前芝尚子

ソマティック教育者、パフォーミングアーティスト、スピーチトレーナー。アメリカ在住35年…

前芝尚子

ソマティック教育者、パフォーミングアーティスト、スピーチトレーナー。アメリカ在住35年、演劇歴30年。長年日本とアメリカを行き来して、異文化間での葛藤の日々を送りながら、自分の自然を生きる術を探り続ける。naokomaeshiba.com

マガジン

  • 体、感覚、想像力 ー 人間の持つ可能性

    一生で使う脳のキャパシティは3%。なぜ脳をフルに使うことなく一生を終えてしまうのか?もう一度、体に戻って思考する。

  • 表現の力:自分を表現するとは

    アートに見られる自己表現からパブリックスピーキング、日常の会話まで、自己表現の根源について探る。

  • 自分を探る〜前へ進む

    使い古されたセルフイメージを捨て、マインドの虜から自由になって、前へ進む方法。

  • 自分を探る〜とらわれのマインド

    考え方や感じ方を見直すことで、マインドのとらわれから自由になる。

  • 自分を探る〜セルフイメージ

    自分が自分に対して抱いているセルフイメージについて、考察しています。

記事一覧

12の感覚

人間は五感を持って生まれてきていますが、「感覚」と呼ばれるものは、どうやら五つにとどまらないようです。アントロポゾフィスト(人智学者)で教育者のルドルフ・シュタ…

前芝尚子
13時間前

中が外に滲み出る

ふと目にとまった、ニューヨークのある化粧品店の看板。 "Looking Good Feeling Good" 「外を磨くと中も幸せになれる」「いい気分になりたかったら外見をカッコよく…

前芝尚子
15時間前

オリジナリティとは何か〜アルベルト・ブッリの作品に出会って

何年か前に、グッケンハイム美術館で出会ったアルベルト・ブッリの作品は、衝撃的だった。 ブッリは、その物質感、立体感のある作風で知られるイタリアの抽象画家。軍医…

前芝尚子
15時間前

細胞レベルで生きる

私達は日常をなんの気なしに生きています。 なんの気なしに仕事をして、デートをして、なんの気なしにテレビを見て、お風呂に入り、食事を済ませて寝る。そんな日々の繰り…

前芝尚子
1日前
1

セルフケアはシンプルに

みなさんこんにちは。今日も元気でお過ごしですか? 私は旅をすることが多いのですが、いつも悩んでしまうのは、荷物の重さです。ところが、ある時、変化が訪れました。 …

前芝尚子
1日前

こーなってもああならないし、ああなってもこーならない

みなさまこんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか15 私たちの人生には、「あーなってもこうならない」し、「こーなってもああならない」ことが多々あります。でも、…

前芝尚子
2日前

「本当に」の虚偽性

みなさま、こんにちは。お元気ですか? 日本語には、とても便利な「本当に」という言葉があります。 本当に尊敬しています。本当に辛い。本当に美味しい。本当にダメなや…

前芝尚子
2日前
1

プレッシャー(圧)をドライブ(駆)に変えたら

こんにちは。梅雨入り目前の決まらない天候ですが、今日も元気でお過ごしでしょうか? 仕事やプライベートなどで、プレッシャーがかかってストレスが溜まってしまうのは、…

前芝尚子
2日前
1

ギブ・アンド・テイクと損得勘定

おはようございます。今日も元気でお過ごしでしょうか。 「人間関係は、ギブアンドテイクだから」という人がいます。 「ギブアンドテイクー持ちつ持たれつ」という理念は…

前芝尚子
4日前
3

不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安サイクルから脱出するには、過去に基づく「頭」思考から、今を生きる「体」思考への切り替えが鍵になります。思考を頭から体へ切り替えることで、根源となっている「怖…

前芝尚子
5日前
3

セルフイメージに取り憑かれる

日々の生活の中で、ある種のことに対して、自分がいつも同じ反応をしていると気づいたことがありますか?起こってくることも関わってくる人も違うのに、ある種の言動や行動…

前芝尚子
5日前
2

バイナリー(二元論)思考

私たちは日常、様々なことに対して何かを思い、考え、判断し、行動していますが、その際、知らずのうちに黒か白か、良いか悪いか、こちらかあちらかという二択で選択してい…

前芝尚子
5日前
2

不安は自分がつくりだす(1)

こんにちは。不安定な世界情勢が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 連日のようにメディアでは経済や政治の深刻な問題が取り上げられ、戦争や地震の可能性な…

