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優しさを響かせたチーズ[2024/5/22(水)〜5/28(火)]



2024/5/22(水) お花畑と寝不足

「やらなければいけないことがある」と思っていると、目覚ましをかけなくても早く目が覚める。頭の中は「起きなきゃ」でいっぱいで熟睡できていなさそうだ。

2時に起床。パソコンを開き、すぐに原稿を書き始める。今日はようちえんの懇談会があるから、朝しか仕事ができない。8時になんとか書き終える。ほっと一息。

朝ご飯を準備し、お弁当を2人分こしらえ、娘と今日のようちえんの集合場所に出かける。娘と通う自主保育のようちえんには、月に一度親同士がたっぷり話す時間がある。今日も9時半から14時まで、よく話した。日頃のもやもやを共有するこの時間がとても大切だ。

懇談会の後は、手仕事の会に参加。布に花を乗せて、蒸して染める、バンドルダイの会だった。娘は、何か作る体験をする「ワークショップ」というものが大好き。手ぬぐいに、用意してもらった黄色や青や紫の花、それに赤い桑の実を拾って乗せる。一面に花が乗った手ぬぐいを、端からぐるぐる巻いて、タコ糸で結んで、蒸し器の中に入れた。

蒸しあがりを待っている間、すぐそばで開催されていた、月に一度のマルシェで歌う会の練習に参加する。練習、と言っても、レパートリーやこれからやりたいと思っている曲をみんなで気持ちよく歌うだけ。大きな声を出すと、とてもすっきりする。

「残酷な天使のテーゼ」を歌い始めると、娘が踊り始めた。それにお友達のKちゃんも加わった。踊りたいからもっと歌って!とリクエストされて、また歌った。

いつの間にか、バンドルダイが蒸し上がっていた。タコ糸をほどいて、ぐるぐる巻きを開くと、きれいに花の色が乗っている。桑の実はピンク色に染まっていた。「かわいくできた!」と娘が喜ぶ。みんながそれぞれ作ったものを、並べて干している光景は、花畑のようだった。

帰宅する。「あのむいて食べるやつない?」と娘に言われてアーティチョークを焼く。

料理をしながらスマホで目にした、誰かの悪意のないテキストに足元がグラグラする。基本的に前向きでストレートな私が落ち込みそうなとき、これは寝不足のサインだ。


2024/5/23(木) 優しさを響かせたチーズ

ようちえんの集合場所まで送り、帰って原稿。なんとか提出することができてお迎え。3日連続原稿を出している。こんなことはちょっとめずらしい。

放課後子どもたちを預かる当番だった。ストライダーやキックボードを乗り回したり、植物を見つけて遊んだり、コンクリートの地面に絵を描いたりしている子どもたちを、ぼーっと眺めていた。一緒に子どもを見ている友達に「疲れてる?」と言われた。たぶん疲れている。

Eコーヒーでベトナムの民芸が展示されている、と聞いて見に行く。Kちゃんがいて、一緒に見る。竹布でできた、ツルンとした手触りのとても気持ちがいいお洋服を試着させてもらった。深い緑が素敵だったが、あまり着ない色な気がして買うに至らず。

夕飯の買い物をする。週末友達の家で食べたタコスを早速我が家に取り入れようと、タコスの皮とディップソースをカゴに入れる。異国食品コーナーには米麺やナンプラーなども売っていて、ついでに購入。そのうちパッタイでも作ろう。

家に帰ると「タコスパーティする!」と娘が喜ぶ。こんな疲れている日には簡単で良いかもしれない。ひき肉を炒め、レタスをちぎり、ミニトマトと玉ねぎを切る。即席タコスパーティの準備ができあがり。

