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「誰も教えてくれない子どものいない女性の生き方」という本を読んで

ネットサーフィンしてたら、くどうみやこさんの「誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方」という本を見つけて、すぐに取り寄せて一気に読んだ。こういう本が出る時代になったのだと嬉しかった。

大学を卒業して就活をしていた32年前は女性の働き方を後押しするはずの男女機会均等法が施行されて3年目にあたった。同期の女性達は大手企業に総合職として採用されて期待されていたのかもしれないが、前例がなく採用側も就職側も戸惑いを感じながら結局は職場結婚をして退社する人達も多かったようだ。

いま40代50代の女性達は母親のように結婚をして家庭を持ち子どもを2人産み、子育てが終わったらパートで働くという考えを持ちながら生きてきたと筆者は言う。それが、病気や不妊治療を経て子どもを産みたくても産めない、あるいは子どもは欲しくないという多様な考え方が出てきたにもかかわらず、メディアはずっと子どもがいて当たり前という考えを発信続けてきた。

それがここ数年で世の中が変わり、子どもがいない女性の生き方にスポットが当たりメディアでもインタビューされる機会がぐっと増えたと言う。ようやく子どものいない女性の生きづらさを理解してもらえるようになったのだろう。

私自身、20代後半で最初の結婚をして子どもが欲しいなと思ったら子宮内膜症という病気で腹腔鏡手術をして、それがきっかけで離婚して、価値観の合わない実家に戻ったことで重度のうつ病になってしまった。その後再婚した後もなかなか治らず子どもを産むどころではなくなってしまった。

最近になりようやく電話カウンセリングと栄養療法のおかげで体力的にも精神的にも健全になりつつあり子どもの里親になれないかと思ったが、年齢的にも経済的にも難しくなってしまい諦めた。

子供を育ててみたかったという気持ちはまだ残っているが、幸い仲良くしている伯母夫婦のところに子どもがいないため、小さい時から随分可愛がってもらった。伯母は幼稚園の先生、幼稚園の先生を養成する学校の先生、その学校の理事をしたりと若い時からやりがいのある仕事をずっと持っていたため、子どものいない生き方のロールモデルとなっていた。

今は病気の回復途中なのですぐに仕事をするわけにはいかないが、犬を育てながら毎日楽しめることをしようと心がけている。犬の散歩をすると犬仲間の人達と触れ合うことができるし、好きな料理を作ったり、色鉛筆でイラストを描いて家族や友達の誕生日にカードにして贈ってあげたり、好きな洋画やテレビを見たりラジオを聞いたりできるのは夫が一生懸命働き私の生き方に理解を示してくれているおかげだ。とても感謝している。

公園で子どもとバトミントンをしたりしている若いお母さんを見ると正直羨ましいと感じる。でも、子育ては楽しいだけじゃなく心配したり悩んだりすることも多いと想像するし、子どもがいない友達が毎年夫婦で海外旅行を楽しんでいるのを聞くとそういう生き方もあってもいいと思う。人生は一度きりだ。だったら与えられた環境で自分らしく生きればいいじゃないか。私は犬を撫で撫でしてあげる時にすごい幸福感を感じる。さて、今日もみきのお散歩をしてあげよう。

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