前芝尚子
12日前
2

本当の恐れ、虚偽の恐れ

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 先日、友人の息子さんの悩み相談を受けました。新卒で会社に入り、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された。その部署…

前芝尚子
13日前
1

ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか。 私達は、日常生活で頻繁にラベルを貼って、物や人、事柄をカテゴリーに入れる行為を行なっていますが、「ラベルを貼った…

前芝尚子
2週間前

うまく行ってる時こそ足を地につけて

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。 『調子がすごく良い時は、ベストのパフォーマンスができない。』とは、かつて私が教えをいただいていた踊りの先生の言葉で…

前芝尚子
2週間前
12の感覚

12の感覚

人間は五感を持って生まれてきていますが、「感覚」と呼ばれるものは、どうやら五つにとどまらないようです。アントロポゾフィスト(人智学者)で教育者のルドルフ・シュタイナー*によると、人間には、「魂への入り口となる」十二の感覚が備わっていると言います。この十二の感覚とは何でしょう?

以下、”THE 12 SENSES:Rudolf Steiner’s Expanded View of Human Se

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中が外に滲み出る

中が外に滲み出る

ふと目にとまった、ニューヨークのある化粧品店の看板。

"Looking Good Feeling Good"

「外を磨くと中も幸せになれる」「いい気分になりたかったら外見をカッコよく」とか言う意味なのですが、なんだかおかしい。本当にそうでしょうか?

確かに、綺麗な服を着たり、髪や化粧で身なりを整えれば気が上がるということもある。でも、気分が晴れない時、外見をいくらがんばって飾っても

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オリジナリティとは何か〜アルベルト・ブッリの作品に出会って

オリジナリティとは何か〜アルベルト・ブッリの作品に出会って

何年か前に、グッケンハイム美術館で出会ったアルベルト・ブッリの作品は、衝撃的だった。

ブッリは、その物質感、立体感のある作風で知られるイタリアの抽象画家。軍医として第二次世界大戦に従軍後、アメリカテキサス州の捕虜収容所で1年半の抑留生活を送る中、与えられたキャンバスと絵の具、絵筆を使って独自のコラージュを創作し始め、戦後は医者をやめて50年間画家として活動し続けた。彼の作品に向かう時、「何を

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細胞レベルで生きる

細胞レベルで生きる

私達は日常をなんの気なしに生きています。

なんの気なしに仕事をして、デートをして、なんの気なしにテレビを見て、お風呂に入り、食事を済ませて寝る。そんな日々の繰り返し。人生を、ベルトコンベヤーの上に乗って1から10までをほとんど何も考えずに、当たり前のようにして生きてしまう。

これで良いんでしょうか?

確かに楽かもしれません。メディアや人から刷り込まれた幸せを信じ、それにハマっていれば良しとす

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セルフケアはシンプルに

セルフケアはシンプルに

みなさんこんにちは。今日も元気でお過ごしですか?

私は旅をすることが多いのですが、いつも悩んでしまうのは、荷物の重さです。ところが、ある時、変化が訪れました。

ドイツに2週間研修に行った時のこと。

  持っていく荷物が。。。。超かる~い!のです。

これは私にとってすごく画期的なことなんです。今までの私のスーツケースときたら、どこへ旅行に行くのも重量規定ギリギリの重さ。押し込んで押し込んで、

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こーなってもああならないし、ああなってもこーならない

こーなってもああならないし、ああなってもこーならない

みなさまこんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか15

私たちの人生には、「あーなってもこうならない」し、「こーなってもああならない」ことが多々あります。でも、私たちは何故か、 「こーなったらああなるし、ああなったらこうなる」と思い込んでしまう傾向があります。

例えば、何かを人に伝えたり話したりする時、「私がこう言うと相手はああ言うに決まっている。ああ言うと、こうなるに決まっている」と思い込む

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「本当に」の虚偽性

「本当に」の虚偽性

みなさま、こんにちは。お元気ですか?

日本語には、とても便利な「本当に」という言葉があります。
本当に尊敬しています。本当に辛い。本当に美味しい。本当にダメなやつだ。本当に愛してます。

この言葉、何だかクセものだ。何でも、「本当に」とつけた途端に、それが強調されるどころか、意味がなくなるような後ろめたささえ感じる。いやーそんなことはないだろうと言う自分がどこかにいる。「ホントウに」と言った途

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プレッシャー(圧)をドライブ(駆)に変えたら

プレッシャー(圧)をドライブ(駆)に変えたら

こんにちは。梅雨入り目前の決まらない天候ですが、今日も元気でお過ごしでしょうか?

