前芝尚子

アメリカ在住35年、演劇歴30年。1989年にアメリカに移住して以来、日本とアメリカを…

前芝尚子

アメリカ在住35年、演劇歴30年。1989年にアメリカに移住して以来、日本とアメリカを行ったり来たりする中、歴史、文化、モノの見方の違いを痛切に感じ葛藤の日々を送りながら、自分の自然を生きる術を探り続ける。naokomaeshiba.com

マガジン

  • 自分を探る〜セルフイメージ

    自分が自分に対して抱いているセルフイメージについて、考察しています。

  • 自分を通して社会を見る

    自分は社会をどう思うか、何が問題なのかを、日米両法の社会で生きてきた経験をもとに探っていく。

  • 体、感覚、想像力 ー 人間の持つ可能性

    一生で使う脳のキャパシティは3%。なぜ脳をフルに使うことなく一生を終えてしまうのか?もう一度、体に戻って思考する。

  • 自分を探る〜とらわれのマインド

    考え方や感じ方を見直すことで、マインドのとらわれから自由になる。

  • 自分を探る〜前へ進む

    使い古されたセルフイメージを捨て、マインドの虜から自由になって、前へ進む方法。

記事一覧

ギブ・アンド・テイクと損得勘定

おはようございます。今日も元気でお過ごしでしょうか。 「人間関係は、ギブアンドテイクだから」という人がいます。 「ギブアンドテイクー持ちつ持たれつ」という理念は…

前芝尚子
2日前
2

不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安サイクルから脱出するには、過去に基づく「頭」思考から、今を生きる「体」思考への切り替えが鍵になります。思考を頭から体へ切り替えることで、根源となっている「怖…

前芝尚子
3日前
3

セルフイメージに取り憑かれる

日々の生活の中で、ある種のことに対して、自分がいつも同じ反応をしていると気づいたことがありますか?起こってくることも関わってくる人も違うのに、ある種の言動や行動…

前芝尚子
3日前
2

バイナリー(二元論)思考

私たちは日常、様々なことに対して何かを思い、考え、判断し、行動していますが、その際、知らずのうちに黒か白か、良いか悪いか、こちらかあちらかという二択で選択してい…

前芝尚子
3日前
2

不安は自分がつくりだす(1)

こんにちは。不安定な世界情勢が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 連日のようにメディアでは経済や政治の深刻な問題が取り上げられ、戦争や地震の可能性な…

前芝尚子
9日前
1

本当の恐れ、虚偽の恐れ

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 先日、友人の息子さんの悩み相談を受けました。新卒で会社に入り、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された。その部署…

前芝尚子
10日前
1

ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか。 私達は、日常生活で頻繁にラベルを貼って、物や人、事柄をカテゴリーに入れる行為を行なっていますが、「ラベルを貼った…

前芝尚子
11日前

うまく行ってる時こそ足を地につけて

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 『調子がすごく良い時は、ベストのパフォーマンスができない。』とは、かつて私が教えをいただいていた踊りの先生の言葉で…

前芝尚子
2週間前

うまくいくことがゴールではありません

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか? 一生懸命頑張った後の達成感や、成果が出た時は、大変嬉しいものですね。頑張っている時は、自分の存在に意義を感じ、充実…

前芝尚子
2週間前

オートマチックをやめたら、人生が楽しい

みなさん、こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 この世の中には、オートマチックなものがたくさんありますね。オートマの車、自動式開閉ドア、全自動洗濯機、自…

前芝尚子
2週間前

自分の中が空っぽになった時は、チャンス到来

自分が空っぽになってしまった人。意外とたくさんいらっしゃいます。人のお世話が大好き、喜んでもらえることが嬉しい、それを続けてきて、自分の中がカラッポになっている…

前芝尚子
2週間前

自分を壊すってどういうこと?

こんにちは。そろそろ梅雨の気配ですが、元気でお過ごしでしょうか。 自分を壊す、と簡単には言っても、なかなか至難の技です。今日は自己懐疑を乗り越えて、自分のセルフ…

前芝尚子
2週間前
1

言葉の壁は心の壁(3)

言葉の壁は心の壁(3) こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか? 今日はちょっとオタクな話です。 日本の伝統芸能の一つにに能楽があります。700年近くの歴史…

前芝尚子
3週間前
1

外見と中身がマッチしない悩み

こんにちは。今日もお元気でお過ごしですか? 「本の表紙で中身を判断するな」という諺があります。人の外見と内面は必ずしも同じではないよという意味ですが、皆さんもそ…

