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直球の愛に目が覚めた[2024/2/14(水)〜2/20(火)]



2024/2/14(水) 直球の愛に目が覚めた

今朝も早く起きよう、と思ったら2時に目が覚めた。さすがに早すぎるだろうと思って、もう一度布団に戻る。なんだか眠れないなと思いながらもうとうとして、次に起き上がると、今度は3時半だった。仕事をする。

まだ外は真っ暗で、少ししてふと横を向くとカーテン(というか窓に吊るしてあるただの布)越しに外が明るくなっているのがわかる。白い布の向こうに透けるオレンジと水色のグラデーションがきれいだ。

起きてきた娘に朝ごはんを食べさせる。朝食後に着替えに連れていく。

クローゼットにかかっている洋服が取れなくて、いつも一緒に行ってとってあげていたけれど、自分で取れたほうがいいだろう、と台をクローゼットの前まで持っていった。

自分で服を選んだ娘が「こんな感じにしたんだ。どう?」と広げたコーディネートは、白い肩にフリルがついたTシャツ、おばあちゃんに作ってもらったエメラルドグリーンに白い花柄のロングスカート、それにいつもの白いスパッツに白い靴下という組み合わせだった。

私も着替えて、しばらく履いてないな、と思ったピンク色のパンツを履く。着替えた娘がやってきて、「お母さんも〇〇ちゃんと同じ、スカートにしてよ」と言う。娘は2人のテイストをお揃いにしたがる。

「じゃあどうしよう」と私のクローゼットの前に戻ると、「これ水色に近いからいいんじゃない」と娘がグレーのチュールのロングスカートを選んでくれて、それに履き替えた。

娘をようちえんの集合場所に送って、家に帰って、日記をnoteにアップして掃除。朝仕事できたから掃除する余裕がある。余裕、大事。

今日はバレンタインだなと思い、チョコマフィンを焼く。焼き立てはマフィンに入っているチョコがとろとろの状態で食べられるから、娘が帰ってくる少し前に焼き始めた。

ようちえんのお迎えに行って、歩いて帰る。「お母さん会いたかったよ」と娘が言う。「〇〇ちゃんは、いつもお母さんに会いたくなっちゃうんだ」。帰ったらちょうどチョコマフィンが焼けていて、2人で食べた。

ようちえんのメンバーと公園で哲学対話。「自然はどうして美しいの?」というテーマで対話したけれど、人は自然の一部なのかどうか、など価値観に触れる話に展開していって面白かった。

夜、今朝は早起きしたから7時を超えると眠くなってくる。温かいお風呂に入っていたらぼーっとしてきた。娘が何か笑わせようとしてくるが、眠すぎて何もかもが湯けむりに消えていく。

お風呂をあがって着替えていたら、「〇〇ちゃんもパジャマの下にスパッツ履きたい!」と娘が言う。私の真似をしたいらしい。「同じにしなくてもいいよ。どうして同じにしたいの?」「お母さんのことが好きだからだよ!」。直球の愛に目が覚めて笑った。毎日たくさん愛をもらっている。2人で保湿をして、歯磨きをして、トロトロになりながら寝た。



2024/2/15(木) きっと次もどちらを選ぶか迷うはず

4時半に起きて仕事をする。娘が7時前に起きてきて、仕事は中断することになった。

昨日つくっておいたチョコマフィンを夫にあげようと皿に並べると、娘が自分も食べたい!と言う。早起きして時間があるからもう一度焼く。

朝から焼き立てのチョコマフィンを食べる。娘はかぶりついて食べるから、口も手も、さらに鼻や目の下までチョコがついて、ブチの犬かネコのようになった。

そのままようちえんへ。待ち合わせ場所に到着してから「顔洗うの忘れてきた!」と慌ててトイレの洗面台に向かった。

私はようちえんに送った後、本を返しに図書館に寄る。雑誌『月刊 母の友』の最新号をパラパラと立ち読みしていたら、「日記屋 月日」の方が日記について語っているページがあって「おっ!」と思う。メモは自分だけのLINEグループでとっている、と書いてあった。真似してみよう。

図書館の新刊として入っていた絵本『パッチワーク』がとても良い。ダーニングの本なども探して、借りて帰る。

家に帰って、ぼーっとした。早起き続きで眠いのかもしれない。気がついたらアフリカンダンスの練習が始まる時間だ。久しぶりに家で仕事している夫に「だるいなら休んだら?」と言われる。でも行きたいなと思い、いつまでもソファにうづくまっていたい身体をなんとか自転車に乗せて運んだ。

