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お母さんは20時閉店[2024/7/10(水)〜7/16(火)]


2024/7/10(水) 子どものケンカと大人の気持ちと

ようちえんの月に一度の懇談会の日。近所の友達を拾って、遅れて到着。

果樹園跡地の涼しい一角に広げられたビニールシートの上に腰を落ち着けて話す。
いろんなテーマがあって、たっぷり話した。

棒を持った男子数名が「〇〇ちゃんを倒すぞ」と娘のところにやってきて、娘が泣きながら私のところへ逃げ込んでくる。心がざわざわする。

娘を守りたいという思い、一方で私のところへ来られても困るという気持ち、集団でひとりを攻めることへのイライラ。とにかくいろんな感情が混ざって、全然懇談会に集中できない。

私にしがみついて泣く娘と、こちらを向いてヒートアップしてなにか言ってくる男子4,5人と。隣に座ってたAちゃんがその様子を見て「ヤな感じー」とつぶやく。そう、ヤな感じ。

立ち上がって、「そういうのヤな感じ!」と彼らに言う。そして娘を平和におしゃべりしてそうなグループのところまで連れていく。お当番のYちゃんがいてくれた。「お弁当食べよ」と声をかけてくれたYちゃんのところで娘は落ち着きそうだったから、離れて懇談会の輪に戻る。

男子たちは娘に攻撃をするのはやめたようで、今度は内部分裂を始めた。一緒に娘を攻める仲間だったはずの男子の一人が今度はやられていて、あーあと思う。

タイムリーに懇談会の話の流れで隣のAちゃんが、「子どもたちのやっていることを見て、それに反応する自分の心の動きを見る」という話をしていた。子どもたちが集団で誰かひとりを傷つける、そのことに対して、私自身の傷がうづいてるのだと思う。

自主保育のようちえんは。子どもたちのかわいいところや楽しいところもたくさん見るが、生々しいケンカ、人間の嫌なところなど見たくないものも見る。親にとっても修行の場だ。

ようちえんの後、Eコーヒーに行った。出張出店から帰ってきたEコーヒー。久しぶりのオープンだった。娘はすぐに友達を見つけて遊びに行ったから、私は友達と話しながらのんびりできた。もう根っこが生えて帰りたくなくなってしまう手前で帰宅。

帰りの車で娘に「あの後男の子たちは来なくなった?」と聞いてみる。「うん、かわいそうだからもうやらないって。ごめんねって謝ってくれた」。意外な展開でびっくりする。「それって誰か大人が何か言ったの?」「ううん」。子どもたちは勝手に解決してるのだ。涙が出ちゃう。でも「ヤな感じ」と言ったことは後悔しない。

帰宅して、すぐにお風呂に入りたかった。娘が入らない、と言うから私はひとりで入った。その間に娘はパジャマに着替えていた。

お風呂からあがるとバタバタと音がする。急に雨が降ってきたようだ。二人で夕飯を食べて、ストレッチをして寝た。


2024/7/11(木) お母さんは20時閉店

娘を海岸まで送る。集合場所で話していると、何か見つけた人たちがわっと走り出していくのが見えた。

「モグラ!」

小さなネズミぐらいの大きさの、茶色い動物が、砂の上を動いているのが見えた。土の中にいてなかなかお目にかかれないモグラ。初めてみた。子どもたちはモグラの方に近づき、追いかけたり、触ったりしている。

モグラの子はおうちに戻る穴が見つからないのか、小さな手を前へ前へかき分けながら、砂の上をあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。「目が退化してて見えないから感覚で動いてるんだよね」友達が言う。穴は見つかるだろうか。

気がついたら時間が経っていて、娘に別れを告げ、自転車に乗って来た道を急いで戻る。

Eコーヒーへ。友達二人と、自分のあり方を言葉にしていくワークショップをした。何度か開催しているけれど、一緒にする相手によっても、自分のそのときの状態によっても変わってくるから、とても楽しい。私自身も心に火が灯るような時間だった。