思い思いにタコスの皮に具材を乗せて、ソースをかけて食べる。おいしいおいしい。むしゃむしゃむしゃ。

スライスチーズが、3枚しかなかった。娘と1枚ずつ使う。残り1枚は、夫にとっておく。

「チーズはもうだめ?」と娘が聞く。「うん、あと1枚はお父さんのだから」と答えると「そっか、私たちはお父さんの優しさを響かせてるんだもんね」と言った。

やがて帰ってきた夫。優しさを響かせたチーズを挟んで、うまいうまいとタコスを食べた。


2024/5/24(金) ホタルの夕べ

3日連続の原稿提出の波が終わり、さてそろそろ落ち着くかと思いきや。今日は出店だ。近所のY雑貨店のお庭で開催するマルシェに、本屋さんとして出させてもらう。新しい本を仕入れに行きたいところだったが、余裕がなく、家中の本をかき集め、朝の時間に値札をつけた。

朝、娘にお弁当を作る。娘は自分で弁当袋に仕舞うから、毎朝弁当箱の蓋を閉じて、テーブルの上に置いておく。「何入ってるか見てみよう」と蓋を開けると「わーおいしそう!」と声をあげる。どんなにぱぱっと作ったお弁当でも、いつもそう言ってくれて思わずにっこりしてしまう。

娘をようちえんの集合場所に送り、家へ戻る。荷物を抱えて、Y雑貨店へ。暑い日だった。本を運んだり、並べたりしたら、汗をかいてきた。「本屋は体力仕事だ」と何かで読んだのを思い出す。

忘れ物を取りに家に帰ったついでに、薄手の服に着替えた。

出店はゆるりと始まった。自分がお客さんの立場だと、何か買わなきゃ、という気持ちになるが、出店者側だと、買わなくても全然いいから、見てってね、という気持ちになる。

友達のS夫妻が遊びに来てくれた。手にしていた、大きなれんげの花輪がかわいい。「なおこさんに」と言われて、わーどこに飾ろう?と思っていたら、かぶっていた麦わら帽子の上に乗せてくれた。そのままぐぐっと押し下げてもらうと、れんげの花輪がぐるりと囲む麦わら帽子ができあがった。鏡を見てみたらとてもゴージャスだった。

同じくマルシェを開催している、ごはん屋さんWへタコライスを買いに自転車を走らせた。昨晩のタコス、からのタコライス。タコづいている。

以前Eコーヒーで開催した、「大人も楽しめるおはなし会」に来てくれたMさんに会った。帰り道自転車で同じ道を走る。「これから娘のお迎えで」と言っていたら「あのかわいい子ね!」とMさんが言う。そういえばおはなし会のときにとても気に入ってくれていた。「ちょっと色っぽくて、ちょっとかしこそうで、魅力的な子よね」と言ってもらう。「ありがとう」となんだか照れる。そんな風に見えるのかあ。とても興味深い。

帰宅するとようちえんのお迎えまで時間がなく、急いでタコライスをかきこむ。ようちえんのお誕生日会の日で、お迎えの時間がいつもより早かった。

5月生まれの子どもたちのお誕生日会。歌を歌い、お誕生日の子の母たち作の、おいしいフルーツポンチとシフォンケーキをいただいた。

娘を連れて、Y雑貨店へ戻る。不在にしている間に、いくつか文庫本や絵本が旅立っていた。

娘が「お店屋さんする!」と張り切る。出店仲間のHちゃんを捕まえて「どれ買う?」と言っている。出品されている本のことは説明しないのに「どれ買う?」ばかり言うものだから、押し売りも甚だしい。Hちゃんは娘の押し売りに負けたのか、文庫本を買うね、と手にとってくれた。

出店の終了時間が来て、片付け。家に帰って支度をして、今度は娘のバレエへ。忙しない一日。レッスンの後、スタジオのみんなでホタル鑑賞に行く予定だったから、娘はドレスコードの浴衣へ着替えて行く。

金曜日の夕方は一週間の疲れが出る時間で、レッスン中に随分眠たそうな子もいた。「がんばれ」と応援しながら見学する。娘は大変楽しそうに張り切ってレッスンしていた。

ホタル観賞まで時間があり、一緒にホタルを見に行く友達たちと夕飯へ。中華屋さんまで片道歩いて10分の道のり。車を動かすのが面倒で歩いて行く。白ごま担々麺がマイルドでおいしい。随分待ち時間があると思ったのに、子どもたちが食べ終わるとそろそろ集合の時間だった。