踊ってすっきりした帰り道、パラパラと雨が降っている。夫と待ち合わせて近所でラーメンを食べた。私の方がだいぶ前に到着してしまって、ラーメン屋の前に立っていると、いろんな知り合いが車で前を通った。「今からラーメン食べます!」と宣言しているみたいで、ちょっと恥ずかしい。

夫はお店イチオシの「白醤油」で、私は以前ひとりで来た時に「白醤油」を食べているから、「新白醤油」にしてみる。到着したときにスープを飲み比べてみたら「違う!」と思った。でも何が違うんだろう。何度も飲み比べているうちに、なんとなく「新白醤油」の方が濃いかも、という結論にいたる。結局どちらがおいしいのかはわからなくて、きっと次もどちらを選ぶか迷うはずだ。

お迎えの頃も雨が降っていた。明日のようちえんの活動について、話したり決めたりする。

そのまま家に帰る。今日はなんだか元気が出ない。ふと目にした悪意のない誰かの発言に、自分の無力さを感じて落ち込む。夫に言ったら「君でも落ち込むことがあるんだね」と驚かれた。たぶん寝不足。こういうときは寝るに限る。



2024/2/16(金) あんころもちに癒やされる

月に一度の、ようちえんのお当番の日。体力を使うから早起きは諦めるが、5時半に目が覚めて、いくつかやりたかったことができた。

駅前で集合し、電車を乗り継ぎ、梅まつりに行く。今日の子どもたちはいつもより開放的でふわふわとしていた。交通量が多い、ガードレールのない道を歩く、一時間に一本しかない電車を目指す、など気を張る場面が多かった。ふわふわの子どもたちに「端っこ寄って」「道路でそれしないで」「電車間に合わないから歩いて」と声をあげることが多かった。

いつもは私が当番でもお友達と遊んでいる様子の娘も、今日は私と手をつなぎたがった。

帰り道は、娘ひとりがずんずんと前に進んで行ってしまう。のんびりやってくる年少の子たちと距離ができて「おーい」「待ってー」と叫ぶ。

まだ寒いと思っていたのに温かい日で、日差しも強かった。私は日差しに弱いところがあって、どっと疲れた。

帰り際、一緒に行った友達があんころもちをくれた。「あんころもち」というおいしそうな響きに心惹かれて買いたかったけれどお当番だから、と買うのをがまんしたもので、とても嬉しい。

帰って早速娘と食べたら、つきたてなのだろうか、やわらかいもちに疲れが癒やされた。

「眠い」という娘を連れてバレエに行く。今日はお友達が体験レッスンに来ていて、一層にぎやかだった。娘は最後まで楽しそうにレッスンしていて、疲れているだろうによくやっていた。

次のレッスンに来ていたお友達姉妹が、お母さんの具合が悪くて家から歩いて来た、と言うから、帰りは送っていこうかな、と思いながら終わるまで待っている。レッスンには参加しない妹のEちゃんは娘の友達で、一緒に踊ったり、紙に文字や絵を描いたりして遊んでいた。

Eちゃんのお母さんは快復したようで駐車場まで来ていたから、そのまま駐車場で別れて帰る。

娘がスーパーの中のたこ焼き屋さんでたこ焼きを買いたいという。私もごはんをつくる気力はないから、賛成する。たこ焼き屋さんはレジを締めていたところだったけれど、余っていたたこ焼きを箱に詰めて、おまけしてくれた。

娘は帰りの車の中で、たこ焼きを半分食べた。家に帰って残りのたこ焼きを食べる。レトルトカレーをごはんに乗せて娘に出すが、食べている途中で娘はうとうとし始めた。私も頭が痛い。

「着替えて、歯磨いて寝よう!」。なんとか起こして、着替えさせて、歯を磨く。流しに積み上がった食器が一日のバタバタを物語っているが、目を瞑って、私も着替えて歯を磨いて寝た。


2024/2/17(土) どんなことでも続けていけば

週末は早起きをやめて、ゆっくり起きる。予定のない週末はどれぐらいぶりだろう。

朝ご飯を済ませた娘は着替え、はりきってお雛様を出している。立春に出すはずが忘れ、バレンタインが大安だから、と思っていたのにタイミングを逃し、そんな母にしびれを切らした娘は夫に頼んだようだ。