二人が今日のお礼としてごちそうしてくれた、バナナブレッドと水出しコーヒーを手に、自転車で家まで戻る。荷物の一部を玄関に置いて、すぐに車に乗り換えて海岸へ。

風がビュービューと吹いていた。湿気はあるが、少し肌寒い。

子どもたちを預かる放課後。リュックをしょった一人の子が「もう行こう」と言う。寒さに耐えかねたらしい。子どもたちを車に乗せて、海岸から公園へ移動した。

仲良く遊び始めた娘と男の子がいつの間にかケンカしている。娘が泣く。一人っ子だから、たまにはケンカしたり、泣かされたり、友達との間で揉まれたらいいと思う。ただそれはやり過ぎ、というときは止める。

公園の中で少しずつ場所を移動しながら、夕方まで遊んでいた。やがて子どもたちの母が迎えに来て、解散する。

家に帰って、遊び始めた娘を説得して、お風呂に入る。最初にお風呂に入るのが早く寝るコツだと最近わかってきた。夕飯は昨日の残りに、とうもろこしを茹でたのと、コロッケと。

食べ終わった頃に、仕事を終えた夫がやってきた。「もうお風呂と夕飯終わってるの!」と驚かれて、ふふふ、と得意な気持ちになる。

娘と夫がかくれんぼを始める。「一番むずかしいのにして」と娘に言われると、夫は服を脱いで、バスタブの中にそーっと隠れた。しかし、蓋を閉める音やお湯に入る音が聞こえたのだろう。すぐに娘に見つかった。

今日は楽しみにしていたエンタメがあったから「20時になるとお母さんは終了します」と伝える。「だんだん〇〇ちゃんの声も聞こえなくなります」。焦り出した娘と、ストレッチをして、歯磨きをして、寝る支度をする。

夫に寝かしつけを任せて、私は自室へ。20時になったから「お母さん」は店仕舞いとした。毎日こうしたい。


2024/7/12(金) 新聞紙で作ったボール

雨の日。娘のようちえんの集合場所は町内の施設になり、車で送っていく。

スーパーで買い物をして帰宅。仕事をして、キリがついたところで、近所のRちゃんのお店へ。作家さんの展示会が開催されていた。

Tシャツのプリントがかわいい。私はシンプルなTシャツがあまり似合わなくて、部屋着か運動着ぐらいでしかほとんど着ないのだけれど、この夏はTシャツデビューしようと思って購入する。

帰宅して身につけてみたら肌触りがとても良くて、脱ぎたくなくなった。そのまま着て過ごす。

原稿を書くのに必要な動画を見ていたら、最後まで見終わらないうちに娘のお迎え。

そのまま娘とカフェIへ行く。解散場所からバレエスタジオまでが近いから、帰らずに過ごそうと思った。久しぶりのIで、あんずや桃のケーキが乗ったプレートをお願いする。

ゆっくり食べたいのに、二人で食べると取り合うように食べることになって忙しい。遊びにきていたパティシエさんとおしゃべりをして過ごす。

車で移動してバレエへ。娘はストレッチをしたらいつもより柔らかくなっていて、「今の見た!?」という顔でこちらを見る。親指を立てて「いいね」を返した。

帰ってきてしばらくぼーっとした。重い腰をあげてお風呂に入る。かえるの歌の輪唱を、私と娘が交互に前後になりながらした。娘は私にだいぶつられていたけれど、4,5回目にはしっかり輪唱できるようになった。

夕飯を食べ終えると娘がリュックから新聞紙で作られたボールを出してきた。ボールの外側の紙を開きながら、「これ今日、あの子に嫌なことされて泣いてたらお友達が絵描いてくれた」と言う。そこから夫と3人で少し話した。

娘と布団に入る。「どうしたらいじわるされなくなるんだろう」と娘が言う。「まずは自分が誰かに嫌なことするのをやめてみたら。人にしたことは自分に返ってくるよ」。「そうなんだ、じゃあお休みの次のようちえんからそうしてみる」。まだとても素直なのだ。

「人にしたことは自分に返ってくる」。そう言ってみたけど、こういうのは経験で身を持って知るしかないことだとも思う。私は私にできることをして、時を待つしかない。


2024/7/13(土) 作る喜びを大切にしていい

起きてきた娘が、「今日作るカバンの絵を描かなきゃ」と言う。今日はバレエスタジオの工作ワークショップがあって、デザイン画を持っていくことになっていた。よく覚えている。

