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魔法を使えるようにならないと[2024/2/28(水)〜3/5(火)]


2024/2/28(水) 魔法を使えるようにならないと

娘が昨日手紙を書いてくれた。正方形のメモ帳に、「なおこ だいすき なんでも まねしちゃう」と書いてある。大きさもまちまちな文字が、右から左へ行ったかと思うと、次の行は左から右へ、また右から左へと書かれている。暗号のような手紙が愛おしい。

今朝は私が、娘に手紙を書いた。すると娘も「今度はお父さんに書く!」とペンを持った。2行目以降の段落も右から左に書かれている。「いつもかっこいいね」の文句は、私が娘に書いた「いつもかわいいね」と同じ。「なんでも まねしちゃう」その通りだ。

ようちえんの月に一度の懇談会の日で、娘と一緒にでかける。懇談会の終わり頃、娘が隣に座って、「ひを反対にすると、にじになるよ!」と言う。

「火?なんのことだろう」と考えて、すぐにひらがなの「ひ」のことだとわかった。ひらがなの「ひ」を上下逆さまに見ると、虹を描くときの形になるということのようだ。

ひらがなを覚えたての子らしい発想だ。文字も絵も同じように記号として捉えているのだろう。

「数字の2を反対にするとなに?」と聞かれる。手元のメモ帳に書いて、それごとひっくり返す。「“て”だ!」娘は発見した。「数字の5は?」と聞かれて反対にしてみる。「鍵かな、鳥かな」と言ってみるが、どれもしっくりこなかったようだった。

懇談会後に、活動場所の果樹園跡地を、この場所についてよく知る方の案内で散策する。先月は葉っぱだった草に花が咲いていて、季節が進んでいるのを感じた。「ふきのとうを探している」という話をしていたら、歩いている途中にふきのとうがたくさんある場所で「ここにあるよ!」と友達が教えてくれた。ふきのとうを知った娘は、見つけては袋に入れ、大量に収穫してくれた。

懇談会後、友達の家で味噌づくりをする。先月は大人だけでやったが、失敗した子や参加できなかった子もいてリベンジ。一緒につくる別の友達親子を車に乗せて、向かう。

「かわいくなるためには、“ま”から始まるかわいくなる方法がある」と娘が、後部座席に乗った友達ママのTちゃんに話している。「まめを食べる?」「マニキュアをする?」「まつげを伸ばす?」などと私とTちゃんで口々に答えてみるが、どれも違うらしい。そんな話をしているうちに友達の家にすぐ着いた。

大豆とこうじと塩を袋の中でつぶす工程で、娘は喜んで袋の上でジャンプしてくれた。ただ味噌を容器に詰める工程の頃には遊びに夢中で、「やらない?」と誘うと「今遊んでるからいい」と連れない様子。めげずに声をかけ「〇〇ちゃんとやるの楽しみにしてたんだけど」と伝えると手伝いに来てくれた。一緒に味噌玉を団子にして容器に入れ、ぎゅっぎゅっと詰める。

作業終わりで、持ち寄りのおかずと、家を会場として提供してくれた友達が作ってくれたごはんと味噌汁で夕飯にする。どれもおいしい。そして誰かが作ってくれたご飯が食べられるって嬉しい。

友達を家まで車で送って、我が家に向かう。時刻は19時頃。「眠たいねぇ」と後部座席の娘に声をかけると返事がない。天井をあおいで寝ていた。

車から家の中まで抱っこして運ぶと、目を覚ました。なんとか着替えさせて、布団につく。「“ま”から始まるかわいくなる方法の答え、なに?」気になって聞いてみると「魔法を使えるようにならないと、だよ」と教えてくれた。


2024/2/29(木) ぎゅうぎゅうの滑り台

ようちえんから帰ってきた娘と、おやつを食べ、公園へ向かう。ようちえんの友達たちもここで遊ぶと聞いてやってきた。先に到着すると、友達がやってきて、娘もわっと遊びに入っていった。

そんな中、お友達のYくんは来る途中で転び、ご機嫌ななめで道端から動こうとしない。「Yくん動かないみたいね」と、私のそばまで戻ってきた娘に言うと、「行ってくるわ!」とYくんのところへ駆けて行った。姉御肌なところがある。Yくんに話しかけ、背中をさすっているのが見えた。

