にかたよった経済のあり方に
疑問を感じていた経営者が
この本に答えを見出しているからだ、と
私は推測しています。

私は、あくまでも
経営者目線でこの本を引用しながら自身の失敗や経験について記事を書いていこうと思います。

願わくば
成果の指標が「売上」という形で明確に
表れないNPOの組織運営を行う人にも
このマネジメントを
理解してもらえたらなぁ。と思います。

その理由は、非営利組織の向こう側に
次世代組織の答えがあると考えているからです。


私は20年前にNPOを設立した経験があります。
その組織の理念は「母という役割を大切にしながら働ける場所を創る!」
というものでした。
当時、能力もあり資格や経験もある女性が結婚出産を機に
仕事を辞め、子育てに専念するがしだいに自分らしさを見失い孤立して悩むケースが話題になりました。

私も当時2児の母でした。
仕事と家庭のバランスに悩み会社員を辞め起業したばかりだったため
彼女らの悩みが他人ごととは思えず、NPOを立ち上げたのでした。

NPOの組織運営は手探りでしたが
スタッフに恵まれ
10年後には3店舗、30人の常時スタッフを抱えるコミュニティビジネスに成長することができました。

ところが、順風満帆と思えた矢先
私はその組織から1人追い出されてしまったのです。
"実績" "看板" "肩書き" "組織" "仲間" "お金"
すべて失ってしまったのです。

ゼロから立ち上げた組織なのに…。
なんでこんな仕打ちを受けなければならないのか?

私は挫折と失意で人間不信になり
毎日自宅に引きこもり、うつ状態になりました。

この苦い経験の直後に出会ったのが
P.F.ドラッカーの本でした。

学んでいくうちに、なぜ私が失敗に追い込まれたのか、
すべての答えが彼の本に書いてありました。

もっと早くこの本に出合っていたら・・・
と、自分の未熟さを深く反省しました。

10年間手探りで行動し、失敗してきたからこそ
ドラッカーの伝えたかったことが私なりに少しずつ理解できるようになりました。

そしてマネジメントを成功させるには
外してはならない「王道のルール」があることを知りました。

さらにドラッカーの本で驚いたことは
こうした「マネジメント」は企業の社長など一部の人が行うだけではなく、
「あらゆる個人が経営者のように自己マネジメントする時代が来る」
と書いてあり、びっくりしました。

その当時は、普通の人たちが経営者のような考え方なんて本当に必要になるんだろうか?と不思議に思いました。


ところが昨今、コロナウイルス禍や働き方改革によって
主婦やサラリーマンが副業、起業する大きな動きが始まっています。
会社や家族に依存するのではなく個人が自己マネジメントせざるを得ない環境に置かれています。
まさに、ドラッカーの予言の通りに時代が動いています。

多くの人が自立志向を持ち自分の道を歩んでいくことは良いことです。

しかし、王道から外れれば私のように失敗し深い挫折の中に人は落ち込んでしまいます。
起業家に十分な社会保障が整っているとはあまり思えません。

失敗した時、彼らはどうなってしまうのでしょうか?


このままでいいのか?
立ち上がるべきじゃないのか? でも、私のような失敗し未熟な人間が人にものを教えてもいいんだろうか?
何カ月もこの葛藤で苦しみました。

「私と同じ苦しみを二度と他の人に味わわせたくない!!!」
という気持ちで最後は迷いをふりきりました。

私はまず女性向けの起業プログラムを提供していきました。

ところが始めてみるとあまりにも「根」が育っていない人が
多かったのです。
このことには驚きました。

・お金を目的にビジネスを始めて壁にぶち当たっている人
・「夫に負けたくない」だけでビジネスを始めようとする人
・自己肯定感が低く自分の価値や魅力がわからないでいる人
・いつも誰かが答えを教えてくれると思っている人

こうした方たちにもわかりやすく王道を理解してもらえるように
改善を重ね、プログラムはきめ細かく汎用性のあるものとなっていきました。


「心の構造や扱い方、自分との対話の仕方を知り、
幸福感の中でオリジナルビジネスを提供する本物の起業家を輩出したい。」
という信念がありました。
だから、とても試行錯誤が多かったと思います。

そんなある日、中小企業の人材育成にもこのプログラムを提供できないか?
と問い合わせがありました。

「個」の時代に突入している今、企業も変わろうとしていて、
指示待ち人間よりも自ら積極的に動く人材を欲しがっている。
しかし、かといって企業の体制も変われないでいる。

何か起爆剤となるようなプログラムはないものか?
という企業の方のお悩みに答えるため
組織にも対応できる人材開発プログラムを提供するLMA協会を立ち上げたのでした。

今は、企業様向けに経営層向け・中間管理職向け・社員向けとそれぞれの対象者ごとに組織変革のセミナーやワークショップなどを実施させてもらっています。

ドラッカーは晩年多くの時間を非営利組織のマネジメント支援に捧げました。

その理由はドラッカーが
新時代の企業マネジメントのヒントはNPO(非営利組織)にあると認識していたからでしょう。


また、NPO(非営利組織)も変化を迫られるでしょう。
人口減少・税収の減少により政府補助金は年々少なくなっていきます。補助金だけに頼らず自立し持続可能なNPO運営を行うヒントは企業のマネジメントの中にあります。

現在の企業経営で欠けている部分をNPOに学び
NPOが欠けている部分を企業経営から学び
お互いが学び発展できるといいな、と思っています。

企業経営も起業もNPO経営も
根底では同じ目的を追求しています。

それは、人を幸せにする。という目的です。

人を幸せに豊かにするために、理想を描き幸せに豊かに働く人たちがたくさん増えていってほしいです。
なぜならこうした人たちがたくさん増えると
資本主義経済に代わるスタイルが現れ(私は理念主義経済と呼んでいます)新しい時代の常識を創造していくと思うからです。

ドラッカーの
本はあくまでもお手本の理論書。
私たちは経営者、起業家です。


実務者として
現場で試行錯誤する者として
ドラッカーの非営利組織を
みなさんと一緒に学んでいけたらと思います。



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