娘の名前が書かれた木札の後ろにネジが付いていて、回すと「うれしいひなまつり」のオルゴールが流れる。何度も回してはオルゴールを聞いていた。

お昼に夫がつくってくれたチャーハンを食べる。食後に「ひなまつりの曲流して!」と娘が言うから、今度は音楽用のiPhoneの中から「うれしいひなまつり」を探して流す。

曲に合わせて「これは手話なの」と言いながら、手や表情を使ってダンスをしていた。最後のポーズは、両手を下ろし、目を細めて遠くを眺めている。曲調に合わせたのだろう、しっとりした表情に笑ってしまう。

夫と娘が出かけて、私は、アフリカンダンスの発表で着る衣装を作る。我が家にはミシンがなくて、今度ミシンを持っている友達と一緒に縫わせてもらうことになっている。布を切ったり、タックをつくるところを仮縫いするなどした。

私は縫い物やミシンに苦手意識があるのだけれど、コツコツ何かをつくるのは決して嫌いではないなと思う。

夕方になって、ドアチャイムが鳴り、夫に抱えられて娘が帰ってきた。車で寝ていたらしい。

ホームセンターでカートに乗るのを満喫したこと、UFOキャッチャーで夫が取ることができず娘が怒っていたこと、最後にゲームをしようと思ったらコインが足りず帰ることになり、娘が夫の足にしがみついて大泣きしたことなどを聞く。

冷蔵庫にあった鶏むね肉とじゃがいも、そこにさつまいもも足して、炒めものをつくった。適当に作ったらぼんやりした味がする。

娘は「うれしいひなまつり」を鼻唄しながら食べている。気がつくと、口をもぐもぐさせながら、左手で机の上で何かをつかんで、まっすぐ持ち上げて左へ移動して手を開く動作をしていた。「UFOキャッチャー?」と聞くと、「そう」と笑った。

ぼんやりした味だと思ったおかずを、娘はおいしいおいしいとおかわりしている。芋類が好きなのだ。

料理は胸を張って得意です、と言えるほどのものではないけれど、毎日続けているから、それなりに食べられるものを作れるし、知見も溜まっていく。どんなに苦手と思うことでも、続けていたらそうなっていくのかもしれない。そう思ったら希望を感じた。


2024/2/18(日) 私の心は私のもの

ゆっくり朝の支度をしていたら、今日は町民センターで気候変動について話し合うイベントが開かれる日だと思い出す。気になっていたものの、申し込みをしないまま当日になってしまった。

急いで着替えて夫と娘に「行ってくる!」と告げて自転車で出掛ける。

飛び入りだったけれど、案内に立っていた方がどうぞ、と中へ促してくれて、テーブルに付くことができた。小学生の女の子がふたり同じテーブルにいて、気候変動や環境問題について子どもたちと話せたのが嬉しかった。

私は外に出て人と話すのが何より好きだなぁと思いながら家に帰る。昨日一日ゆっくりして元気になったようだ。

夫と娘がサンドイッチをつくって食べていた。私の分もパンを焼いたり、ベーコンや卵を焼いたりして、作ってもらう。

娘が「むーすんで ひーらいーて」のリズムで「ままもだいすき ぱぱもだいすき しあわせ くらし」と歌う。良い歌だなぁ。

午後はどこに行こう。近所のA山は娘が気乗りしないらしい。幼稚園でいつも登っているからだろう。「海行かない?」提案してみると娘が「いいね!」となった。ピクニックシートとボールとおやつを持って、歩いて出掛ける。

曇っていたけれど、温かい日だった。日差しもなくて、過ごしやすい。海の上のほうには黒い雲が厚く連なっているが、目の前の空には、水彩画のような白い雲から青い空が垣間見える。右手の向こうの山には雲間から光が降り注いでいる。

シートを広げて、3人で座る。海と変わりゆく空を眺めていると、永遠にぼーっとしていられそうだ。

堤防には釣りをしている人がたくさん見える。何か釣れているのだろうか。
海からカヤックに乗った人が砂浜にやってきた。この浜から行って帰ってきた人かもしれないし、もしかしたらハワイから旅して来た冒険家かもしれない。車輪を出し、船を陸地に引き上げ始めた。

私は波の音を聴きながら本を開く。

娘と夫は石で絵を描く。カニ、ブリ、タコ、エビなどがピクニックシートの前に並んでいった。

2人は今度は石を探しに行く。シーグラスを探す!というけれど、この海岸でシーグラスを見たことはない。いくつか面白い色や模様の石をみつけて、戻ってきた。

1時間ちょっといただろうか。寒くなってきたから帰ることにする。

途中で、野菜を売っているお店と量り売りのお店に顔を出す。量り売りのお店から外へ出ると駐車場で遊んでいた娘が「お母さん、お父さんの隣に座って」と言った。どうやら劇が始まるらしい。