娘の誘いでYくんは3,4歩こちらへ進んできたようだが、そこで止まった。娘は「もう動かないみたい」と私に言って、今度はどこかへ遊びに行った。

膝が破けたデニムを繕いながら、友達と話しながら子どもたちを見守る。すると今度はYくんがタタターっとどこかへ走っていくのが見えた。

デニムをベンチに置いて、Yくんを追いかける。Yくんは止まると、向こうに見えるバスを指さして「バスが2台ある...めずらしい」と言う。Yくんの口調はいつもお芝居か落語のような間があって面白い。「回送って書いてある」。回送が読めることにびっくりした。いつもよく目にして聞いているのかもしれない。

「私ね、大きいみかん持ってるんだ。あっちで食べない?」Yくんに言うと、「うん!」と一緒に来てくれた。大きなタンカンを剥いてYくんに渡し、「みんなで食べよう」とみんながいる砂場まで連れて行く。大きなタンカンも、みんなで食べたらあっという間になくなってしまって、2つ目も剥く。食べ物でつったような形になってしまったが、Yくんもすっかり元気になった。

帰り際子どもたちは、みんなでひとつの滑り台をぎゅうぎゅうになって滑るのを、いつまでも繰り返していた。「もうすぐ駐車場閉まりますよ」と公園のスタッフの人が声をかけてくれたのを合図に、滑り台を解散し、急いで車へ向かった。

昨日大量に収穫したふきのとうを天ぷらとふき味噌にした。苦みがおいしい。娘もぱくぱくと食べていて「きみにもこのおいしさがわかるのか!」と言うと「にがいけどおいしいよね」とツウの口ぶりだった。


2024/3/1(金) なんでもやってみればできるものだ

毎日夜まで予定があって、早起きができていない。早朝に終えることができなかった今日締め切りの原稿に、日中取り組む。

一段落着きそうなタイミングで、注文していたお弁当を友達の家に取りに行き、帰宅して食べた。食べごたえのあるベジ弁当で、一品一品がしみじみとおいしい。

ようちえんのお迎え後、ようちえんの母たちで明日発表する劇の練習。通し練習に一度参加して、娘とバレエへ。

娘がレッスンしている間、待合室に置かれている雑誌を眺めたり、友達と話したりしていると、レッスン場との小窓越しに娘が「お母さん見て!」「ビデオ撮って!」と言う。こちらは気にせず集中してほしい。

一緒にレッスンに参加している友達ママが、夕飯はシチューをつくってきた、と言っていて、それはいい!と思う。帰ったら子どもも私もお腹が空いていて、すぐに食べたいもの。次回からは、温めたら食べられるご飯をつくってからレッスンに参加したい。できるかな。

バタバタの今日は夕飯の準備ができていないから、帰宅すると炊飯器の中に残っていた冷やご飯でチャーハンをつくる。

原稿の締め切り→劇の練習→娘のバレエ。すでにヘロヘロだったけれどちゃんと夕飯をつくって、帰ってきた夫にすごい、と労われる。

バタバタしているうちに、明日は土曜日だ。なんと、劇、ダンス、歌、と3本発表がある。全てが6割ぐらいの状態な気がするが、大丈夫だろうか。

急にソワソワし出して、娘が寝た後に明日着るアフリカンダンスの衣装を直す。友達が作っていたのを思い出しながら、衣装の布を使ってイヤリングを作ってみると、それらしいものができた。なんでもやってみればできるものだ。満足して眠りにつく、深夜2時。


2024/3/2(土) まつりの一日

8時に目が覚める。今日はお祭りがあるから、うかうか寝てはいられない。
なんせ出番が3本もあるもので、いろいろと着替えを準備する。「全部お母さんと一緒にやる!」という娘の分の着替えも準備して、一緒に家を出た。

ようちえんで出店している草木染めブースの設営を少し手伝って、あとは、劇の練習、劇の本番、アフリカンダンスの場当たり、お昼を食べて、着替えにメイク、ダンスの本番、すぐに着替えて合唱、と休む間がなかった。

アフリカンダンスで私の隣で踊りたかったらしい娘は、直前になって私に「一緒にはできないから前で見てて」と言われたことが悲しかったらしい。フォーメーションや踊りながらの移動もあるから娘に横で踊ってもらうことは難しかったのだ。

合唱(?)では、夫に借りたメガネを二人でかけて、バンダナを巻き、一緒にオタクになりきった。

どれも予想以上にたくさんのお客さんが観に来てくれて楽しかった。出来は置いておいて、とにかく全て出し切ったと思う。

片付けが終わった頃、まつりも終わりの時間で、出店していたキッチンカーも続々撤収をしていた。まだ残っていたクレープ屋さんに駆けつけて、いちご生クリームのクレープを注文する。空いてるベンチを見つけて座り、2人で交互にかぶりつく。いつのまにか娘の鼻やおでこは、クリームやいちごジャムでいっぱいになっていた。