仕事やプライベートなどで、プレッシャーがかかってストレスが溜まってしまうのは、よくあることですね。 私自身も、昔は小さいことから大きなことまで、あらゆることに、プレッシャーを感じていました。プレッシャーを感じることで、仕事の能率が上がる訳でもなければ、作品の質が良くなるわけでもないし、精神的に苦しいだけだとわかって

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ギブ・アンド・テイクと損得勘定

ギブ・アンド・テイクと損得勘定

おはようございます。今日も元気でお過ごしでしょうか。

「人間関係は、ギブアンドテイクだから」という人がいます。

「ギブアンドテイクー持ちつ持たれつ」という理念は、お互いに助け合う相互関係を指し、理にかなっているように思えますが、果たしてそうでしょうか。 世間を見回すと、どうもある種の「ギブ・アンド・テイク」は、「与えたら受け取れる」「受け取るためには与えよ」というルールに縛られているようです。

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不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安は自分がつくりだす(2)~頭思考から体思考へ

不安サイクルから脱出するには、過去に基づく「頭」思考から、今を生きる「体」思考への切り替えが鍵になります。思考を頭から体へ切り替えることで、根源となっている「怖れ」の実態を感じ、真正面から向き合うことが可能になります。

単に、頭思考と体思考と言われても、ピンとこないかもしれませんね。「体で考えるってどういうこと?」「いつ頭で考えていて、いつ体で考えているのかわからない。」「二つの間を行ったり来た

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セルフイメージに取り憑かれる

セルフイメージに取り憑かれる

日々の生活の中で、ある種のことに対して、自分がいつも同じ反応をしていると気づいたことがありますか?起こってくることも関わってくる人も違うのに、ある種の言動や行動に触れると、オートマチックに反応してしまう。 自分ではそうしようと思っていないのに、まるで何かに取り憑かれたように口や手が動いてしまうんです。後で、どうしてあんなことを言ってしまったんだろう?」「そんなつもりはなかったのに」なんて後悔さはす

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バイナリー(二元論)思考

バイナリー(二元論)思考

私たちは日常、様々なことに対して何かを思い、考え、判断し、行動していますが、その際、知らずのうちに黒か白か、良いか悪いか、こちらかあちらかという二択で選択していることがあるのではないでしょうか。

もちろん物品の品質などを選ぶ時には、良し悪しの判断も必要となってくるのですが、こうしたバイナリー思考に基づく判断が、人生で起こってくる物事や人に至る時、その本質を見逃してしまうことになりかねません。例え

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不安は自分がつくりだす(1)

不安は自分がつくりだす(1)

こんにちは。不安定な世界情勢が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

連日のようにメディアでは経済や政治の深刻な問題が取り上げられ、戦争や地震の可能性などが囁かれる中、先が見えない不安に苛(さいな)まれている人は多いのではないかと思います。情報過多の社会にすむ私達は、何がどうなっているのか知ろうとして、毎日テレビやネット情報に走ってしまうことも多々あるのですが、流れてくる一つ一つのニュー

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本当の恐れ、虚偽の恐れ

本当の恐れ、虚偽の恐れ

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

先日、友人の息子さんの悩み相談を受けました。新卒で会社に入り、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された。その部署である資格試験があり、その試験に落ちてしまって、自分はダメだと、それはもう、明日にでも会社を辞めんばかりに、大変落ち込んでいるというのです。

その理由を聞いてみました。まず、彼は、自分の希望とは違う部署に一人だけ配属された時に、自分が劣

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ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

ラベルを貼る瞬間〜同調と共鳴

こんにちは。今日もお元気でお過ごしでしょうか。

私達は、日常生活で頻繁にラベルを貼って、物や人、事柄をカテゴリーに入れる行為を行なっていますが、「ラベルを貼った」瞬間に、多大な可能性に自分を閉ざしてしまうことには、なかなか気づかないのではないでしょうか。

例えば、共に時間を過ごす人に、「気の合う」人を選ぶ人は多いと思いますが、その時にラベル貼りをしていないか。

「自分は引っ込み思案だから

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うまく行ってる時こそ足を地につけて

うまく行ってる時こそ足を地につけて

こんにちは。今日も元気でお過ごしでしょうか。

『調子がすごく良い時は、ベストのパフォーマンスができない。』とは、かつて私が教えをいただいていた踊りの先生の言葉です。これは本当にその通りで、自分がうまく行っていると思っているパフォーマンスほど、観客にはそう伝わっていないことが多いです。当時、二十代だった私は、「調子が良すぎると油断してしまうのだな」ぐらいにしか思っていませんでしたが、今、自分だけで

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