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ポプラの秋 懐かしい物語

 久しぶりに「ポプラの秋」
の小説を読みました。
読むうちに映画のシーンが鮮やかに浮かんできました。 

小説も映画も、心に沁みる人の温もり、日々生きていくことの大切さを気づかせてくれます。

小説は湯本香樹実。
映画は2015年公開。
大森研一監督、脚本。

主役の千秋、8歳を本田望結
      大人を村川絵梨
大家のおばあさん 中村玉緒
   千秋の母  大塚寧々
    佐々木  藤田朋子
    西岡  宮川一朗太
           他

千秋は父を突然に亡くして、気力を失ったような母と、
大きなポプラの木に惹かれて、ポプラ荘という3部屋しかないアパートに住むことになった。

階下の古い家の大家さんは80歳の不気味なおばあさん

熱を出した千秋は、結婚式場に就職した母の頼みで、おばあさんの家で病気中を過ごすことになる。

怖いと思っていたおばあさんと、少しずつうち解けていくようになる。
父が死んだことが受け入れられずにいる千秋に、
おばあさんは、天国に手紙を届けて上げると言う。亡き人への手紙をタンスの引き出しに預かっているのだと。はさ

千秋はおぼつかない言葉で父に手紙を書くようになり、おばあさんに預けた。

アパートの住人の、独身の女性佐々木さんやタクシー運転手の西岡さんとも親しくなって、焚き火でお芋を焼いたり
千秋は元気になっていく。

母の再婚でアパートを出てから10年後、
佐々木さんからおばあさんが亡くなったと知らせがきた。

看護婦になっている千秋は久しぶりにポプラ荘を訪ねた。
佐々木さんと西岡さんに再会する。

おばあさんのお棺にはたくさんの手紙が入れられてあって、多くの人が焼香に集まっていた。千秋の父への手紙もあった。

佐々木さんが、千秋の母から預かっていたという、手紙を
手渡された。

それは、母が父に宛てた手紙だった。父の死は事故ではなく自殺で、幼い千秋には言えなかったとあった。

今にして、母のショックと喪失感に思い至った千秋。
これからしっかり生きていかなくてはと思うのだった。

小説も映画も、千秋か新たな気力で生きていくところで
終わっている。

おばあさんは不思議な不気味な人に描かれているが、実は情が深い人。 
 映画では中村玉緒が、どこかとぼけているおばあさんを楽しそうに演じていた。

誰しも、何かしら、辛いこと悲しいことを持っている。
それだからこそ、人と人の触れ合いが身にしみる。

そんなことや忘れていた懐かしさを思い起こす小説であり、映画でした。 

私も亡き人に手紙を書きたくなりました。 
書くことは自分の気持ちを表現して伝えること。書くことを心がけたいと思います。

小説は新潮社文庫。
映画は動画配信、
DVDがあります。



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