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畑セラピー

貸農園の小さな畑のある暮らしを始めて4年目。

新しい場所や刺激的な出会いに少し疲れたとき、大変なことがあって心がへとへとになったとき。そんなときこそ、最近は畑に行く。どんなにしんどくても、畑にたどり着けばそこには、いつも変わらない”普通”の時間が流れている。

管理人さんや、いつものお隣さんたちが、作業の手を止めふんわりと挨拶をしてくれる。先日植えた野菜が少し、成長している。雑草も少し、生い茂っている。畑は季節にあわせて次々に色を変える。そんな様子を眺めながら、畑の中を進む。自分たちの畑に座りこみ、サンドイッチをひろげて食べ終わるころにはもう、土のエネルギーが心と身体を癒しはじめてくれている。

身体が少し軽くなったら、草にまみれて足元の雑草を無心で手入れ。ほかの方の畑を見ては、「きれいに育っていますね~」と声をかけたり、かけられたり。そんなことをしているうちに、笑顔を取り戻している。

たわいない話だけでなく、たまには話しこんで悩みを聞いてもらったりもする。同じような悩みを実は抱えていたり、思いがけない共通点が見つかったりする。いつでも、飾らない優しさで接してくれるその感じはまるで、畑の植物たちのような大らかさ。畑の土はきっと、野菜も人も、育てているのだ。そして私はその、人や野菜に触れることであっという間に元気になれる。

畑を出る頃には、来るのが億劫なほど疲れていたこと、イライラしていたこと、落ち込んでいたことなどをすっかり忘れて、"普通に"疲れて家路についている。きっと今日もよく眠れる。


読んでくださってありがとうございます。植物を暮らしの中で楽しむ方法を、絵や文章を通して発信していきたいです。それが回りまわって、”自然”と”人”を守ることに繋がればと思います。まだまだ未熟ですが、サポートしていただけると嬉しいです。