「私の心は私のもの」という言葉から始まり、オリジナルソングを身振り手振りで歌った。「私の心は私のもの」そうだよなぁとしみじみしてしまう。「神様」や「天使」などの言葉がつらつらと出てきた。いつまでも気持ちよさそうに歌っていたが、駐車場から車が出そうだったので立ち上がり、家路に向かう。

夕飯を食べお風呂に入り、寝る前、娘が側転の練習をしたいと言う。私も少なくとも大学生の頃までは舞台の上でできていたのだ。あの頃と身長も体重もそう変わってないはずだからできるに違いない。とはいえこわい。自分の部屋で試してみる。へっぴり腰のカエル足になって「それぐらいなら僕でもできる」と夫に笑われた。悔しい。

夫がいなくなった後に寝室で挑戦してみたら、少し足を伸ばすことができた。娘に「バレエのお姉ちゃんたちみたい!」と喜ばれる。そこまできれいにできていない気はするけれど、ちょっと嬉しい。もう一度きれいに側転できるように娘と一緒に練習してみようか。

側転の練習をした後で「暑い!」と言う娘。寝ながら布団を蹴飛ばす子に布団をかけながら寝た。



2024/2/19(月) どっちの方が好き?

3時台に起きて溜まった日記を書く。今日はまだまだいろいろできると思った5時台、部屋のドアが開いて、娘が立っていた。トイレに行きたいらしい。

トイレに連れて行って戻ってくると「一緒に寝よ」と言う。布団に入り、娘が寝付いたら起きようと思うが、寝付いたと思って身体を動かすと、ぐいっと腕が伸びてきた腕で引き戻される。

「ちょっとトイレに行ってくるから」と布団を出る。トイレに行って、よしよしそろそろ寝ただろう、と自分の部屋に戻る。少しすると部屋に「ママ、戻ってきた」とまぶしそうな顔をした娘がやってきた。まだ6時過ぎだ。

そこから仕事したいから、とパソコンを打つ私の足元で娘は紙にペンで文字や絵を描いていた。「これEちゃんとやる、バレエの発表会のパンフレットなんだ」と言って、同じように書かれたものをたくさん作っていた。

パンフレット作りが一段落したかと思うと、階下から空き箱で作った“パソコン”を持ってきて「ママと同じにしたいんだ」と言ってパソコンを打つ真似をしていた。

朝ご飯を食べ、支度をして外へ出る。雨が降りそうな空模様だった。空気が湿っていて、割とあたたかい。そう思って集合場所の海岸へ向かうと、海は波が高く風も強く、寒かった。

家で仕事をしていた夫とお昼ご飯を食べながら、温泉に今日行くのはどうだろう、という話をする。娘が温泉に行きたい!と言っていたのだ。以前は月1温泉に行く習慣を実践していたのに、夏頃からしばらく行っていない。

ようちえんのお迎え。砂浜に尻もちを付いている娘の耳元に、しゃがんで「今日温泉行こうか?」と言うと、こちらを見て「うん!」と顔を輝かせた。

家に帰って、おやつを食べ、夫の仕事が一段落ついたタイミングで出かけた。温泉まで車で30分。

道すがら、夫が「この前〇〇ちゃんに“お父さんとお母さん、どっちの方が好き?って聞いて”って言われたんだよね」と話し始めた。

夫が「お父さんとお母さん、どっちが好き?」と聞くと「その聞き方じゃない、どっちが好きって言ったら、好きじゃないって言われた方が悲しんじゃうから。“どっちの方が”って聞いて」と娘が言ったらしい。言葉への感覚がこまやかだなぁと思う。ちなみにそう聞き直させたうえで、「お母さん」と答えたらしい。

娘と一緒に温泉に入る。露天風呂が充実した温泉で、身体を洗って外へ出る。ちょうどその頃になって、パラパラ降っていた雨がザーザーと強まってきた。雨に降られながら、屋根のある露天風呂を目指す。お湯に浸かると、じんわり温まってホッとした。

いつもは一つのお風呂に滞在する娘は、今日はいろんなお風呂に入ってみたがった。ようちえんでいろんなところに探検しに行くから、好奇心や冒険心が育まれているのかもしれない。雨があたるお風呂ではタオルを畳んで頭に載せて雨除けにする。少し深めの洞穴のお風呂にも、抱っこしながら一緒に入った。

