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婚喝ノート その57 息子らが捜し求めた「かもめ食堂」

  婚活コーディネーターの荒木直美です。婚活イベント自粛中につき、空いた時間でこれまでの仕事経験を整理していたら「かもめ食堂」のDVDに目が止まりました。このDVDは私の宝物で、苦しい時に私を救ってくれたものです。

 あれは8年前のこと、人生最大の危機が私を襲いました。この先もっと大きな危機に見舞われるかもしれませんが、その時点では最大でした。体重も10キロ以上落ち、気力もダウン、夜も眠れず、どん底に落ちていた時、なぜかわかりませんが「かもめ食堂」を見ると心が落ち着いたのです。物語をご存知の方はおわかりになると思いますが、よくある「幸せの見つけ方」みたいなタイトルの明るく希望に満ち溢れた映画というより、かなり静かなトーンの映画で1人の女性がたんたんと丁寧に自分らしく生きていく話です。この映画の何が私に安らぎや元気を与えてくれたのか今でもわかりませんが、レンタルビデオ店に通い、1週間の期限が過ぎたらまた借りなおすの繰り返しで2か月くらい毎晩見続けました。もちろん家事育児が終わってからなので、寝る前の12時くらいにこっそり。ただ、なんとか持ちこたえる薬は見つかっても、なかなか抱えている事情は好転せず、私は毎日落ち込み続けていました。それでもなんとかかんとか生活をしていたある日、私の誕生日がやってきました。家族で食事をしていたら、中学3年の息子たちが照れ臭そうに「はいコレ」っとDVDをプレゼントしてくれたのです。タイトルは「かもめ食堂」。「え?なんで」と聞くと、「これ好きなんでしょ。飽きずによく見てるもんね。なかなか見つからなくてさ、自転車で4軒以上お店まわったよ、(笑)」と息子たち。そこからは涙が止まらず、ひたすら感謝。私のキツさは家族にバレバレでした。

 人生万事塞翁が馬、辛いことに思えてそのおかげで意外にも嬉しい出来事がおこる。息子たちからの思いがけない贈り物は一生の宝物です。こうして一本のDVDをもらった私。「辛い」に一の漢字を足すと「幸せ」になる。文字通り、その後、辛い事情は解消されました。このDVDを久しぶりに手に取るということは、ありがたいことに私、今幸せなのでしょうね。感謝です。

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