帰宅してすぐに娘とお風呂に入る。ずっと裸足でいたから、随分冷えた。

その間に夫が親子丼をつくってくれた。卵のふわふわ具合がちょうどよくおいしい。寝かしつけも夫にお願いしたかったが、娘が「どうしてもお母さんと寝る!」と譲らず、一緒に布団に横になると、コロリと夢の中だった。


2024/3/3(日) おだいりさまとおひなさま

久しぶりに何も予定がない日だ。なんでもない日バンザイ。

朝、パンケーキを焼く。母からもらった玄米粉のパンケーキミックスだが、配合が悪かったのか、はたまたフライパンが悪かったのか、きれいに焼けず、ぽろぽろになってしまった。ぽろぽろのパンケーキもどきにメープルシロップをかけて3人で食べる。

たぶん調子が悪いのはフライパンではなく私だ。昨日の疲れが残っていて、朝なのに口から「つかれた」ばかりが出てくる。足が重く、付け根が痛い。

「どこが痛いの?」夫が言うと、娘が「お父さんがこわくなるから言ってほしくなかったんだよー」と泣き顔になる。夫は心配してくれているのだと思うが、彼のシリアスな声のトーンが娘にはこわいらしい。「どこが痛いのかな?」夫がミッキーの声のトーンで話すと、娘がそれでいい、と頷いた。

キッチンでやっぱり足が痛いなと思っていると、娘がやってきて「ここ?」とマッサージしてくれた。娘のやわらかい小さな手で触ってもらうだけで良くなる気がする。

片付けが終わって自室でパソコンに向かっていると「お母さんきーてー!」と娘に階下から呼ばれた。行くと、夫と娘が並んで座っている。夫は左手をグーに握って胸の前で縦に、同じくグーにした右手を胸の下あたりで横にしている。娘は顔の下あたりで、両手で何かを握っている様子でいる。「おだいりさまとおひなさま!」「二人でやってるから、誰かに見てほしかったんだよね」。楽しそうな二人を写真に収めた。

夫と娘に昼ご飯の買い物を頼む。ゆっくりできるかと思ったが、あっという間に帰ってきた。

娘がどこで見てきたのだろう、3色のお餅を食べたい、という。餅はつくれる気がしなかったから、代わりに3色ゼリーをつくる。牛乳と砂糖とゼラチンを、抹茶やいちごで色付けし、順に冷やして固めた。

同時並行でちらし寿司をつくる。えびを剥くのは夫と娘がやってくれた。ちらし寿司、シンプルだけど、いろんな具材をちょこちょこ準備する必要があって手間がかかる。やり始めてから気づいた。

遅めのお昼ご飯に、ちらし寿司と3色ゼリーを食べた。

出張に夫が出掛けるのを見送って、2人で近所のアトリエまでおでかけ。今日までイベントを開催しているのだ。終了時刻をもう過ぎていたが、絵の展示などのぞかせてもらう。思いがけず会いたかった人にも会えて、嬉しかった。「ワークショップ」が大好きな娘は何か参加したかったようだが、さすがにタイムオーバー。次回のお楽しみとなった。

帰ってきて、届いたばかりのバレエの発表会のDVDを観る。少し遠くになっていた思い出が蘇ってくる。

夕飯は具だくさんの味噌汁をつくって、残っていたちらし寿司と一緒に食べた。

お風呂上がり、今日まで申込期限の講座に申し込むか迷っていて、自分の部屋に移動する。娘が追いかけてきて、私の部屋の椅子に膝立ちすると、何かの拍子に床に落ちて泣いた。「気をつけて」と言ったそばから、私の意識が散漫なせいだな、と思う。

いろいろを一旦諦めて、いつものようにストレッチをし、歯磨きをして、二人で寝た。


2024/3/4(月) 見事な仲裁

6時半頃に起きてきた娘は二度寝。深く寝ていたようで、8時過ぎに起こしてもなかなか目が覚めない様子だった。布団から抱っこして運び、寝ぼけ眼の娘を食卓の椅子に座らせる。

ご飯を食べ始めると「ご飯食べたら元気になってきた!」と目覚めた様子。

昨日のちらし寿司の残りに、桜の型抜きをしたにんじんなどを足して、お弁当にする。娘はいつも弁当箱に巻いたバンドにお箸とフォークをさしているから、そのようにしてテーブルの上に乗せておいた。