朝ご飯を食べて、スケッチブックを持ってくる。「どんなのにしたらいいかな?」。廃材でどんなバッグができるのだろう、と思わずスマホで調べてしまう。娘が見せてほしい、と言うから、画像を見せると「これにする」と画像を指さした。

しまった、と思う。もっと自由に発想できたかもしれないのに、あるものの中から選ばせるようなことをしてしまった。

とはいえ、その選んだかばんとは形こそ近いけれど、色や柄などは異なるカバンの絵をスケッチブックに描いた。「〇〇のばっく おはなばっく」と下に文字を書いている。「く」が鏡文字になっている。

デザイン画と、家にあった段ボールやリボンなどを持って、スタジオへ。段ボールをハサミで切ったりしながら作る。

基本は娘が作業をして、段ボールと段ボールを接続するためにテープを貼るときなどは、抑えるのを手伝った。たまに、これをこうやってつけたら面白いんじゃない?とアドバイスしてみる。どこまで関わるか悩みながらやっている。

周りを見てみると、子どもが全部やっていて見ているだけの人もいたし、親の方が一生懸命やっている人もいた。

娘はお気に入りのバッグができて嬉しそうだった。純粋に作ることが楽しいらしい。我が家では夫が工作全般担当で、私は折り紙でさえ滅多に一緒にしない。工作をしていると「得意ではない」と思ってしまう。でも、そう思ってしまうのは、自分よりうまくできる誰かと比べているからかもしれいないなと思う。もっと自分の作る喜びを大切にしてもいい、と娘の姿を見て思う。

家に帰る。一息つくかつかないうちに、母がやってきた。娘と母と、Rちゃんのお店の展示会を見に行く。お庭でとれたいんげんをRくんが娘にくれた。

夫も一緒に、車で隣町のハンバーガー屋さんへ寄り道して、隣の隣の街の美術館で開催されている、絵本作家の展覧会へ。

展覧会は、平面だけでなく立体や映像や色々な表現があってとても面白かった。子どもが遊べる仕掛けも用意されていて、娘もおばあちゃんと楽しんだ。

母を駅まで送り、家に帰る。

ご飯を炊く準備をして、夫はソファで眠る。

今日はこれから団地仲間と食事会の日だ。一品持ち寄りに何を持っていこうかと考えて、エビを買っていたことを思い出す。食べたかったパッタイを作る。

途中でピンポーンと鳴って、扉を開けると、お隣に引っ越してきた夫婦が挨拶に来ていた。挨拶をして、扉を閉めると娘が「良さそうな夫婦だったねえ」と大人みたいな口調で言うから笑ってしまう。

熱々のパッタイを抱えて食事会へ。娘は一通り食べるとすぐに、子どもたちと遊びに行った。夫は娘に「遊びにきて」と誘われる。「あとで行くって言ったから行くか」と律儀に外へ出ては、なかなか戻って来れなくなっていた。

20時過ぎに帰宅。とても眠かったけれど、ストレッチをすることに。「お腹いっぱいだからやめておく」という夫を残して、娘と二人でストレッチをして、寝た。


2024/7/14(日) やってみたらやっぱり楽しい

連休中日。先週風邪をひいて寝込んでいたから、今週こそ自転車を漕ぎに、プールに、娘と夫は出かける計画をしているが、なかなか晴れない。

お祭りのお囃子のリズムが聞こえてくる。そういえば今日はお神輿が出ると回覧板で回ってきていた。雨の中、傘をさして3人で出かける。お囃子の音を頼りに歩いて行くと、お神輿に遭遇することができた。立派な鳳凰がついた、重たそうなお神輿だ。子ども神輿もあった。方向転換をするところに居合わせて、わっしょいと担ぐ人たちを見て、満足して家へ帰る。

家で過ごす。娘と夫は折り紙をしている。

私は絵本をスキャンしてパワーポイントを作る。今日の夕方マルシェでやる「語り劇」の準備。スキャンした画像を変換して、余分なところを切り取ってきれいにして、パワーポイントに貼る。意外と時間がかかる作業。だんだん面倒になってくる。

「やっぱりやりたくないかも〜」と言ってみる。誤解のないように補足すると、「語り劇」をするのは楽しい。出演の声を掛けていただいたこともとてもありがたく、聞いてもらえるのもとても嬉しいこと。ただ準備の過程で気持ちが元気になれないときがある。