前芝尚子
1か月前

自分が信じられないのは何故か

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 私はアメリカの大学や大学院の演劇舞踊科で20年ほど教えていましたが、その間生徒から様々なフィードバックやコメントを受…

前芝尚子
1か月前
1

言葉の壁は心の壁(2)

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか? 言葉には人が現われるといいます。 私は今、帰国子女に英語のライティングを教えていますが、彼らの言葉の選択や使い方…

前芝尚子
2か月前
1
ギブ・アンド・テイクと損得勘定

ギブ・アンド・テイクと損得勘定

おはようございます。今日も元気でお過ごしでしょうか。

「人間関係は、ギブアンドテイクだから」という人がいます。

「ギブアンドテイクー持ちつ持たれつ」という理念は、お互いに助け合う相互関係を指し、理にかなっているように思えますが、果たしてそうでしょうか。 世間を見回すと、どうもある種の「ギブ・アンド・テイク」は、「与えたら受け取れる」「受け取るためには与えよ」というルールに縛られているようです。

もっとみる
不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安サイクルから脱出するには、過去に基づく「頭」思考から、今を生きる「体」思考への切り替えが鍵になります。思考を頭から体へ切り替えることで、根源となっている「怖れ」の実態を感じ、真正面から向き合うことが可能になります。

単に、頭思考と体思考と言われても、ピンとこないかもしれませんね。「体で考えるってどういうこと?」「いつ頭で考えていて、いつ体で考えているのかわからない。」「二つの間を行ったり来た

もっとみる
セルフイメージに取り憑かれる

セルフイメージに取り憑かれる

日々の生活の中で、ある種のことに対して、自分がいつも同じ反応をしていると気づいたことがありますか?起こってくることも関わってくる人も違うのに、ある種の言動や行動に触れると、オートマチックに反応してしまう。 自分ではそうしようと思っていないのに、まるで何かに取り憑かれたように口や手が動いてしまうんです。後で、どうしてあんなことを言ってしまったんだろう?」「そんなつもりはなかったのに」なんて後悔さはす

もっとみる
バイナリー(二元論)思考

バイナリー(二元論)思考

私たちは日常、様々なことに対して何かを思い、考え、判断し、行動していますが、その際、知らずのうちに黒か白か、良いか悪いか、こちらかあちらかという二択で選択していることがあるのではないでしょうか。

もちろん物品の品質などを選ぶ時には、良し悪しの判断も必要となってくるのですが、こうしたバイナリー思考に基づく判断が、人生で起こってくる物事や人に至る時、その本質を見逃してしまうことになりかねません。例え

もっとみる
不安は自分がつくりだす(1)

不安は自分がつくりだす(1)

こんにちは。不安定な世界情勢が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

連日のようにメディアでは経済や政治の深刻な問題が取り上げられ、戦争や地震の可能性などが囁かれる中、先が見えない不安に苛(さいな)まれている人は多いのではないかと思います。情報過多の社会にすむ私達は、何がどうなっているのか知ろうとして、毎日テレビやネット情報に走ってしまうことも多々あるのですが、流れてくる一つ一つのニュー

もっとみる
本当の恐れ、虚偽の恐れ

本当の恐れ、虚偽の恐れ

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

先日、友人の息子さんの悩み相談を受けました。新卒で会社に入り、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された。その部署である資格試験があり、その試験に落ちてしまって、自分はダメだと、それはもう、明日にでも会社を辞めんばかりに、大変落ち込んでいるというのです。

その理由を聞いてみました。まず、彼は、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された時に、自分が劣

もっとみる
ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか。

私達は、日常生活で頻繁にラベルを貼って、物や人、事柄をカテゴリーに入れる行為を行なっていますが、「ラベルを貼った」瞬間に、多大な可能性に自分を閉ざしてしまうことには、なかなか気づかないのではないでしょうか。

例えば、共に時間を過ごす人に、「気の合う」人を選ぶ人は多いと思いますが、その時にラベル貼りをしていないか。

「自分は引っ込み思案だから

もっとみる
うまく行ってる時こそ足を地につけて

うまく行ってる時こそ足を地につけて

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

『調子がすごく良い時は、ベストのパフォーマンスができない。』とは、かつて私が教えをいただいていた踊りの先生の言葉です。これは本当にその通りで、自分がうまく行っていると思っているパフォーマンスほど、観客にはそう伝わっていないことが多いです。当時、二十代だった私は、「調子が良すぎると油断してしまうのだな」ぐらいにしか思っていませんでしたが、今、自分だけで

もっとみる
うまくいくことがゴールではありません

うまくいくことがゴールではありません

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか?