キッチンで洗い物をしていると、朝ご飯を食べていた娘が「ゆっとくけど」と言うのが聞こえる。「お箸はこうでフォークはこうね」。どうやら向きが違ったらしい。

ようちえんに送って私は家で仕事。途中余っているパイ生地を丸めてクッキーを焼いた。

家のプリンターの調子が悪く、近所のコンビニまでプリントに行く。あたたかくて気持ち良い日だった。帰りにコンビニの隣の八百屋さんで、玉ねぎとバナナを買って帰ってくる。

娘と夕方帰宅したらすぐ食べられるようにと、めずらしくようちえんに行っている間に夕飯をつくった。

今日の集合・解散場所の海岸までお迎え。海は風が強く寒かった。娘は早々と車に乗っている。同じく寒い思いをしている子たちがいつの間にか車の中に集まっていて、近所の公園に移動して遊ぶことにする。

公園に移動すると、子どもたちはおやつタイム。持参したりんごや白玉だんごなどを、大人の私にもくれた。うれしい。

しばらくすると、YくんとKちゃんが、何かを取り合っている。公園に落ちていたシャベルをKちゃんが持っていると、Yくんもそれが使いたい、となっているようだ。

娘が走って2人のところへ行き「Kちゃん、それ自分のじゃないでしょう。ちょっとYくんに貸してあげな。あとで返してもらえると思うよ。あっちで遊ぼう」と言うと、Kちゃんは納得したのか、シャベルを手放して娘と公園内の遊具に移動した。Yくんは砂場でひとり、シャベルを使っている。

見事な仲裁を、娘の破れたワンピースをちくちくしながら、少し離れた場所から見守っていた。

17時のチャイムが鳴るまで交代交代にブランコを漕ぎ続け、歩いて家に帰る。今日は帰ったら抹茶ゼリーをつくる約束を娘としていた。昨日の3色ゼリーがおいしかったらしい。

抹茶を溶いて、牛乳とゼラチンに溶かして、型に入れて冷やす。

夕飯の準備をして、できたよ、と食卓に持っていくと、娘はソファに腰掛けて寝ていた。声を掛けると目を開けたが、目が赤い。そういえば、たまに咳き込んでいる。熱はなさそう。

ご飯は食べると言って、たまにぼーっとして時間をかけながらも、それなりの量を食べた。夕食後「抹茶ゼリーも食べる!」というから、抹茶ゼリーにあんこを乗せて食べる。ほの苦い抹茶ゼリーにあんこが良く合う。

お風呂には入らない、と言うからその通りにして、着替えて、ストレッチと歯磨きをして、いつもより少し早めに寝た。


2024/3/5(火) 雨の中、花粉が舞っているのかもしれない

久しぶりに4時台に起きた。部屋で仕事していると7時頃、寝室から娘に呼ばれる。まだ横になっていた娘は「昨日、お父さんとお母さんと西友に行って迷子になった夢みた。だから早くお母さんの顔みたかったの」と言って、両手で私の顔をはさんだ。

階下に連れていく。ソファで私の膝に座ると、西友で迷子になる夢、鬼においかけられる夢、あともう一つぐらい怖い夢を見たと話した。

早めに起きた日ほど油断する。のんびりしていたら、間もなく家を出る時間なのに娘の着替えが終わっていない。「チャンチャーチャカチャカ チャンチャンチャカチャカ」と運動会で流れる歌を歌いながら2階に行き、脱いだり着たりを手伝って、なんとか間に合う時間に家を出ることができた。

娘を集合場所に連れていって、私は家に帰り、語り劇の練習と仕事。

お迎えの頃には雨が降っていた。MちゃんちのAちゃんも一緒にお迎えして、Mちゃんがやっているお店まで連れていく。同じようちえんのKちゃん親子とSちゃん親子もやってきて、みんなでゼリーやプレートを囲んだ。

Kちゃんから、メルカリの発送が遅いとメッセージが来た、という話を聞く。みんな早く届くことに慣れているし、荷物のお届けに限らず、なんでも早いことが評価されるなぁと思う。

家に帰ってすぐお風呂であったまる。Mちゃんのところでいろいろとおいしいものを食べてきたから、夕飯は軽くする。ごはんに私はふき味噌、娘は納豆。キャベツの蒸したのと、さつまいもの蒸したの。そば粉とオリーブオイルを溶いたスープ。

納豆を食べながら娘が下唇を突き出して「じいくん(おじいちゃんのこと)て、納豆食べるときこうするよね」と言った。たしかにやっているかも、と様子が思い出されて笑ってしまう。

夜中、鼻がむずむずして、くしゃみをして目が覚める。雨の音が聴こえる。雨が降ると花粉症がつらい、とそういえばKちゃんが言っていた。今夜も雨の中、花粉が舞っているのかもしれない。






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