集合し、みんなで連れ立って、ホタルが見られる公園まで歩いていく。集合した時には明るかったのに、公園に着く頃には、誰が誰やら判別できなくなっていた。

菖蒲畑の上にかけられた橋を渡る。すぐに光を放つホタルが見つかる。ポウッと光っては消え、またポウッと光る。空の色が濃くなるにつれて、たくさんのホタルが見えてきた。木の一面で群生したホタルが光る様は、まるで星のなる木のようにも、流れ星のようにも見えた。

ゆっくり一周したところで、もう解散の時間だった。駐車場まで歩いて帰り、帰宅する。お風呂は適当に済ませて布団につく。目を閉じても、まぶたの裏でホタルが光っていた。


2024/5/25(土) 牡羊座っぽいスピード感

出店2日目。昨日文庫本が結構売れてしまったので、何か新しい本を出さなければ、と本棚を探す。買ったまま読んでいないマンガ3冊を見つけ、朝の時間に読み終え、値付けをした。

ゆっくり起きてきた娘と夫と朝ご飯を食べて、出かける。二人は夫の元同僚仲間たちとするBBQへ出かけていった。

出店中は、自分のブースにゆっくりしていることなく、うろうろと他の人のブースを覗いては、掘り出し物を探す。ひとつのところにじっとしているのが苦手だから、ぐるぐる周りながらも自分のブースにも目線が届く、このお庭の広さがありがたい。ヘアバンド、アクセサリーパーツ、ワンピース、カトラリー、良いお買い物をした。

お昼時になって、近くのアトリエで開催しているマルシェへ足を伸ばす。お弁当を頼んでいた。Nカフェさんのお弁当と、アトリエのメンバーが持ってきてくれたイチゴなどをいただく。朝読んだマンガを出品した話をしたら、「スピード感が牡羊座っぽい!」と言われる。そうかもしれない。

今日もいろいろな本が旅立っていった。みなさまの楽しみの時間に加われたらいいなと思う。本屋さんをすると、本が売れることは二の次で、本を介していろんな人と話せるのが楽しい。そういえば今朝読んだマンガは、昨日娘に文庫本を押し売りされた出店仲間のHちゃんが持っていってくれた。

出店の片付け。Y雑貨店のお庭で実っていたじゃがいもとレタスをいただいて帰宅。仕事。週末のうちに終わらせたい仕事があった。

夫と娘が夕方帰ってきて、急いで夕飯をつくる。早めに作り始めようと思っても、ギリギリまで仕事を粘ってしまう。

娘は終始緊張していたとか、かき氷を食べたとか、迷路で二人で迷子になったとか教えてもらう。

今日も娘のリクエストでアーティチョークを焼いた。新しく買ってきたアーティチョークは、焦げ目がつくまで焼いたはずなのに身の部分が固く、味も苦かった。


2024/5/26(日) 畑と虫取りとジューンベリー

朝だ!と思ったらまだ0時半だった。次に起きたのは2時半。4時の目覚ましにビクッとなって身体を起こす。なかなか疲れがとれない。

週末の間に終わらせたい仕事があって、頑張る。

起きてきた娘と夫と朝ご飯を食べる。月に一度の子どもと一緒に参加する農園の活動日で畑へ。

雑草を刈りたいのに、雑草なのか、先月撒いた野菜の種が成長したものなのか、いつもわからない。わからないまま、私は「えーい!」と勢いで刈ってしまう人間なので、きっと失っているものも多くあるに違いない。

とはいえ、畑はきれいになった。小さな畑に、ニンジン、ラディッシュ、ミニトマト、枝豆、イチゴが育っている。今日ナスとピーマンの苗を植え、インゲンの種を撒いた。「紐とってきて」「草のおふとんかけて(草マルチのこと)」などお願いするとやってくれる娘が頼もしい。