娘が「やってみたら、やっぱり楽しかったってなるかもよ。だからやってみよ」と励ましてくれる。

なんとかパワーポイントが完成して、画面をめくる夫と打ち合わせをした。

マルシェのテーマは縁日だから浴衣を着ていこう、と娘の浴衣にアイロンをかける。「お母さんとおそろいで着たい」と言われたが、帯を締めている時間がなさそうであきらめる。

華やかな柄のワンピースが絵本の雰囲気に合っているかも、と思い、着替えてでかけた。

語り劇は無事にできた。子どもたちが前の方に座ってみてくれていて嬉しかった。ほっとして、娘がクレープづくり体験でつくったクレープを食べたり、ロールケーキやあんぱんや、いろんなおやつを買い求めたりした。

ホームセンターに寄り道して帰宅。

母にもらった玄米麺を茹でて、豚バラを炒めて肉そばにする。昨日Rちゃんちの庭でもらったいんげんは、茹でて胡麻和えにした。娘が「おいしい」と胡麻和えをたくさん食べる。私は子どもの頃いんげんがそんなに好きではなかった記憶があるが、娘は抵抗なく食べる。友達の畑で取れた新鮮ないんげんはおいしい。

夫と娘がいる寝室に後から入る。ごろごろしながら二人が真ん中にいる私の上に乗ってくるから、暑くて重くてたまらなかった。楽しそうに遊んだ二人が落ち着いたから、ホッとしてよく寝た。最近は、クーラーと扇風機と両方つけて寝ている。


2024/7/15(月・祝) 毎日のように枝豆を茹でている

久しぶりに日差しのある朝。パジャマでパソコンに向かっていた。娘は私の部屋で、ノートをコピーをしている。最近使い方を覚えて、自分でコピーが取れるようになった。

ピンポーンと音がする。インターホンを付けると、父と母がいた。朝来る、とは言っていたが、いつも思いの外早い。

父が育てたスイカをポンと手渡してくれる。ついでに我が家のヘチマの育ち具合を見てもらう。撒いた種が全て発芽してしまったが、このプランターの大きさ的には2つもあれば十分らしい。残りの芽はポットにでも植え替えた方がいいとアドバイス。

庭の雑草を見ると、「雑草は刈るより踏んだ方がいいらしいよ」と言って、母がひたすら室外機の前で繁殖するランタナなどを踏んでくれた。そして「じゃあね」と車に乗り込み去っていった。

もらったスイカを大きめのボウルに入れて冷やす。

朝ご飯にホットケーキと桃を食べる。近所の八百屋さんで買った桃、甘くて冷えてておいしい。

スマホのアプリで天気をチェックして、夫と娘は自転車に乗りに交通公園にでかけることにしたようだ。雨の降らないうちにでかけよう、と二人は急いで準備して出かけていった。

私は今日締切の原稿に取り掛かる。

お昼ご飯にそうめんでも食べようと思ったら、レトルトのグリーンカレーを発見。冷凍ご飯を温めて、グリーンカレーを食べる。

食後眠くなってちょっと昼寝したら、今がどこで何時なのかわからなくなった。

夕方娘と夫が帰宅。娘は「自転車乗れた!」と喜んでいる。今日ついに、補助輪のない自転車に乗れるようになったらしい。

夫は、我が家の観葉植物、ウンベラータの剪定。ひょろひょろと伸びすぎてしまったから、カットして再生させている。切った幹は水耕栽培で根を出してから土に植え替える。

私はもうすぐ終わりそうな原稿に向き合っている。

娘が「この子はうんべーちゃんね、女の子。かわいくない?」と、本体のウンベラータに名前を付けているのが聞こえる。うんべーとは男の子っぽい。忍たま乱太郎に出てきたような、と思ったけれど、娘は女の子の名前だと思っているようなので突っ込まないでおく。夫も「かわいいね」と言っている。

「うんべー、元気に育ってね」と話しかけていた。

剪定を終えた二人は今度は「病院ごっこ」をしている。病院と言っても産婦人科なのだろう、赤ちゃんのお産ばかりしていた。

二人がお風呂に入るという頃に、ようやく原稿を提出できた。「ママと入るー!」とくっついてくる娘に「ごはん作るからお父さんと入って」とお願いする。「お父さんとお風呂に入ってくれたら、絶対一緒に寝るから」。

