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出直し金読本

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「はじめての金読本」のコンテンツを見直し、金(ゴールド)の基本や付き合い方をおさらいします。専門的な用語は使いません。マーケットの動きについても必要な場合を除いて触れません。そも…
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2018年6月の記事一覧

出直し金読本011 時間を味方に

出直し金読本011 時間を味方に

 「出直し金読本」は、金をヘッジ資産(=将来の万一に備える保険的な役割をもつ資産)と考える立場に立っています。ですからここで想定しているのは現物取引に限り、先物取引は扱いません。なぜなら先物取引は一般個人向けとは言い難いからです。 先物市場は、将来の価格変動リスクをヘッジする(保険をかける)大切な役割を担っています。とはいえ、先物取引というものは、(金を売買するものではなく)将来の金価格を売買する

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出直し金読本010 10年は保有

出直し金読本010 10年は保有

 短期の利益を追うのか、資産の保全を考えるのか。どちらを求めるかによって、金との付き合い方には大きな違いが生まれてきます。
 あくまでも短期の利益を追いたいというのであれば、わざわざ金地金や金貨といった現物を売り買いするのはヤボというもので、金先物=将来の金価格を売り買いすればよいことです。それなら投資資金の何倍もの取引ができますから、予測が当たれば儲けはドンと大きくなります。ただし予想が外れれば

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出直し金読本009 万一の備え

出直し金読本009 万一の備え

 金は利息を生むことがありません。配当という果実をもたらしてくれることもありません。そのため現在のようにドルの金利がゆるやかに上昇する局面においては、ドル建て金価格は、どうしても軟調になります。金の最大のデメリットは、「金利に弱い」という点です。 したがって、もしも世の中が平和で政治や経済も安定していたとしたら、金はたちどころに出番を失い、大きく売り込まれても不思議ではありません。ところが、大方が

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出直し金読本008 国際価格と国内価格

出直し金読本008 国際価格と国内価格

 金は、太陽の動きを追いかけるかのように、世界のどこかの市場で取引が行われています。シドニー、東京、香港、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークという具合に、時差を追って取引は受け継がれていきます。インターネット上の取引が主流になった現在では、「NYグローベックス」という電子取引システムがほぼ24時間稼働しており、金価格は、休日を除いて、ほとんど眠ることなく動いています。 ところで、一般に金価格と云

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出直し金読本007 老後の資産

出直し金読本007 老後の資産

 人生100年時代という言葉を耳にするようになりました。キッカケとなったのは「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)〜100年時代の人生戦略〜」(リンダ・グラットン&アンドリュー・スコット共著)の出版にあるわけですが、なんとなく唐突感が拭えないところがあります。政府主導で声高にアナウンスされているところに違和感を覚えている人も少なくないはずです。ほんとうに人生100年時代は到来するのだろうか、と。

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