ニンニクを収穫して帰る。隣の畑の友達が、ニンニク麹をつくるとおいしいと言っていた。やってみよう。

帰宅すると夫が、今日は我々二人とも疲れてるからラーメン食べに行こう、と言ってくれた。ありがたい。まだ行ったことがない、近所のラーメン屋さんに3人で歩いていく。

食券を買っていると、ちょうど出ていく人たちがいて、テーブル席につくことができた。ネギがたっぷり乗った私のラーメンを娘に分ける。結果、私は「もうちょっといける」という感じになって夫に少し麺をもらった。食べ終わった娘も「まだお腹パンパンって感じじゃない」と言ったから、今度は大盛りを二人で分けることにしよう、と思いながら店を出た。

家に帰って、もらいもののシャーベットを冷凍庫に移す。5種類味があって、私は最初にイチゴを食べた気がするが、その後何を食べたか忘れてしまった。「お母さん何食べたんだっけ?」と言うと娘が「お母さんは最初イチゴで、次メロン食べてた」と教えてくれる。自分だけではなく、人の分までよく覚えているなあと感心する。娘は私よりよっぽどいろんなことを覚えている。

帰ると娘は白いワンピースへ着替えた。おばあちゃんの新作である。今日はこのワンピースを着て、虫取りに行くことを楽しみにしていた。ようちえんで自作した虫取り網を手に持ち、前の幼稚園でもらった虫かごを肩から斜めにかけ、麦わら帽子をかぶる。瀟洒な虫取りスタイルである。「写真撮ってきてね」と夫に言うと、「今写真撮って」と娘が言うから、玄関の前でポーズをとる娘を写真に収めた。

パソコンに向かって朝していた仕事の続き。無事に終わると、娘と夫が帰ってきた。白いワンピースに早速赤いシミがついている。「桑の実食べた?」と聞くと、その通りだった。「赤いの付いてるよって言ったら、“うん、桑の実染め!”って言ってた」と夫が教えてくれる。

冷やしていたシャーベットを食べて、一眠りした夫を起こして、車に乗ってS家へ。昨年新築のお祝いに植樹したジューンベリーが食べごろだから遊びにきて、とご招待いただいた。

娘はなぜか、カメラ(夫が昔使ってたコンデジ)とハーモニカ(私が持ってたブルースハープ)を両手に持っている。後ろ手に隠しながら、S家へ続く階段を登る。

ジューンベリーは鳥に食べられないよう、ネットで保護されていた。よく見かけるのは赤いものだが、紫色に熟れている。夫に抱き上げられた娘が最初の一粒を口に運び、続いて私の口に入れてくれた。甘い。思っていたより、しっかりと甘みと酸味があっておいしい。

保護してもらっていたジューンベリーをパクパクと口に運んだところで、Aさんがジューンベリーシロップをおうちから持ってきてくれた。炭酸で割っていただく。

甘酸っぱいジュース。頭がツンツンと飛び出た赤いベリーが泡の海に浮かんでいるのがかわいい。夫は「酸っぱい」という顔をしてる。娘が「お父さんは酸っぱいのとか食べられないんだけど、〇〇ちゃんとお母さんは何でも食べられるんだよ、ね」とこっちを見て言う。

鳥にベリーを食べさせたい娘が、にぎやかで楽しそうなら来てくれるだろうか、と「みんな並んでわちゃわちゃして」とマルシェを演出しようとしたり、ハーモニカを吹くからそれに合わせて踊れ、と大人たちに指示したり。随分自由に過ごしたあと、「帰りたい」というのでお暇することになった。

家に帰る。夫は昼寝して、起き上がると我が家の鉢植えの剪定を始めた。私は庭の草刈りをした。すっきりしていて居心地の良いS邸の庭にいたら、我が家のワイルドな庭も少し手入れしたくなったのだ。放って置きっぱなしの雑草が随分増殖して、手強かった。