娘はしばらく粘っていたが、どこかで心を決めたのだろう。夫におんぶされてパジャマを取りに行った。戻ってくると「お父さんにおんぶしてもらっちゃった」と嬉しそうな様子で、洋服をするすると脱ぎ「お父さん!もう入る準備できたから」と言って、後からやってきた夫を驚かせた。

夕飯を作る。二人がたっぷり長めにお湯に浸かってくれたから、しゅうまいを包んで蒸すことができた。あとは炒め物と茹でた枝豆と。最近あっちでもこっちでも農家さんの枝豆を買って、毎日のように茹でている。

寝支度を済ませ、娘と約束した通り、一緒に布団に入って寝た。


2024/7/16(火) ヒュッゲってなに?

4時の目覚ましを止めて、4時半に起きる。最近は目覚まし時計に抵抗しがちだ。

今日の取材の荷物を準備して、娘のお弁当を作る。娘を友達に預ける日だから、おやつも作る。何か焼き菓子でも作ろうかと思っていたが、そんな時間はなく、とりあえずさつまいもを蒸す。できあがったお弁当とおやつと、お箸とフォークと、それぞれを包む袋と、中身を入れ替えた水筒をテーブルに置く。よし。

身なりを整えて、リュックを背負って、家を飛び出す。6時5分前。

予定していた電車に間に合って出発。千葉まで2時間半電車に揺られ取材先へ。朝から夕方まで一日を過ごし、たくさん話してたっぷり感じた。

充実感を抱えて、夕方電車に乗って帰る。乗り換え途中の駅で肩こりと頭痛がやってくる。長時間の移動や一日がかりの取材の終わりにやってくることがある。

シュワシュワが飲みたい、と思い、自動販売機でレモンスカッシュを買う。泡が喉を通る瞬間は、痛みやジメジメした空気が吹っ飛ぶ気がした。

乗ろうと思った電車が混んでて、一本見送り、次の電車に乗って帰る。グリーン車に座る。スマホの文字を追うのも疲れてしまい、持ってきた本も読めないまま、リクライニングしたイスにもたれ、窓ガラスを雨が伝っていくのを見てぼーっとしていた。

7時前に家に着く。ドアを開けると「おかえり」の声。夕飯を食べているようだ。

「せーの!ヒュッゲってなに?」と娘と夫が声を揃える。今日行った取材先は「ヒュッゲ」をテーマにしていて「ヒュッゲって何か聞いてくるね」と言っていたのだ。

「心地よい時間のことみたいだった」と言いながらヘロヘロと荷物を置く。頭が痛いと話すと、夫が低めの声で「大丈夫?もう寝な」と言う。「そんな怖い言い方しないで」と娘が言う。

7時前にお風呂を済ませて、ご飯を食べ終わろうとしている。ついつい何もかも遅くなってしまう私より、夫の方がよっぽど子育てに向いている、と思うことがある。

私は夕飯を食べる気力も湧かなくて、寝る準備をする。

夕飯を食べ、歯磨きを終えた娘と布団に入る。

「ヒュッゲっていうのは、好きな人と好きなことをする時間のことみたいだよ。〇〇ちゃんはどんなことが思い浮かぶ?」「うーん、ママとお茶することかな」「それはヒュッゲだね。お母さんはこうやって〇〇ちゃんと一緒に寝るのもヒュッゲだな」「これがヒュッゲか〜」と言いながら二人でゴロゴロした。

夜中、暑くて喉が乾いて目を覚ます。今夜は涼しいかと思い、クーラーをつけずに寝ていた。水を飲みに行こうと立ち上がったら、娘に「どこ行くの?」と言われる。娘も起きていたようだ。

一緒に水を飲んで、クーラーと扇風機を付ける。二人ともなかなか寝付けなくて、トイレに行ったり、再び水を飲んだりを繰り返した。

「今度〇〇ちゃんとお母さんで“ひみつのたからもの”って絵本描かない?」と娘が言う。「川の中にひみつのたからものを見つけるの」「川の中が光ってたっていうのは?」「いいね、川の近くで焚き火してマシュマロ焼いたりしてるってことね」。

そんな話をしながら、涼しくなっていく部屋の中で目を瞑ってゴロゴロしていたら、いつの間にか眠れていた。

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