いつもは娘があがろうと言って、私はもう少しゆっくりしたいな、と思いながらいるが、今日は私が先にあがろうと言った。ざーざー降る雨の中をつま先立ちでひょいひょいと中へ向かう。

着替えて休憩所へ行くと、夫は先にあがっていた。ストレッチをして、併設のレストランにご飯を食べに行く。とんかつが食べたい!という娘と、とんかつ定食を分けて食べた。

帰り道はさっきより一層雨が強くなっていた。暗いし、雨は強いし、前がよく見えなくてこわい。「こわいよー」と言う娘に「目瞑ってたら。寝てていいよ」と夫が声をかけて、気がついたら娘は寝ていた。

家に着くと、うにゃうにゃと目を覚ましたから、歯磨きだけ済ませて布団に運んだ。



2024/2/20(火) みんながくれるパワー

娘をようちえんに送って、オンラインで語り劇のレッスン。3月の発表会に向けて久しぶりのレッスンだった。

アフリカンダンスの衣装をつくりに町の集会場へ。友達にミシンを借りて一緒につくる約束をしていた。ようちえんのお迎え時間ギリギリまで、ミシンをかける。

ようちえんのお迎えへ。集合場所の目の前にある地場野菜が売っているお店で買い物をして外に出ると、ちょうど子どもたちが坂を降りてくる姿が見えた。

Eちゃんが私を見つけて駆け降りてくる。「おーい!〇〇ちゃん、転んでおでこから血出ちゃった」と娘のことを教えてくれた。Yくんが続いて神妙な顔でうつむきながら「Yくんは走って転んじゃったのかな、と思うんだけど...」と話してくれる。

うんうん、と聞きながら集合場所に行く。

公園を出てすぐのところで転んでしまって、お当番のIちゃんが付き添ってくれてることを、戻ってきた他のお当番のお母さんたちから教えてもらう。

さよならの挨拶をした頃に、IちゃんからLINEグループに「〇〇ちゃん歩けないらしいので抱っこしていきます!」と来た。すぐにIちゃんに電話して、車でお迎えに行くことを伝える。電話の向こうで泣き声が聞こえた。

車でたどり着くと、泣きじゃくる娘の背中をIちゃんが優しくさすってくれていた。ずっとこうやって一緒にいてくれたに違いない。

娘は私が来たことに気がつくと、落ち着いたようだった。抱っこで車に乗せると、その頃には泣き止んでいた。冷えピタを貼ってもらったおでこの下は腫れている。

集合場所へ戻って、みんなに無事戻ったことを報告する。車の中で泣き疲れた娘に、ママ友達のKちゃんが「よし!私のパワーあげる!」とおでこに手をかざしてくれた。

帰ってゆっくりしたいところだけれど、私は縫いかけの衣装があって、町の集会場へ戻る。着いた頃にはだいぶ落ち着いて、自分で歩けるようになっていた。

部屋を借りた時間が終わるまでに急いでミシンをかける。さっきパワーをくれたKちゃんとKちゃんちのEちゃんが部屋にやってきた。Eちゃんと2人で仲良く、みたらし団子を食べる。もう笑っていた。

車に乗ると、「痛くなくなってきた!Kちゃんがパワーくれたからかも」と目を輝かせる。周りの大人たちがそれぞれの形で接してくれることが、娘にも私にもパワーになっている。

劇の練習をしている、はらっぱへ向かう。

車でミュージカル『アニー』のCDを聴きながら行った。娘が「サンタって誰さ、って、サンタさん知らないの?」と不思議そうに言う。孤児院の子どもたちが歌う曲にその歌詞があるのだ。「お父さんやお母さんがいない子たちだからね...」と言ったところで、あ、説明を間違えたかも、と思う。すると娘が「わかった!お父さんとお母さんがいないから夜遅くまで起きてるんじゃない?だからサンタさんが来ないんだ」と解決してくれた。

劇の練習に顔を出し、今日料理の仕込みをしたものの出店が取りやめになってしまったMちゃんの家に、家族分のご飯を買いに行く。娘はその頃には後部座席で上を向いてぐっすり寝ていた。

泣き疲れたのだろう。家に帰ってもソファにうずくまって起きられない様子だった。布団に運び、洋服をパジャマに着替えさせて、布団をかけて寝かせる。

一日中あっちへこっちへ動き回っていた私も夕飯をつくる気力がなくて、Mちゃんの作ってくれたご飯が沁みた。これもパワーだ。


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