日が長いから油断して、気がつくと7時が近い。慌てて夕飯を作る。メインから作ればいいのに、レタスをサラダにしたり、きゅうりを塩もみしたり、サイドから作ってしまう。

メインを作り終えた頃、娘と夫はお風呂からあがってきた。娘が食卓に座ると、「お母さんのつくるご飯ってキラキラしてるね」と言う。疲れた日のぼちぼちご飯だけど、嬉しくなる。「このレタスは昨日Rちゃんちからもらったのとうちの畑のが混ざってて、この炒め物には今日うちの畑で収穫したニンニクが入ってて」と説明すると夫が「豊かですなぁ」と言った。今日も豊かでしたなぁ。


2024/5/27(月) 娘の手料理

部屋でパソコンに向かっていたら、「ママーママー」と娘に呼ばれる。「はいはーい」と寝室へ行く。「さっきまでこわい夢みてた。ママが悪者になる夢。だからママに会いたくなっちゃったんだ」。「ママは悪者じゃないですよー」と言いながら二人でしばらくゴロゴロする。

起きあがって、朝ご飯を食べて支度。チャーハンをつくってお弁当に詰める。ちょっとしょっぱくなってしまった。

集合場所へ娘を送る。今日のイベントの準備などしていて、少し遅刻。娘に別れを告げて、車の中で仕事する。今日これさえ終わればゆっくりイベントに参加できる、というものがあった。なんとか終わらせることができて、Eコーヒーへ。

主催する、月に一度の読書会を開催した。先月初めて参加してくれた方が、今回も参加してくれて嬉しい。また今日も本の話や、本から派生したその人の生活のあり方や興味関心なども話すことができて楽しかった。

Mちゃんがやってきて、ランチをつくってくれた。アジフライサンドにビーツのポテトサラダ、豆とたくさんの野菜が煮込まれたスープ。とても贅沢な気分を味わう。

午後はAちゃん主催の香りのワークショップ。先月はバタバタでお休みして、今月も無理かと思ったが、一山超えたので癒やしの時間に参加する。昨日2周年を迎えたEコーヒーをイメージした香りをみんなで作る。いつもは自分の気に入る香りをそれぞれが作っているが、みんなでひとつのイメージを形にしていくのも面白い。いろんな香りをブレンドして、「これはまさに!」と思える良い香りができた。

Mちゃんが娘のようちえんのお迎えに行ってくれて、娘がEコーヒーにやってきた。「お母さん!」と駆けてくると、すぐに私の膝の上に座る。「空き瓶持ってきた?」と私の耳に囁く。「持ってきたよ」とテーブルの下のリュックの中から瓶を取り出した。

いつも空き瓶に、私のとは別の香りを追加で作らせてもらっている。娘はワークショップが大好きなのだ。パッと手に取った瓶の香りを嗅ぎ、好きと思った香りだけ入れていく。「最後になんの香りを足す?」と聞かれると、迷うことなく「ラベンダー」と言った。5歳にして好きなアロマがすでにある。

お気に入りの香りができて大満足な娘と家に帰る。パソコンを開いたらやることがあって、動けない。

娘が「梅ジュースつくろう!」と言う。よいしょと立ち上がり、Eコーヒーで買ってきた梅を洗う。拭いてボールに入れると、娘がヘタをひとつひとつ外していった。昨年梅シロップに使ったガラス瓶を地下収納から取り出す。内側を消毒する。娘が梅を5つ入れたら、私が砂糖を入れる。交互に何度か繰り返して、梅シロップの準備は整った。

さてそろそろ夕飯を作ったほうがいい。でもやる気が起きない。

見かねたのか、娘が「〇〇ちゃんがご飯作ってあげるよ!」と立ち上がった。冷蔵庫からニンジンとナスを取り出すと、「これで炒めものつくるね!」と言う。私はやったことがない組み合わせ。私も重い腰をあげて立ち上がり、ニンジンとナスをそれぞれ縦に半分に切ったり、洗い物を片付けたりした。