一生懸命頑張った後の達成感や、成果が出た時は、大変嬉しいものですね。頑張っている時は、自分の存在に意義を感じ、充実感もありますし、学校も家族も社会も「頑張る」こと、「達成すること」を奨励しています。私も何十年も、目標設定 → 一生懸命頑張る→ 達成する→目標設定のサイクルを繰り返してきましたが、その過程でいつも感じていたのは、

結果を出すため、誰

もっとみる
オートマチックをやめたら、人生が楽しい

オートマチックをやめたら、人生が楽しい

みなさん、こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

この世の中には、オートマチックなものがたくさんありますね。オートマの車、自動式開閉ドア、全自動洗濯機、自動式コーヒーミル、自動式猫トイレ(猫でなくても)、自動ゴミ箱などなど。自動になればなるほど、手間が省け、生活が楽になると言うのが「自動さ」が進んだ理由と思われます。

確かに便利です。洗濯機だって、二層式から全自動にうつり、乾燥機付きの

もっとみる
自分の中が空っぽになった時は、チャンス到来

自分の中が空っぽになった時は、チャンス到来

自分が空っぽになってしまった人。意外とたくさんいらっしゃいます。人のお世話が大好き、喜んでもらえることが嬉しい、それを続けてきて、自分の中がカラッポになっていることに気づいた。私も経験あります。

あれもやってきた、これもやってきた。努力もした。一生懸命に走り続けてきた。で、エネルギー切れて、憔悴しきっているにも拘らず、走り続ける。ある時、バタンって倒れるんですね。心身がうまく働かなくなる。そこ

もっとみる
自分を壊すってどういうこと?

自分を壊すってどういうこと?

こんにちは。そろそろ梅雨の気配ですが、元気でお過ごしでしょうか。

自分を壊す、と簡単には言っても、なかなか至難の技です。今日は自己懐疑を乗り越えて、自分のセルフイメージを壊し、想像もしなかった自分に出会ったJ君のお話です。

何年か前、『令嬢ジュリー』というアウグスト・ストリンドベリというスエーデンの作家の芝居の主役に、演技の経験がほぼゼロのJ君をキャストしたことがあります。J君は、表面は静かで

もっとみる
言葉の壁は心の壁(3)

言葉の壁は心の壁(3)

言葉の壁は心の壁(3)

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか?

今日はちょっとオタクな話です。

日本の伝統芸能の一つにに能楽があります。700年近くの歴史があるこの芸能では、洗練された舞台で厳しい舞や囃子、演技のトレーニングを幼い頃から積んで、磨き抜かれた技術を持つ能楽師によってパフォーマンスが行われます。

私は2001年から2016年ごろまで、日本の能楽を日本語で行う劇団、シアタ

もっとみる
外見と中身がマッチしない悩み

外見と中身がマッチしない悩み

こんにちは。今日もお元気でお過ごしですか?

「本の表紙で中身を判断するな」という諺があります。人の外見と内面は必ずしも同じではないよという意味ですが、皆さんもそんな体験をされたことがあるのではないでしょうか。外と中は違うかもしれないとわかっていながら、私達は、自分と人の「幸せ比較モード」に入るとき、外の要素を計算して、内面の幸福度を測ってしまうことがあるのではないでしょうか。「お金持ちで、美形で

もっとみる
自分が信じられないのは何故か

自分が信じられないのは何故か

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

私はアメリカの大学や大学院の演劇舞踊科で20年ほど教えていましたが、その間生徒から様々なフィードバックやコメントを受けました。その中でも一番心に残ったのは、『自分を信じることを学びました。』というものでした。この生徒が受けていたクラスは身体の動きが中心になっていましたが、私のアプローチが従来のものと違っていたためか、生徒は少し戸惑っていました。正しい

もっとみる
言葉の壁は心の壁(2)

言葉の壁は心の壁(2)

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか?

言葉には人が現われるといいます。

私は今、帰国子女に英語のライティングを教えていますが、彼らの言葉の選択や使い方を見てきて、言葉は心、体、環境と深い繋がりがあると感じます。俗に「帰国子女」と呼ばれる子どもたちは、何か親御さんの仕事の事情で外国に何年か住み、いずれは日本に帰国することが前提の環境で学んで、生活しています。帰国子女というと、あまり努力

もっとみる