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【ある人の作品を買ったこと】


今年のこと。

わたしにとって特別な人の作品展示を見る機会があった。それも遠くの地で。
たまたま私はその展示の近くに予定があったため、思い切って観に行った。
その方の作品は3点のみ。
見に来る方々は圧倒的にメインの展示である別の方の作品を観に来ていた。

わたしは、
その人のもつソウルがそのまんまの姿で作品にあることを見て、
とってもうれしくなった。
なんて言うかね、
心がじわ〜ってうるんだ。

私の月のバイト収入より高いその作品を買うか悩む。
メイン展示の方の作品も素晴らしいけれど、価格は10倍でおどろいた。
この世界とはそういうものなのか、
と思った。

作品ね、
女神の姿のようでいて海の音が聴こえるよう。
その作品を見つめているうちに、
私は自分の中にひとつの確かな愛を見つけてしまった。
それで、作品を自分へと迎え入れることにした。
おサイフ的にはえいっ!と気合いが要ったけど、これでわたしの中の何かがこの先ずっと変わるんだろう、と思えば安かった。
この体験を買うんだ、と思った。

長い年月を連絡もせず会うことなく
過ごしてきた。
作品を通して、魂が発光してるような温もりが確かにそこに在り、
わたしには長く感じた月日も、
魂というものにとっては
瞬きみたいな速さの時間なのかもしれないと思った。

わたしにとっては
プライスレスなお買い物。

作品を買うって
そういうことがあるものなんだね。

まるで自分のこと映し出してくれているように、眺めながら思えるものなんだね。

それは作家や
作品の温度や
自分の感情や
時空とつながることだ。
この体験がもたらすもの、
それを買ったってことなんだ。

そして、わたしのある部分は空っぽになり、とても満たされた。
なにかが完了し、
別の何かが動き出した。

画像は昨日描いた、そんで食べた無花果。

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