娘は自分でいちょう切りにする。そしてフライパンに油を引き、フライパンを傾けて丁寧に油を全面に行き渡らせると、炒め始めた。「何で味付けするの?」と聞くと、「塩かな」と言う。塩を渡す。「あとは醤油」冷蔵庫から取り出して渡す。「お酒とかみりんとか味噌もあるよ」と言うと「じゃあお酒」という。大きなビンなので、今度は私がフライパンに入れてやった。娘流で味をつけて完成。

朝作ったチャーハンの残りと、そら豆を焼いたもの、チーズを乗せて焼いたがんもどき、それに娘作の炒め物を食べた。娘がつくった料理は優しくて甘くておいしい。料理は作った人の味がするんだと思った。

娘がぶどうジュースをワンピースにこぼした。「染めものってことでいい」と言う。草木染めなどと同じ、とみなしたいらしい。「それは洗って」と言う。お風呂に入るとき、下洗いせず洗濯かごにそのまま突っ込むものだから「自分で洗ってね!」と言う。私がさっさと着替えてお風呂場に入ると、娘が「置いてかれた」と泣いた。

娘があとからやってきて、「ごめんね」と謝った。いつも娘が先に謝ってくれる。「私もごめんね」と言う。「お母さんも〇〇ちゃんも、夜はつかれてるから仕方ないよね」と娘が言った。そのとおりだなと思う。疲れてないうちに布団に入れるように時間配分できたらいいのに、疲れてるばかりに家に帰ると少しも動けない私がいる。


2024/5/28(火) 台風1号

雨の日。外が暗いと、娘はなかなか起きてこない。8時過ぎに、部屋に起こしに行く。

雨が降っている。いつものお弁当、水筒に加えて、レインコートを娘がリュックに詰める。ようちえんは今日は雨の日散歩に出るらしい。

集合場所まで送る。着いてから、Iちゃんから「よかったら一緒に乗せてって」と連絡が来ていたのに気づく。しまった!Iちゃんちの前を通ったときに、こんな雨だけど大丈夫かな?と思っていたのだ。Iちゃんはすぐに歩いてやってきて「ごめんね」と伝える。

レインコートを装着した子どもたちは出かけていった。(早速レインコートが暑いと脱いでいる子もいた)私は家に帰る。仕事する。

お昼にパスタを作って食べた。夫がいたから2人分。お腹が重たいせいか、むわっとした湿気のせいか、食後眠たくなる。

夫が散歩に行きたそうだったから、ついでに自動車税の支払いをお願いする。帰ってきた夫が、「おつりでおやつ買ってきた」と甘い生クリームが入ったクロワッサンを一つくれた。

おやつを食べて、眠気と戦い、仕事。16時半まで友達たちに預かってもらえる日で、原稿を進める。

16時半が近づいてきて、急いで外に出る。雨はパラパラといったところだった。

お迎え場所の図書館の前で待っていた娘は「ママ、会いたかった」と私の腰に手を回した。子どもたちが絵本を読んで帰りたい、というから、図書館の中に入る。閉館時間まであとちょっと。1冊だけ、と言って娘が選んできた絵本を読んだ。プンプンした女の子が出てくるお話で、ちょっとようちえんのお友達に怒りモードのときの娘みたいだな、と思った。

Iちゃん親子を送って帰宅。行きは送れなかったから、帰りは送れてよかった。

帰宅してお風呂を沸かす。今日は雨に濡れたかもしれない。暗くなる頃、一気に雨脚は強まった。風の音がする。

夕飯は娘の前々からのリクエストでタコライスを作った。夫も娘も喜んで食べた。

寝る時、バタンバタンと風の音がしていた。台風1号がやってきている。庭の鉢植えも自転車も、すべてなぎ倒されてしまっているのではないだろうか。娘が「こわい」と言う。「大丈夫だよ」と手を握る。こんなにうるさくちゃ眠れない、と思ったのに、気がついたら寝ていた。


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