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イングリッシュ・ブレックファースト

「コッツウォルズ食と歴史の旅」
世界中どこでも、その地のもので美味しいものがあります。
美味しいだけではなく、器も、食べかたもそれぞれの国で、受け継がれてきているものがあります。


イギリスと言えば、しっかりと朝食を食べる国。
フル・イングリッシュ・ブレックファーストは今でもよく聞きます。
お皿の上には、スクランブルエッグや目玉焼きなどの卵料理と、ベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズ、マッシュルームのソテー、それから焼きトマト。パン。

この日は、ベイクドビーンズなしでいただきました。

とても高カロリーな朝食、実はその歴史は長く、14世紀ごろまで遡ることができるそうです。
イギリスの伝統的なカントリー・ライフスタイルの守護者であり、自らをアングロサクソンの文化的継承者であると考える、ジェントリーと呼ばれるイギリスの組織まで遡ることができるとか。

ジェントリーは、「高貴で名高い血筋」を持つ人々、地主、長い家系を持つ「上品な」家系からなる独特の社会階級と考えられており、この特権的な社会層には、聖職者の上級会員や侯爵家の親族も含まれていた。

   

そして、貴族たちは、伝統的なアングロサクソンの田舎暮らしの習慣、価値観、文化、料理を守り続けることが自分たちの義務だと考えていたのだそうです。

このような朝食は、「おもてなし」として、家にやってくる人たちに振舞われていたようです。ハンティングへ出かける時など、しっかりと食べ、お腹を満たし出かけたのでしょう。

滞在したホテルでは、Eggs with Soldiers エッグズ ウィズ ソルジャーズ
というものをいただきました。

これは比較的新しいメニューで1960年ごろから始まったらしいです。


トロトロの黄身をたっぷりつけていただきます。


細く切ったパン。ソルジャー(戦士)という。
我が家のエッグカップとエッグトッパー


egg topper 
卵の頭にかぶせて、丸いボール部分を上にスライドさせて、落とす。数回繰り返すと卵にヒビが入り、殻がむける。

イングランドの偉大なカントリーハウスは、属領が所有し、広大な領地の中心であり、地域社会の重要な拠点であり、狩猟前の朝食は非常に重要な社交行事と考えられていた。

 From: The History of the English Breakfast Tradition

なるほど。イギリスでの朝食にこんな意味があったとは。
もちろん一般家庭ではここまで朝から準備していただくということはないようですが、お客様がみえた時など、こんなおもてなしをするのでしょうね。

ちょっと真似してみようかな。

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